「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「獅子柚子と姫柚子」

2014-12-09 12:42:26 | 和歌

  ご近所の初冬の庭先を、巨大な「獅子柚子」と小粒の「姫柚子」が飾っていた。



 獅子柚子は、何ともグロテスクな顔付ゆえに、別名「鬼柚子」とも呼ばれているが、直径が20センチ程にもなる大きさが人気だ。獅子柚子の重さで枝も曲り、折れかねないので、棕櫚縄での支えが印象的であった。

 庭木の剪定をしていたオヤジさんの説明によれば、中国では獅子柚子は邪気を払う新年の飾り物として重用されるようだ。隣の「姫柚子」はピンポンボール程の小粒で、枝もたわわで獅子柚子との対比が誠に面白かった。

 獅子柚子は「文旦」のお仲間ゆえ、大きさは際だっているが、香りは姫柚子に遠く及ばないらしい。オヤジさんにお断りして、フェンスの外からカメラで写させて頂いた。 




           目を瞠る巨大な柚子の名を問えば

           獅子柚子または鬼柚子とかや


           獅子柚子は門べに飾れば邪気払い

           福を招くと伝え聞くかな


           獅子柚子といとど小粒の姫柚子の

           対比の妙にしばし見惚れぬ


           迫り来る寒気を凌ぐは柚子湯こそと

           顔綻ばせて老父は語りぬ