「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「東日本大震災と巨大津波」

2011-03-22 00:56:20 | 和歌

 激震であった! 巨大な津波の来襲であった!

 地震発生時に、虚庵夫妻は葉山の屋外にいたが、異常に長周期の大きな揺れに、虚庵居士は立っていることがやっとであった。
「自分自身の神経系が異常を来した現象か」 と錯覚した。
「この世との、お別れの瞬間を迎えたか?」 とも思われた。
揺れは、かなり長時間に亘って続いた。余震が繰り返し発生するうちに、防災放送のスピーカーが「大津波警報」の発令を告げ、
巨大地震と大津波の発生を知った。己の「この世との別れ」でないことを悟り、ホットしたものの、不吉な思いが頭を過った。
 
 屋外に居たので、震源地も地震規模も不明のまま帰路についた。道路は渋滞して、車の流れは殆どない異常な状態であったが、停電による信号機の表示が消えたためと判明したのは、市街地に至ってからだった。カーラジオのスイッチを入れて驚いた。
地震の規模はマグニチュード8.4がM8.8に訂正され、観測史上例のない最大規模の地震だいう。(最終的にはM9.0に訂正)

 あれからすでに10日間をへて、犠牲者と行方不明の人々の総数は、二万人を遥かに超えて、その実数ですら定かでない現実に、慄然とするばかりだ。福島第一原子力発電所の大事故は、余りにも多くの過酷事故が重畳した結果、地震発生後の二日ほどの情報と、それによる判断を、その後の事故進展は大きく覆した。

 


 事故の進展と、その惨憺たる実情はテレビや新聞が報道するところだ。この間、虚庵居士はテレビニュースに翻弄されれ、殆どの時間をパソコンに齧りつき、あふれるメールの殺到に翻弄され続けた。
新聞やインターネットに必要情報を漁り続け、週刊誌記者などの電話インタビューには、可能な限り平明な解説に努めて、彼・彼女等の正しい理解を支援し、偏りのない報道を願う毎日であった。

 疲れた体をほぐし、息抜きをするべく庭に降り立ったら、いつの間にかムスカリの房花が咲いていた。
それぞれの風情は犠牲者を悼むが如く、総ての筒花が俯き、黙祷を捧げているかの様に見えた。


              襲い来る 激しき津波に 流されて

              コッパ微塵の 家見る人々


              余りにも変わり果てたる街並みの

              被災の姿に息をのむかな


              街を呑み住みびともろとも押し流す

              津波は神の怒りならむや


              過酷事故のあまた重なる原発の

              悲惨な姿に目を覆うかも


              ムスカリはこうべを垂れて悲しむや

              犠牲の人々に黙祷捧げて







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