【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

薔薇の花の下の約束

2009-06-10 16:52:52 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編


    起床時には降っていなかった雨。
   いつの間に降り出したのでしょう。
   音もなく静かな雨です。

    気が付いたのは午前8時頃。
   それにしても、降っているかいないか、
   分からないような細かい雨です。

    昨日、花が咲いているドクダミを採り、
   乾かして置いて良かったと、
   ほっと胸を撫で下ろしている私がいます。

    その束は前回と併せて、ざっと30束余り。
   昨夜のうちに一部、家の中に吊るして置いたのですが、
   葉っぱ特有の瑞々しい香りを放っています。

   「私、赤い薔薇が大好きですの。
  アンは、ピンクの薔薇が一番好きですし、
  ギルバートは白が好きなんです。私は真紅のが欲しいのですわ。」

                                         【「アンの夢の家」 第38章】



    さて、世の中に薔薇が嫌いと仰る
   方は、まずいらっしゃらないでしょう。

    私も例外ではなく、今の季節は、
   特に家の外も中も、薔薇の芳香で、
   うっとりしています。

    そして我家では貴重な、
   ピンクの薔薇が再び開花しました。

    薔薇の歴史は、紀元前800年と
   言いますから相当に古いですね。

    日本でも、『古今集』、『枕草子』 には、
   薔薇そうび という名称が現れ、『源氏物語』 にも同様の記述があります。

   「花橘、撫子、さうび・・・などやうの、花のくさぐさを植えて」 ~「源氏物語」

   平安貴族が薔薇を庭に植え、愛(め)でていた様が想像出来ますね。
  そして江戸時代には、『野薔薇』 の素朴さが評価されたようです。

 「路たえて香にせまり咲く いばら かな」 ~松尾 芭蕉 

いばら の花此処ここをまたげと咲きにけり」 ~小林 一茶

                         【注:茨(いばら)は薔薇の別名】

    芭蕉も一茶も野薔薇の香りに誘われ、歩みを止め、一句を詠んだようです。
   何と風流なのでしょう。

    薔薇と言えば、薔薇を敷き詰めたベッドで眠ったという、
   クレオパトラが有名ですね。
   
    クレオパトラの美を引き立てたのも薔薇なら、恋人、アントニウスを招いて
   開かれたパーティーでは、30Cm以上の厚さに薔薇が敷き詰められたとか。

   クレオパトラに限らず、この頃のローマは、ネロ皇帝を初めとして、
  薔薇三昧の日々だったようです。

   そうそう、今日のタイトルの “薔薇の花の下の約束事”。
  ヨーロッパでは、薔薇の花を天井に吊るした議会や宴会での事は、
  秘密にする風習があるそうですね。

   薔薇の芳香には、鎮静効果がありますので秘密が守れるという事なのでしょう。
  一方、レモンやジャスミンは覚醒効果。
  これだと、興奮して思わず秘密の暴露・・ともなりかねませんものね。

    さて、私も・・こんな風に薔薇の事を綴っていますと、
   少々、喉が渇いて参りました。

    折角ですので、薔薇茶を頂く事にします。
   こうなりますと、せめて薔薇のカップで。

    という訳で今日は急遽、
   『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』 のオープンです。
   クレオパトラと違って、せいぜいポプリの薔薇の花びらを散らす程度ですが・・。