馬堀海岸のプロムナードには、潮風や波しぶきに強い植栽が多いが、そんな中で
「トベラ」の実皮が爆ぜて、美味そうな赤い実が輝いていた。
トベラの実は、澄んだ粘液に包まれているので、実皮が爆ぜると粘液が糸を引いたり、赤い実がキラキラ輝いて、なんとも見応えがある。粘液はかなり粘着力が強そうなので、鳥や動物に実が付着して、子孫繁栄の手助けを期待した自然の知恵かもしれない。
トベラは春に白花を咲かせて、素晴らしい香りを楽しませて呉れる。プロムナードの花と香りについては、昨春に「トベラの芳香」を掲載したので、併せてご覧頂きたい。この花と香りを楽しもうと、庭木に植えるお宅も多い様だ。トベラは剪定をせずに放置しても、人の背丈ほどで留まるのも、皆さんにとっては好都合なのであろう。
艶やかな緑葉の間の其処ここに
黄色に色付くトベラの実はも
ふくよかなトベラの実が爆ぜ三角の
実皮に輝くあまたな種かな
これ程の数の実種を含みしか
涎ならむや弾けて糸引く
実種をば傷つけまいと粘液を
共に含むは母のこころか
粘液を身に纏わせるは小鳥達に
運んでよねと願う思ひか