ご多忙を極める先生が、「酔芙蓉」の「酔いにけらしも・・・」と頬を染める姿を写してお送り下さった。同じ花の、朝昼夕それぞれ異なる風情を見せて頂いて、大感激だ。
0830時撮影 ご提供 片岡勝子様
朝日を浴びて眩いばかりの、純白の「酔芙蓉」だ。純真な乙女の、はじらふ風情が偲ばれる。
白妙の芙蓉の花は はじらふや
朝日を眩しと小手をかざすは
1300時撮影 1630時撮影
最近の虚庵居士は、お勤めを退いて好き勝手な日常生活を送っているので、午後から会議などのない日は、ランチからグラスを傾け、将に「酔いにけらしも・・・」と頬を染める。 お散歩で、酔芙蓉の花が頬を染めるのに出会えばウインクを交し、「やってますね」と声を掛けあうのが愉しみだ。
ランチのグラスに何遍か注ぎ足しつつ、パソコンに向かうのが虚庵居士の日課だ。
ボランティアの会を主宰するので、ウェブでの調べ物や多数のメールの交換に追われる毎日だ。夕刻になって、一息つく頃にはすっかり出来上がって、鏡で見れば将に鐘馗様そのものだ。
夕暮れ近く、花の姿を凛と保ったままの「酔った」芙蓉に出逢うのは、類い稀だ。
厚顔無恥な虚庵居士は、鐘馗様風の顏を晒して平気で散歩するが、酔芙蓉のそんな無様な姿にはお目にかからない。 頬を染める色が濃くなり、「酔いにけらしも」と自覚すれば、自ら花を閉じて乱れた姿を晒さないからご立派だ。
「美しいままで一日の命」を終える、「酔芙蓉の命の美学」には敬服だ。
ランチ終えそぞろ歩めば頬染める
酔芙蓉に会いウインク交わしぬ
君もまたランチのワインを嗜むや
酔いにけらしも・・・頬に手をやり
夕べ近く深く酔ひしか芙蓉花
ほれ惚れ見上げぬそ文字の姿を
いまひと目 観まほしけれど酔芙蓉は
一日の花 閉じて終わりぬ
白妙の花は酔ひしか頬染めて
自ら逝くとは乱れもみせずに