[8月11日21:30.天候:曇 東京都江東区森下 ワンスターホテル]
森下駅で電車を降りた鈴木とエレーナは、途中まで一緒に帰った。
そして、ホテルの入口で別れたのだった。
エレーナ:「た、だいまぁ……ヒック!」
オーナー:「お帰り。だいぶ盛り上がったみたいだな」
エレーナ:「おかげさまで……」
オーナー:「あ、そうそう。キミの後輩さんが来てるよ」
エレーナ:「リリアンヌが?そうですか」
オーナー:「キミの部屋に通しておいたよ」
エレーナ:「あ、どうもです。じゃ私、早めに休ませてもらいます」
オーナー:「ああ、お疲れ」
エレーナは鍵を差し込んで、エレベーターを地下1階まで行けるようにした。
これは表向き、地下1階は機械室や倉庫があるフロアということになっており、一般客が下りないようにする為、普段はボタンを押しても反応しないようになっている。
その地下室の一画に、エレーナの部屋がある。
元々はボイラー技士が泊まり込んでいた部屋だったらしいが、今はもうボイラーなんかも自動化されてその必要も無くなり、空き部屋となっていた。
そこを改築して、今はエレーナが泊まり込んでいる。
“魔女の宅急便”の主人公が屋根裏部屋住まいだったのに対し、こちらは地下室住まいである。
魔女っ娘は日の当たる所でOKなのに対し、魔道師は日の当たらない所というわけか。
エレーナ:「お、まだ起きてる」
エレベーターを降りると、無機質な機械室の光景が目に入る。
部屋のドアには小窓が付いていて、そこから室内の明かりが漏れ出していた。
エレーナ:「よっス」
エレーナがいきなりドアを開けるのと、リリアンヌがシャワー室から真っ裸で出て来たのは同時だった。
リリアンヌ:「は、はわわわ!え、え、エレーナ先輩!いい、いきなり開けないでくださいぃぃ」
エレーナ:「ここ、私の部屋!オマエこそバスタオルくらい巻いて出てこい!」
リリアンヌ:「は、はいぃぃぃ」
まだ15歳になったかなってないかの年齢なので、体付きはまだ幼い所が散見される。
エレーナ:「疲れたから、私はさっさと寝させてもらうよ。シャワー浴びてからな」
リリアンヌ:「わ、私もそうします……」
エレーナ:「何の用で来たんだ?」
エレーナもまた着ていた服を脱ぎながらエレーナに話し掛けた。
反対にリリアンヌは、バッグの中から替えの下着やらパジャマやらを着込んでいる。
エレーナ:「リリアンヌみたいな見習(と書いて、『ヒヨッ子』と読む)は、夏休みナシだろ?」
その為稲生も、鈴木にコミケ参戦に誘われたものの、断らざるを得なかったようだ。
てか、ダンテ一門の見習達、何かあったのか?
この作品は本編ではなく、スピンオフであるので、詳細の描写に関しては【お察しください】。
リリアンヌ:「ぽ、ポーリン先生が……忙しい……エレーナ先輩が忙しいので、ホテルの仕事……私もホテルの仕事を手伝えないかって……」
エレーナ:「いや、別にいいよ。コミケはあくまでも1日だけだし」
コミケは3日間開催されるのだが、同じサークルが3日間通して参加するわけではない。
エレーナ:「そんなにポーリン先生に御心配お掛けしちゃったかなぁ……?」
リリアンヌ:「せ、先輩、これを……」
リリアンヌは水晶球に手を翳した。
エレーナ:「ん?」
するとそこにはコミケ会場にて、カメラ小僧達に囲まれるエレーナの姿があった。
最初は困惑していたエレーナだったが、次第にノリノリで撮影に応じていた。
リリアンヌ:「ご、ごご、御心配お掛けしたよう……です……」
エレーナ:「あっちゃー……!見られたか……!」
リリアンヌ:「ど、どど、どうしましょう……?」
エレーナ:「うーむ……。これは何とも、申し開きのしようがない。幸い明日は夜勤だから、昼のうちにポーリン先生の所に行って弁明してこよう……」
申し開きのしようがないと言っておきながら、弁明に行こうするエレーナ。
そして、全裸になるとタオルを持ってシャワールームに入った。
リリアンヌ:「フフフ……」
先輩たるエレーナの脱いだ服を畳む後輩のリリアンヌ。
リリアンヌ:「下着はネットに入れて洗う……」
と、そこへエレーナの机の上の水晶球が光った。
リリアンヌ:「フヒッ!?……ど、どど、どちら様で……?」
横田:「ハァハァ……(*´Д`) ち、違いますよ、リリアンヌさん。使用済みの下着はネットに入れて洗うのではなく、ネットに出して売るのです。……も、もしよろしければ……あなたの……JCたるあなたの下着も売って下さいませんか?(*´Д`) た、高く買いますよ……ハァハァ……」
リリアンヌ、水晶球に手を翳して通信を強制的に切断した。
リリアンヌ:「これは先輩のブラウス。白い物と柄物は分けて洗う……」
掃除や洗濯の仕方から教わる魔女の見習。
幼少の頃は不幸な生い立ちをした者がこの一門には多く、その為、一般常識が全くと言って良いほど身に付いていない状態で入門してくる者も多いのだ。
その為、稲生のような者が『新卒採用』と揶揄されるのである。
リリアンヌが先輩の服を畳み、洗い物は部屋の外にある洗濯機に持って行った。
洗濯機と乾燥機があるのだが、これはエレーナ専用。
このホテルには長期宿泊客用にコインランドリーがあるのだが、そこで使っていたものを流用した中古品である。
すると、エレーナが慌ててシャワー室から出て来た。
後輩に注意しておきながら、自分も真っ裸である。
エレーナ:「リリィ!」
リリアンヌ:「フヒッ!?どうしました、先輩!?」
エレーナ:「私は大変なことを忘れていた!」
リリアンヌ:「な、何ですか!?」
エレーナ:「鈴木から報酬をまだもらってない!タダ働きさせられた!」
リリアンヌ:「フヒッ!?な……そそ、それは何という侮辱!?エレーナ先輩をタダ働きさせるなんてっ!」
[同日23:00.天候:曇 東京都墨田区菊川 鈴木のマンション]
鈴木:「あちゃー、しまった……」
鈴木は寝る前に鞄の中を整理していた。
すると、その中からエレーナに渡すはずの報酬が出てきたのだ。
鈴木:「エレーナに渡すの忘れてた……。今からだと……もう遅いもんな。明日、夜勤だって言ってたな。明日、渡しに行こう」
特盛とエリちゃんには報酬前払いだった為、後払いのエレーナにも渡したものとすっかり勘違いしていたのだ。
鈴木:「さて、今日はもう寝るか……」
鈴木はベッドに入ると眼鏡を外し、リモコンで照明を消灯したのだった。
森下駅で電車を降りた鈴木とエレーナは、途中まで一緒に帰った。
そして、ホテルの入口で別れたのだった。
エレーナ:「た、だいまぁ……ヒック!」
オーナー:「お帰り。だいぶ盛り上がったみたいだな」
エレーナ:「おかげさまで……」
オーナー:「あ、そうそう。キミの後輩さんが来てるよ」
エレーナ:「リリアンヌが?そうですか」
オーナー:「キミの部屋に通しておいたよ」
エレーナ:「あ、どうもです。じゃ私、早めに休ませてもらいます」
オーナー:「ああ、お疲れ」
エレーナは鍵を差し込んで、エレベーターを地下1階まで行けるようにした。
これは表向き、地下1階は機械室や倉庫があるフロアということになっており、一般客が下りないようにする為、普段はボタンを押しても反応しないようになっている。
その地下室の一画に、エレーナの部屋がある。
元々はボイラー技士が泊まり込んでいた部屋だったらしいが、今はもうボイラーなんかも自動化されてその必要も無くなり、空き部屋となっていた。
そこを改築して、今はエレーナが泊まり込んでいる。
“魔女の宅急便”の主人公が屋根裏部屋住まいだったのに対し、こちらは地下室住まいである。
魔女っ娘は日の当たる所でOKなのに対し、魔道師は日の当たらない所というわけか。
エレーナ:「お、まだ起きてる」
エレベーターを降りると、無機質な機械室の光景が目に入る。
部屋のドアには小窓が付いていて、そこから室内の明かりが漏れ出していた。
エレーナ:「よっス」
エレーナがいきなりドアを開けるのと、リリアンヌがシャワー室から真っ裸で出て来たのは同時だった。
リリアンヌ:「は、はわわわ!え、え、エレーナ先輩!いい、いきなり開けないでくださいぃぃ」
エレーナ:「ここ、私の部屋!オマエこそバスタオルくらい巻いて出てこい!」
リリアンヌ:「は、はいぃぃぃ」
まだ15歳になったかなってないかの年齢なので、体付きはまだ幼い所が散見される。
エレーナ:「疲れたから、私はさっさと寝させてもらうよ。シャワー浴びてからな」
リリアンヌ:「わ、私もそうします……」
エレーナ:「何の用で来たんだ?」
エレーナもまた着ていた服を脱ぎながらエレーナに話し掛けた。
反対にリリアンヌは、バッグの中から替えの下着やらパジャマやらを着込んでいる。
エレーナ:「リリアンヌみたいな見習(と書いて、『ヒヨッ子』と読む)は、夏休みナシだろ?」
その為稲生も、鈴木にコミケ参戦に誘われたものの、断らざるを得なかったようだ。
てか、ダンテ一門の見習達、何かあったのか?
この作品は本編ではなく、スピンオフであるので、詳細の描写に関しては【お察しください】。
リリアンヌ:「ぽ、ポーリン先生が……忙しい……エレーナ先輩が忙しいので、ホテルの仕事……私もホテルの仕事を手伝えないかって……」
エレーナ:「いや、別にいいよ。コミケはあくまでも1日だけだし」
コミケは3日間開催されるのだが、同じサークルが3日間通して参加するわけではない。
エレーナ:「そんなにポーリン先生に御心配お掛けしちゃったかなぁ……?」
リリアンヌ:「せ、先輩、これを……」
リリアンヌは水晶球に手を翳した。
エレーナ:「ん?」
するとそこにはコミケ会場にて、カメラ小僧達に囲まれるエレーナの姿があった。
最初は困惑していたエレーナだったが、次第にノリノリで撮影に応じていた。
リリアンヌ:「ご、ごご、御心配お掛けしたよう……です……」
エレーナ:「あっちゃー……!見られたか……!」
リリアンヌ:「ど、どど、どうしましょう……?」
エレーナ:「うーむ……。これは何とも、申し開きのしようがない。幸い明日は夜勤だから、昼のうちにポーリン先生の所に行って弁明してこよう……」
申し開きのしようがないと言っておきながら、弁明に行こうするエレーナ。
そして、全裸になるとタオルを持ってシャワールームに入った。
リリアンヌ:「フフフ……」
先輩たるエレーナの脱いだ服を畳む後輩のリリアンヌ。
リリアンヌ:「下着はネットに入れて洗う……」
と、そこへエレーナの机の上の水晶球が光った。
リリアンヌ:「フヒッ!?……ど、どど、どちら様で……?」
横田:「ハァハァ……(*´Д`) ち、違いますよ、リリアンヌさん。使用済みの下着はネットに入れて洗うのではなく、ネットに出して売るのです。……も、もしよろしければ……あなたの……JCたるあなたの下着も売って下さいませんか?(*´Д`) た、高く買いますよ……ハァハァ……」
リリアンヌ、水晶球に手を翳して通信を強制的に切断した。
リリアンヌ:「これは先輩のブラウス。白い物と柄物は分けて洗う……」
掃除や洗濯の仕方から教わる魔女の見習。
幼少の頃は不幸な生い立ちをした者がこの一門には多く、その為、一般常識が全くと言って良いほど身に付いていない状態で入門してくる者も多いのだ。
その為、稲生のような者が『新卒採用』と揶揄されるのである。
リリアンヌが先輩の服を畳み、洗い物は部屋の外にある洗濯機に持って行った。
洗濯機と乾燥機があるのだが、これはエレーナ専用。
このホテルには長期宿泊客用にコインランドリーがあるのだが、そこで使っていたものを流用した中古品である。
すると、エレーナが慌ててシャワー室から出て来た。
後輩に注意しておきながら、自分も真っ裸である。
エレーナ:「リリィ!」
リリアンヌ:「フヒッ!?どうしました、先輩!?」
エレーナ:「私は大変なことを忘れていた!」
リリアンヌ:「な、何ですか!?」
エレーナ:「鈴木から報酬をまだもらってない!タダ働きさせられた!」
リリアンヌ:「フヒッ!?な……そそ、それは何という侮辱!?エレーナ先輩をタダ働きさせるなんてっ!」
[同日23:00.天候:曇 東京都墨田区菊川 鈴木のマンション]
鈴木:「あちゃー、しまった……」
鈴木は寝る前に鞄の中を整理していた。
すると、その中からエレーナに渡すはずの報酬が出てきたのだ。
鈴木:「エレーナに渡すの忘れてた……。今からだと……もう遅いもんな。明日、夜勤だって言ってたな。明日、渡しに行こう」
特盛とエリちゃんには報酬前払いだった為、後払いのエレーナにも渡したものとすっかり勘違いしていたのだ。
鈴木:「さて、今日はもう寝るか……」
鈴木はベッドに入ると眼鏡を外し、リモコンで照明を消灯したのだった。
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