上弦の月

夜洗濯物を干す。
雲があるのかさそり座の赤い星は見えない。
赤みかかった上弦の月が西に傾きかかっている。
シャワーの後の火照った顔に夜風が心地よい。
あの光っている星は何だろう？
木星か金星か？
夜なのに蝉が鳴いている。

明日でくぅの夏休みの補習前半が終わる。
しかも、午前中で終わるので弁当は要らない。
少し開放された気分。

なぎぃも流石に疲れたのか今日はぐっすり眠っている。
夫も明日が早いのか寝てしまった。
こんな夜は夜更かしをしてみたい。
でも油断するとまた体調を崩すので、やっぱり寝ることにする。

明日もまた暑いのかなぁ・・・

２度目の巣立ち

今日も蝉時雨。雲が多いようだ。

グァシャッ・・・グァシャッ・・・
散らかっている本屋のレジ袋を踏む音で目が覚めた。
なぎぃが歩き回っている。
ギ～～～～～～バタン
玄関のドアが閉まった音だ。
暗がりの中時計を見ると３時。


夕べ１０時ごろシャワーから出るとなぎぃがバッグを背負って出かけようとしていた。
海に行くという。
「夜遅いし、薬も飲んだ後だし、夜の海は暴走族が居たりして危ないよ」と止めた。
暫く書けていない、その所為もあって眠れなかったようだ。
海に行ってポコポコと箱を叩いて気持ちを整理したかったのだろう。

その気持ちが残っていたのか、明方とも言えない時間に起き出した。
ドアが閉まり、階段を下りる足音、自転車をガシャンと引っ張り出して、キーキーキーと自転車をこぐ音が遠ざかっていった。

目が覚めてしまい、暫くは夜鳴く虫の声が耳について眠れず、やがて車の発進音や新聞配達のバイク音が聞こえてきた。
それでも少しは眠ったのか６時前の目覚ましに飛び起きる。
テーブルの上には「ハーバーいってきます」と走り書きのメモがあった。
今朝は行き先は分かっていたが。

７時頃、アルバイト情報誌を手に涼しい顔で帰ってきた。
暑くなる前に戻ってきたのは賢い。
もう少し静かに出かけてくれたら嬉しいんだけど。

写真は地下鉄の駅の、この夏２度目の巣立ちを待つ子つばめたち。