「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「トベラの実」

2014-12-13 16:00:42 | 和歌

 馬堀海岸のプロムナードには、潮風や波しぶきに強い植栽が多いが、そんな中で
「トベラ」の実皮が爆ぜて、美味そうな赤い実が輝いていた。



 トベラの実は、澄んだ粘液に包まれているので、実皮が爆ぜると粘液が糸を引いたり、赤い実がキラキラ輝いて、なんとも見応えがある。粘液はかなり粘着力が強そうなので、鳥や動物に実が付着して、子孫繁栄の手助けを期待した自然の知恵かもしれない。

トベラは春に白花を咲かせて、素晴らしい香りを楽しませて呉れる。プロムナードの花と香りについては、昨春に「トベラの芳香」を掲載したので、併せてご覧頂きたい。この花と香りを楽しもうと、庭木に植えるお宅も多い様だ。トベラは剪定をせずに放置しても、人の背丈ほどで留まるのも、皆さんにとっては好都合なのであろう。


           艶やかな緑葉の間の其処ここに

           黄色に色付くトベラの実はも


           ふくよかなトベラの実が爆ぜ三角の

           実皮に輝くあまたな種かな


           これ程の数の実種を含みしか

           涎ならむや弾けて糸引く


           実種をば傷つけまいと粘液を

           共に含むは母のこころか


           粘液を身に纏わせるは小鳥達に

           運んでよねと願う思ひか