イギリスかぶれの山遊記、締めの一本。
渓谷美で名高い昇仙峡ロープウェイを昇り、パノラマ台駅から少し歩くと、弥三郎岳の天辺。
(弥三郎岳・展望台・パノラマ台を総称して羅漢寺山(らかんじやま)というらしい。)
まるでOnce upon a long agoに出てくる巨石の風景みたいだ。
Paul McCartney - Once Upon A Long Ago - 1987 Music Video HD
金櫻神社は金峰山を「ご神体」とし、奥秩父連峰の最高峰である頂上に本宮があって、そこは昇仙峡の源流でもある。
山麓にある神社は「本宮」ではなく「里宮」になる。
昇仙峡の渓谷を行く前に、夕方になってから昇仙峡ロープウェイでパノラマ台へ。
(昇仙峡のシンボルのようになっている覚円峰は夜の遊歩道を歩いたので、横は通りましたが景色は見ずでした。)
奥に見えるのは荒川ダム。(山梨県にも、富士川水系の、別の荒川がある。)
山の天気は不思議で、麓では宵闇迫る曇天だったのだが、山頂が近づくにつれて明るくなった。
パノラマ台からの眺め。
空や眼下の山々に、龍の気脈のようなパワーが充ちているのを感じる。
富士山遥拝。
鳥のように高い目線で地平を俯瞰し、そこに龍脈の流れを見ていた山岳信仰の時代の人々の、
パノラマ的な立体感覚やイメージの力にあらためて驚く。
麓でパワースポットの解説を目にした時は冗談ぽく感じられたのに、山頂では感じ方が変わる。
髄液が何らかの影響を受けて、変性するのでしょうか。
和合権現が、龍脈の流れの中で中心を占めている。
日本の神道では、イザナギとイザナミが「みとのまぐわい」をして国を生み出した。
女神であるイザナミは、イザナギと交わることによって日本列島を次々と産出しただけでなく、
そこに海、山、野原、草木なども産み落とした万物の創造主。
そして、その死体から、さまざまなオロチが誕生してくる光景は、
彼女自身の正体がオロチであったことをほのめかしている、と言います。
オロチは横溢な生命力を持つ女神であり、
雌雄のオロチが交尾する姿が、神社に飾られるしめ縄との説には説得力がある。
ヒンズー教や山岳信仰だけではなく、日本の神道も実は生々しい。
こっちから見ると「マル・オブ・キンタイア規定」にそっくりだ。
この程度なら、きっと規定にはひっかからない。
キンタイア半島の地図の出てくるバージョンもあったが、冬らしくて、口ずさめるこちらのバージョンを。
Paul McCartney & Wings - Mull Of Kintyre
最後に霊峰 富士を拝しながら。
そして夜の帳の甲府盆地。
「昇仙峡とキンタイア岬」ってタイトルにした。
峡谷と岬、女と男、とも読める。
神さまの秘め事のようで
なぜか神秘的に感じられる謎が、少し解明できたような気がする。
モノを生み続ける山には子宮がなくてはならない。
深くて暗い谷、大きな洞窟なども、その形状から子宮とみなされていた。滝もそうである。
両脇から欝蒼と生い茂った森林の襞に包まれて、山の体液を流し続ける滝は女陰である。
(「山の霊力」より)
昇仙峡 仙娥滝ライトアップ(20171107)
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