「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「雪柳の芽生え」

2011-03-02 20:10:15 | 和歌

 気が付けば、「うつろ庵の雪柳」が芽吹いていた。
撓み、絡みあっている雪柳のか細い枝は、「もじゃもじゃっ」とした風情にしか見えなかったが、朝日を浴びる小枝をよく見れば、節々にはごく小さな新緑が芽吹いていて、感激であった。


 

 
 「うつろ庵の雪柳」は蘇芳梅の足元を包むような感じで育っているが、やがて緑の小葉が全体を包み、こんもりとした柔かな雰囲気を醸し出すのもそう遠くあるまい。
さらに暫らくすれば、枝々に白い小花をびっしりとつけて、あたかも小枝に雪が積もって居るかの様な風情となる。そんな姿が好きで、この雪柳とは何十年来の付き合いになるのだろうか。

 これまでの花後の剪定では、徒長した小枝を思い切って切り詰め、丸坊主の剪定を繰り返してきた。しかしながら雪柳の趣は、白い小花がびっしりと咲き誇り、花の重さで徒長した枝が撓み、雪を頂いた姿に見えるところだ。
そこに気付いた虚庵居士は、雪柳の剪定法をガラリと変更した。聊か伸び過ぎたかと思われる小枝が道路にも腕を延して、道行く人のご迷惑にならねばよいがと気遣いしつつも、今年の開花が楽しみだ。


              もじゃもじゃの雪柳かと思いきに

              さ枝に緑の芽吹く今日かも


              蘇芳梅を見上げて道行く人々も 

              気付かぬ気配ぞ さ枝の芽吹きを


              いと細きさ枝は小葉を芽吹くかな

              未だ凍える如月の末に