「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「白梅の緑萼」

2011-03-06 08:40:50 | 和歌

  「うつろ庵」のお隣の白梅が咲いた。

 道路を挟んで、紅白の梅の花が咲く様は誠に優雅な景色だ。「うつろ庵の蘇芳梅」は、花も萼の色も蘇芳色ゆえに、将に「蘇芳梅」そのものだ。

 お隣の白梅は萼の色が薄緑色で、「緑萼」との名前の比較的数少ない種類だ。殆どの白梅は萼の色が臙脂色ゆえに、花は紅白が入り混じって見えるが、「緑萼」は薄緑色の 萼の色が邪魔にならないので、殆ど純粋の白梅に見えるところが優れものだ。


 


 この白梅の開花は、「蘇芳梅」より二週間程も遅れたであろうか。しかしながら、「蘇芳梅」はかなり長く伸びた枝の根元から咲き始めて、梢まで咲き昇るまでにはたっぷり日数がかかるので、緑萼の開花を待って、紅白の梅は住み人には当然のこと、道行く人々も存分に楽しんで頂いているようだ。


              先に咲く蘇芳の梅は道隔て

              緑萼咲くを待ちにけらしも


              紅白の梅はそれぞれひたすらに

              粋(すい)に咲くかも 蘇芳としろたえ


              それぞれに咲き競ふにはあらねども

              向うを想ふは隣なりせば