[10月8日11:00.天候:曇 神奈川県横浜市中区横浜港大さん橋 正信号船橋]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日は沈没した豪華客船“顕正”号とは同型の姉妹船である“正信”号を探索していた。
高野君達曰く、『言われないと分からないくらい、そっくりな造り』とのこと。
こうして今歩いている間、正信号は静かなものだったが、顕正号はゾンビパラダイスだったわけだ。
これだけの大型客船なのだから、船内にはエレベーターがある。
それで客室フロアから船橋フロアまで上がった。
高野:「船橋に出たわ!」
高橋:「あの時と同じセリフ言いやがって」
さすがは豪華客船の船橋。
船員のロッカールームにはずらりとロッカーが並び、それを過ぎると操舵室に出た。
高橋:「先生、ここまでの記憶は?」
愛原:「いや、無いな……」
私は首を傾げた。
顕正号の船橋エリアには、早いうちに訪れていたという。
私が倒れて意識を失う前の話だ。
だからここでは、私も元気に船橋を訪れていたはずなのだが……。
高野:「私達が到着した時、既に船橋は蛻の殻でした。この操舵室も、操縦の為の機器が全て壊されていたのです」
と、高野君は説明した。
もちろん、正信号の方は無事である。
後ろにいるBSAAの軍人さん達が、自力で航行してきたわけだからね。
愛原:「船員達がいなかったって、一体どうしたんだ?航海士達は?」
高橋:「要はそいつらがテロリスト達だったというわけですよ。まんまと騙されたというわけです」
愛原:「んん?船長も?」
高野:「船長は……」
私達は今度は船長室に移動した。
豪華客船の船長室は、まるでどこかの大企業の役員室並みに豪勢な造りになっている。
高橋:「この椅子に座って死んでました。ゾンビ化するまでもなく」
愛原:「なるほど……」
表向きは船員達の暴動ということになっていたか。
善場:「皆さん、そろそろいいでしょうか?」
愛原:「はい?」
善場:「そろそろ客室の方に移動しましょう。愛原さん達が顕正号で宿泊していた部屋に行きませんと」
愛原:「おっ、そうでした」
それがそもそもの目的で来たのだ。
BSAA隊長:「Hey.Ms.Toshiba.」
その時、BSAA隊長が善場さんに話し掛けた。
善場:「Huh?」
隊長と善場さんが英語でやり取りをしている。
そして……。
善場:「あ、すいません。その前に、せっかくこの船橋エリアに来たのですから、もう一部屋探索したい部屋があるそうです」
愛原:「え?」
私達はBSAA隊長に付いて行った。
それは船長室前の廊下を進んだ先にある部屋。
高橋:「この廊下に船員のゾンビが1人いたもんで、俺がボコしてやりました」
愛原:「ボコす?銃は?」
高橋:「この時はまだ無かったんですよ。取りあえず足掛けて転ばせた後、そこにある消火器で頭叩き割ってやりました」
愛原:「やるなぁ……」
高橋:「『流血の惨を見る事、必至であります!』」
愛原:「……だな」
顕正号ではボッチの船員ゾンビが徘徊していたという廊下を進み、奥の部屋のドアを開けた。
因みに船員全員がテロリストというわけではなく、一部に裏切り者がいて、そういうテロ組織と内通していた者がいたということ。
その部屋は会議室になっていた。
正信号では机と椅子とホワイトボードくらいしか無いが、顕正号は色々な物があって散らかっていたという。
高橋:「ここで俺はようやくハンドガンを手に入れることができました」
愛原:「あったんだ!」
高橋:「因みに船橋エリアの鍵もここにありましたよ。これで船長室のドアの鍵を開けたりしたんです」
愛原:「へえ……。この会議室の中にはゾンビとかいたかい?」
高橋:「いなかったですね。さっきも言った通り、そこの廊下に1匹いただけです」
高野:「あ、でも、さっきのロッカールームも後から行ったら、ダクトの金網ブチ破ってリッカーが出てきましたけどね」
愛原:「そうか。リッカーいたなぁ……」
大山寺の大本堂でそいつらと、そいつらのボスである逆さ女……もとい、サスペンデッドと無双したのを思い出した。
私達がそんなことを話していると、隊長は会議室内に掛かっている絵画を外した。
その絵画の裏には、黄色の金庫が出てきた。
高野:「あっ、そうだ!顕正号にもあったわ、それ!」
高橋:「何か違和感あったんだけど、顕正号じゃ絵なんか掛かってなかったな」
善場:「そうですか。ここにもあったんですね」
善場さんは私が先日渡したカードキーを金庫の前に翳した。
すると、ピーッという音と共に、ガチャとロックの外れる音がした。
開けてみると、中にはコルトパイソンが入っていた。
高橋:「マジかよ、ここにあったのかよ!くそっ!」
愛原:「顕正号では何が入ってた?」
高野:「それどころじゃなかったんですよ。先生は倒れてましたし、後で気づいた時には船は沈没し掛かってましたし……」
愛原:「これは顕正号と生き写しの船だろ?てことは、向こうにもコルトパイソンが入っていたのかもな」
高橋:「だからですよ。最初のうちに手に入っていたら、先生も倒れずに済んだかもしれないのに!」
しかし、最初から強い武器が手に入らないのが“バイオハザード”というものだからな。
この日本で、早めのうちにハンドガンが手に入っただけでもマシというものだぞ。
善場:「隊長、他にもこういう金庫があるんですか?」
と、善場さんは英語で聞いたらしい。
すると隊長は……。
隊長:「That’s right.Follow me.」
『その通りだ。ついてきてくれ』という意味で言ったのは何となく分かった。
まあ、欧米人は身振り手振りも大きいからな……。
私達は船橋エリアを後にし、客室エリアへと向かうエレベーターに乗り込んだ。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日は沈没した豪華客船“顕正”号とは同型の姉妹船である“正信”号を探索していた。
高野君達曰く、『言われないと分からないくらい、そっくりな造り』とのこと。
こうして今歩いている間、正信号は静かなものだったが、顕正号はゾンビパラダイスだったわけだ。
これだけの大型客船なのだから、船内にはエレベーターがある。
それで客室フロアから船橋フロアまで上がった。
高野:「船橋に出たわ!」
高橋:「あの時と同じセリフ言いやがって」
さすがは豪華客船の船橋。
船員のロッカールームにはずらりとロッカーが並び、それを過ぎると操舵室に出た。
高橋:「先生、ここまでの記憶は?」
愛原:「いや、無いな……」
私は首を傾げた。
顕正号の船橋エリアには、早いうちに訪れていたという。
私が倒れて意識を失う前の話だ。
だからここでは、私も元気に船橋を訪れていたはずなのだが……。
高野:「私達が到着した時、既に船橋は蛻の殻でした。この操舵室も、操縦の為の機器が全て壊されていたのです」
と、高野君は説明した。
もちろん、正信号の方は無事である。
後ろにいるBSAAの軍人さん達が、自力で航行してきたわけだからね。
愛原:「船員達がいなかったって、一体どうしたんだ?航海士達は?」
高橋:「要はそいつらがテロリスト達だったというわけですよ。まんまと騙されたというわけです」
愛原:「んん?船長も?」
高野:「船長は……」
私達は今度は船長室に移動した。
豪華客船の船長室は、まるでどこかの大企業の役員室並みに豪勢な造りになっている。
高橋:「この椅子に座って死んでました。ゾンビ化するまでもなく」
愛原:「なるほど……」
表向きは船員達の暴動ということになっていたか。
善場:「皆さん、そろそろいいでしょうか?」
愛原:「はい?」
善場:「そろそろ客室の方に移動しましょう。愛原さん達が顕正号で宿泊していた部屋に行きませんと」
愛原:「おっ、そうでした」
それがそもそもの目的で来たのだ。
BSAA隊長:「Hey.Ms.Toshiba.」
その時、BSAA隊長が善場さんに話し掛けた。
善場:「Huh?」
隊長と善場さんが英語でやり取りをしている。
そして……。
善場:「あ、すいません。その前に、せっかくこの船橋エリアに来たのですから、もう一部屋探索したい部屋があるそうです」
愛原:「え?」
私達はBSAA隊長に付いて行った。
それは船長室前の廊下を進んだ先にある部屋。
高橋:「この廊下に船員のゾンビが1人いたもんで、俺がボコしてやりました」
愛原:「ボコす?銃は?」
高橋:「この時はまだ無かったんですよ。取りあえず足掛けて転ばせた後、そこにある消火器で頭叩き割ってやりました」
愛原:「やるなぁ……」
高橋:「『流血の惨を見る事、必至であります!』」
愛原:「……だな」
顕正号ではボッチの船員ゾンビが徘徊していたという廊下を進み、奥の部屋のドアを開けた。
因みに船員全員がテロリストというわけではなく、一部に裏切り者がいて、そういうテロ組織と内通していた者がいたということ。
その部屋は会議室になっていた。
正信号では机と椅子とホワイトボードくらいしか無いが、顕正号は色々な物があって散らかっていたという。
高橋:「ここで俺はようやくハンドガンを手に入れることができました」
愛原:「あったんだ!」
高橋:「因みに船橋エリアの鍵もここにありましたよ。これで船長室のドアの鍵を開けたりしたんです」
愛原:「へえ……。この会議室の中にはゾンビとかいたかい?」
高橋:「いなかったですね。さっきも言った通り、そこの廊下に1匹いただけです」
高野:「あ、でも、さっきのロッカールームも後から行ったら、ダクトの金網ブチ破ってリッカーが出てきましたけどね」
愛原:「そうか。リッカーいたなぁ……」
大山寺の大本堂でそいつらと、そいつらのボスである逆さ女……もとい、サスペンデッドと無双したのを思い出した。
私達がそんなことを話していると、隊長は会議室内に掛かっている絵画を外した。
その絵画の裏には、黄色の金庫が出てきた。
高野:「あっ、そうだ!顕正号にもあったわ、それ!」
高橋:「何か違和感あったんだけど、顕正号じゃ絵なんか掛かってなかったな」
善場:「そうですか。ここにもあったんですね」
善場さんは私が先日渡したカードキーを金庫の前に翳した。
すると、ピーッという音と共に、ガチャとロックの外れる音がした。
開けてみると、中にはコルトパイソンが入っていた。
高橋:「マジかよ、ここにあったのかよ!くそっ!」
愛原:「顕正号では何が入ってた?」
高野:「それどころじゃなかったんですよ。先生は倒れてましたし、後で気づいた時には船は沈没し掛かってましたし……」
愛原:「これは顕正号と生き写しの船だろ?てことは、向こうにもコルトパイソンが入っていたのかもな」
高橋:「だからですよ。最初のうちに手に入っていたら、先生も倒れずに済んだかもしれないのに!」
しかし、最初から強い武器が手に入らないのが“バイオハザード”というものだからな。
この日本で、早めのうちにハンドガンが手に入っただけでもマシというものだぞ。
善場:「隊長、他にもこういう金庫があるんですか?」
と、善場さんは英語で聞いたらしい。
すると隊長は……。
隊長:「That’s right.Follow me.」
『その通りだ。ついてきてくれ』という意味で言ったのは何となく分かった。
まあ、欧米人は身振り手振りも大きいからな……。
私達は船橋エリアを後にし、客室エリアへと向かうエレベーターに乗り込んだ。
ええ、お気づきの通り、バッドエンド直行コースではありません。
というより、カジノに行こうとすると、隊長に止められます。
プロムナードに行こうとすると、高橋が止めに入ります。
また、それ以外を選択しても、善場さんがマイケルさんに「どこへ行こうと言うの?」と窘めて来ます。
素直に愛原達の部屋に行こうとした場合、船橋エリアには後から行くことになります。
要は顕正号に何ヶ所かあったという隠し金庫を、正信号で暴いてやろうというのが善場達の目的ですので。