起床時には降っていなかった雨。
いつの間に降り出したのでしょう。
音もなく静かな雨です。
気が付いたのは午前8時頃。
それにしても、降っているかいないか、
分からないような細かい雨です。
昨日、花が咲いているドクダミを採り、
乾かして置いて良かったと、
ほっと胸を撫で下ろしている私がいます。
その束は前回と併せて、ざっと30束余り。
昨夜のうちに一部、家の中に吊るして置いたのですが、
葉っぱ特有の瑞々しい香りを放っています。
「私、赤い薔薇が大好きですの。
アンは、ピンクの薔薇が一番好きですし、
ギルバートは白が好きなんです。私は真紅のが欲しいのですわ。」
【「アンの夢の家」 第38章】
さて、世の中に薔薇が嫌いと仰る
方は、まずいらっしゃらないでしょう。
私も例外ではなく、今の季節は、
特に家の外も中も、薔薇の芳香で、
うっとりしています。
そして我家では貴重な、
ピンクの薔薇が再び開花しました。
薔薇の歴史は、紀元前800年と
言いますから相当に古いですね。
日本でも、『古今集』、『枕草子』 には、
『薔薇』 という名称が現れ、『源氏物語』 にも同様の記述があります。
「花橘、撫子、さうび・・・などやうの、花のくさぐさを植えて」 ~「源氏物語」
平安貴族が薔薇を庭に植え、愛(め)でていた様が想像出来ますね。
そして江戸時代には、『野薔薇』 の素朴さが評価されたようです。
「路たえて香にせまり咲く いばら かな」 ~松尾 芭蕉 「茨 の花此処 ~小林 一茶 |
【注:茨(いばら)は薔薇の別名】
芭蕉も一茶も野薔薇の香りに誘われ、歩みを止め、一句を詠んだようです。
何と風流なのでしょう。
薔薇と言えば、薔薇を敷き詰めたベッドで眠ったという、
クレオパトラが有名ですね。
クレオパトラの美を引き立てたのも薔薇なら、恋人、アントニウスを招いて
開かれたパーティーでは、30Cm以上の厚さに薔薇が敷き詰められたとか。
クレオパトラに限らず、この頃のローマは、ネロ皇帝を初めとして、
薔薇三昧の日々だったようです。
そうそう、今日のタイトルの “薔薇の花の下の約束事”。
ヨーロッパでは、薔薇の花を天井に吊るした議会や宴会での事は、
秘密にする風習があるそうですね。
薔薇の芳香には、鎮静効果がありますので秘密が守れるという事なのでしょう。
一方、レモンやジャスミンは覚醒効果。
これだと、興奮して思わず秘密の暴露・・ともなりかねませんものね。
さて、私も・・こんな風に薔薇の事を綴っていますと、
少々、喉が渇いて参りました。
折角ですので、薔薇茶を頂く事にします。
こうなりますと、せめて薔薇のカップで。
という訳で今日は急遽、
『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』 のオープンです。
クレオパトラと違って、せいぜいポプリの薔薇の花びらを散らす程度ですが・・。