[5月6日20:00.天候:晴 アルカディアシティ6番街カブキンシタウン カジノ“歌舞錦糸”]
逗留先の宿屋で休憩し、夕食を食べた後、イリーナ組は夜の街に繰り出した。
行った先は街中にあるカジノ。
ディーラー:「このゲームに勝ったのはァ~、ミズ・イリーナぁーっ!」
イリーナ:「ハラショー!」\(^o^)/
稲生:「先生、大勝ちですよ」
マリア:「そりゃ魔道士がブラックジャックやっちゃダメだろう……。ポーカーも、ルーレットもだ」
稲生:「それじゃ魔道士全般、カジノに出入りできませんよ?」
その為、このカジノでは大勝した者はディーラーに多額のチップをキックバックすることが求められる。
稲生:「昔、某カジノで僕達、カジノで大勝しちゃいましたけどね」
マリア:「どこかの豪華客船のカジノだったっけ?あれはいいんだよ」
稲生:「冥鉄汽船の豪華客船だったような……」
マリア:「それより、あっちに行ってダーツやろ、ダーツ!」
稲生:「あ、ああ……」
もちろんカジノ内で魔法を使い、不正に勝つことは違法である。
ディーラー:「勝負師のミズ・イリーナには、バカラ賭博への参加券が進呈されます。バカラをプレイしますか?」
バカラ賭博はカジノの中でも1番高額な掛け金が飛び交うこともあり、大抵はVIPルームで行われる。
イリーナ:「そうねぇ。ちょっとだけ参加してみようかしら」
イリーナは細くしていた目を少しだけ開けて緑色の瞳をキラリと光らせると、口角を上げて答えた。
稲生:「ん?先生が移動されるよ?」
マリア:「まだ帰る時間じゃないから、大丈夫だろう」
稲生:「どこへ行くんだろう?」
マリア:「あれだけ大勝したから、VIPルームにでも誘われたんじゃない?それより勇太、ちゃんと狙ってよ」
稲生:「はいはい」
1時間後、この魔道士達に災厄が降り掛かることになろうとは……。
[同日20:00.カジノ“歌舞錦糸”]
ダーツで汗を流し、ピンボールとスロットで集中力を使った稲生達。
ドリンクコーナーのカウンターで休憩する。
バーテンダー:「いらっしゃいませ。何に致しましょう?」
稲生:「カシスオレンジください」
マリア:「私はグレイハウンド」
稲生:「グレイハウンド?アメリカの長距離バス会社の?」
マリア:「違う。犬の種類」
バーテンダー:「かしこまりました」
マリア:「元々はソルティ・ドッグという名のカクテルなんだけど、グラスの縁に塩を付けないのを『グレイハウンド』って言うの」
稲生:「へえ……」
マリア:「でもカクテルの中には塩味が効いてるからね」
稲生:「塩分を取るの?」
マリア:「集中すると変な汗かくから。帰ったら、またシャワー浴びよう」
稲生:「なるほど。隣にいた戦士っぽい人、完全に獲物を狙う目だったねぇ……。いや、スロットと言えば『目押し』なんだけど……」
マリア:「競馬場に行く藤谷ハンチョーと変わらないよ」
稲生:「ははは……」
そんなことを話していると、頼んでいたカクテルが出来上がる。
バーテンダー:「お待たせ致しました。こちら、グレイハウンドでございます。こちら、カシスオレンジでございます」
稲生:「どうもー」
稲生は自分のグラスを取った。
稲生:「人間界に帰る頃には、コロナが収束して高速バスが運転再開になってるといいなぁ……」
マリア:「私達だけならいいけど、師匠と一緒だと難しいよ」
やはり公共バスは中・下層の者が乗る物ということなのか、仮にもグランドマスターの称号を得ているVIPをそんなものに乗せることへの批判があった。
世界に誇る新幹線のグリーン車なら、むしろ当然という扱いなのだが……。
稲生:「これ飲んだら、次は何する?もう一度スロットやる?それともダーツ?」
マリア:「ダンスショーを観るのもいいかもね」
マリア、けして酒は弱くない。
しかし何故か日本酒や焼酎など、日本の酒が絡むと途端に悪酔いするのである。
その為、基本的に日本の酒は使わないカクテルは安全圏と言えた。
バーテンダー:「ダンスショーは21時から中央ステージで行われます。今回はグーラ達による濃艶なものが披露されます」
マリア:「それ観た途端、アウトじゃないか?」
グーラとはアラブ圏が出自の人食い鬼のことである。
こちらも日本の鬼と同様、男女別に分かれており、グーラは女の人食い鬼である。
男はグールといい、日本ではこちらの名称が浸透している。
その為、女であってもグールと呼ばれることがある。
グールはアラビアンナイトでも登場し、現実世界ではこれが初見の人も多い。
女の鬼は世界共通で美しい容姿をしていることが多く、魅了された人間の男を食い殺すとされているが、この魔界ではどうなのだろうか。
稲生:「ちょっと観てみたい気もする……」
マリア:「勇太!」
稲生:「じょ、冗談です」
稲生は残りのカシスオレンジをクイッと飲み干した。
〔♪♪♪♪~。「本日もカジノ“歌舞錦糸”へ御来場頂き、真にありがとうございます。お客様の御呼び出しを申し上げます。人間界・日本国よりお越しの稲生勇太様、マリアンナ・スカーレット様、イリーナ・ブリジッド様、大変恐れ入りますが、エントランスロビーまでお越しください。三星亭のジーナ・フローレンス様がお待ちです」〕
稲生:「あれ?僕達だ」
マリア:「ジーナが呼んでるって?」
稲生:「まだ帰る時間じゃないよね?」
マリア:「何かあったのか?」
マリアも残りのカクテルを飲み干した。
マリア:「ごちそうさま!料金は帰りに払うから」
バーテンダー:「かしこまりました。ありがとうございます」
稲生:「一体、何だろう?」
ホールからロビーへ行き来する二重のドアを抜ける。
そこはまるでホテルのロビーのような空間が広がっていたが、場所が場所だけに、それよりは賑やかだった。
マリア:「ジーナ!」
するとそこには今にも泣き出しそうな顔をしたジーナがいた。
稲生:「一体、どうしたの!?」
ジーナ:「ごめんなさぁい……。大変なことが起きたんですぅ……!」
一体、何があった?
1:宿屋で火災発生!
2:宿屋で窃盗事件発生!
3:宿屋で立てこもり事件発生!
4:宿屋でテロ事件発生!
5:宿屋で殺人事件発生!
逗留先の宿屋で休憩し、夕食を食べた後、イリーナ組は夜の街に繰り出した。
行った先は街中にあるカジノ。
ディーラー:「このゲームに勝ったのはァ~、ミズ・イリーナぁーっ!」
イリーナ:「ハラショー!」\(^o^)/
稲生:「先生、大勝ちですよ」
マリア:「そりゃ魔道士がブラックジャックやっちゃダメだろう……。ポーカーも、ルーレットもだ」
稲生:「それじゃ魔道士全般、カジノに出入りできませんよ?」
その為、このカジノでは大勝した者はディーラーに多額のチップをキックバックすることが求められる。
稲生:「昔、某カジノで僕達、カジノで大勝しちゃいましたけどね」
マリア:「どこかの豪華客船のカジノだったっけ?あれはいいんだよ」
稲生:「冥鉄汽船の豪華客船だったような……」
マリア:「それより、あっちに行ってダーツやろ、ダーツ!」
稲生:「あ、ああ……」
もちろんカジノ内で魔法を使い、不正に勝つことは違法である。
ディーラー:「勝負師のミズ・イリーナには、バカラ賭博への参加券が進呈されます。バカラをプレイしますか?」
バカラ賭博はカジノの中でも1番高額な掛け金が飛び交うこともあり、大抵はVIPルームで行われる。
イリーナ:「そうねぇ。ちょっとだけ参加してみようかしら」
イリーナは細くしていた目を少しだけ開けて緑色の瞳をキラリと光らせると、口角を上げて答えた。
稲生:「ん?先生が移動されるよ?」
マリア:「まだ帰る時間じゃないから、大丈夫だろう」
稲生:「どこへ行くんだろう?」
マリア:「あれだけ大勝したから、VIPルームにでも誘われたんじゃない?それより勇太、ちゃんと狙ってよ」
稲生:「はいはい」
1時間後、この魔道士達に災厄が降り掛かることになろうとは……。
[同日20:00.カジノ“歌舞錦糸”]
ダーツで汗を流し、ピンボールとスロットで集中力を使った稲生達。
ドリンクコーナーのカウンターで休憩する。
バーテンダー:「いらっしゃいませ。何に致しましょう?」
稲生:「カシスオレンジください」
マリア:「私はグレイハウンド」
稲生:「グレイハウンド?アメリカの長距離バス会社の?」
マリア:「違う。犬の種類」
バーテンダー:「かしこまりました」
マリア:「元々はソルティ・ドッグという名のカクテルなんだけど、グラスの縁に塩を付けないのを『グレイハウンド』って言うの」
稲生:「へえ……」
マリア:「でもカクテルの中には塩味が効いてるからね」
稲生:「塩分を取るの?」
マリア:「集中すると変な汗かくから。帰ったら、またシャワー浴びよう」
稲生:「なるほど。隣にいた戦士っぽい人、完全に獲物を狙う目だったねぇ……。いや、スロットと言えば『目押し』なんだけど……」
マリア:「競馬場に行く藤谷ハンチョーと変わらないよ」
稲生:「ははは……」
そんなことを話していると、頼んでいたカクテルが出来上がる。
バーテンダー:「お待たせ致しました。こちら、グレイハウンドでございます。こちら、カシスオレンジでございます」
稲生:「どうもー」
稲生は自分のグラスを取った。
稲生:「人間界に帰る頃には、コロナが収束して高速バスが運転再開になってるといいなぁ……」
マリア:「私達だけならいいけど、師匠と一緒だと難しいよ」
やはり公共バスは中・下層の者が乗る物ということなのか、仮にもグランドマスターの称号を得ているVIPをそんなものに乗せることへの批判があった。
世界に誇る新幹線のグリーン車なら、むしろ当然という扱いなのだが……。
稲生:「これ飲んだら、次は何する?もう一度スロットやる?それともダーツ?」
マリア:「ダンスショーを観るのもいいかもね」
マリア、けして酒は弱くない。
しかし何故か日本酒や焼酎など、日本の酒が絡むと途端に悪酔いするのである。
その為、基本的に日本の酒は使わないカクテルは安全圏と言えた。
バーテンダー:「ダンスショーは21時から中央ステージで行われます。今回はグーラ達による濃艶なものが披露されます」
マリア:「それ観た途端、アウトじゃないか?」
グーラとはアラブ圏が出自の人食い鬼のことである。
こちらも日本の鬼と同様、男女別に分かれており、グーラは女の人食い鬼である。
男はグールといい、日本ではこちらの名称が浸透している。
その為、女であってもグールと呼ばれることがある。
グールはアラビアンナイトでも登場し、現実世界ではこれが初見の人も多い。
女の鬼は世界共通で美しい容姿をしていることが多く、魅了された人間の男を食い殺すとされているが、この魔界ではどうなのだろうか。
稲生:「ちょっと観てみたい気もする……」
マリア:「勇太!」
稲生:「じょ、冗談です」
稲生は残りのカシスオレンジをクイッと飲み干した。
〔♪♪♪♪~。「本日もカジノ“歌舞錦糸”へ御来場頂き、真にありがとうございます。お客様の御呼び出しを申し上げます。人間界・日本国よりお越しの稲生勇太様、マリアンナ・スカーレット様、イリーナ・ブリジッド様、大変恐れ入りますが、エントランスロビーまでお越しください。三星亭のジーナ・フローレンス様がお待ちです」〕
稲生:「あれ?僕達だ」
マリア:「ジーナが呼んでるって?」
稲生:「まだ帰る時間じゃないよね?」
マリア:「何かあったのか?」
マリアも残りのカクテルを飲み干した。
マリア:「ごちそうさま!料金は帰りに払うから」
バーテンダー:「かしこまりました。ありがとうございます」
稲生:「一体、何だろう?」
ホールからロビーへ行き来する二重のドアを抜ける。
そこはまるでホテルのロビーのような空間が広がっていたが、場所が場所だけに、それよりは賑やかだった。
マリア:「ジーナ!」
するとそこには今にも泣き出しそうな顔をしたジーナがいた。
稲生:「一体、どうしたの!?」
ジーナ:「ごめんなさぁい……。大変なことが起きたんですぅ……!」
一体、何があった?
1:宿屋で火災発生!
2:宿屋で窃盗事件発生!
3:宿屋で立てこもり事件発生!
4:宿屋でテロ事件発生!
5:宿屋で殺人事件発生!
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