ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

転勤命令に育児や家族介護への配慮を

2011-03-19 17:01:05 | 労務情報

 東日本大震災の被害状況や福島原発の事故など、心痛むニュースが報道され続けています。
 無論それらは心配な事には違いありませんが、しかし、それを口実にして、直接の被害を受けていない我々が日常業務をおろそかにしてはいけないと思います。
 我々が今するべきは、“心配”ではなく、“後方支援”であるはずです。具体的には、「義援金を寄付する」という直接的な方法も有りますが、「各自の社会的役割を果たす」という間接的な方法も大事なことだと思います。我々が元気を無くしてしまっては、結果、日本経済全体を沈滞させてしまいかねません。それは被災地の方々も望んでいることではないでしょう。
 よって、今回は敢えて地震や津波や原発や計画停電に触れずに、通常の記事を掲載することにしました。


 4月に人事異動を予定している会社も多いだろう。人事異動は、入退職や昇格に伴う配置転換の目的で行われることはもとより、従業員個々人にはキャリアを積んでもらうことが図れ、また、組織のマンネリ化を防ぐ意味も持つので、大いに活用したい。

 とは言っても、転居を伴う転勤の場合は、慎重を期さなければならない。特に育児や家族介護の必要がある従業員については配慮が求められる。

 判例では、勤務地限定の特約が無い限り、転勤を命じることも会社の経営権の一つとして基本的には認めている。しかし、「業務上の必要性がない場合」、「不当な動機や目的である場合」、「労働者が通常受ける不利益を著しく超える場合」には、権利の濫用として転勤命令を無効としているのだ。特に、3番目の「労働者が通常受ける不利益を著しく超える場合」については、育児介護休業法第26条の「労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない」との規定と相まって、裁判所は会社に厳しい見方をする傾向にある。

 会社の一方的な転勤命令は、裁判に発展し企業イメージを下げるリスクをはらんでいることを認識し、可能な限り転勤命令前に本人の意向を確認する機会を設けるのが今日的な人事管理と言えよう。


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