「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「金魚草と異境の生活」

2014-12-11 13:17:10 | 和歌

  春から初夏にかけて咲く「金魚草」が、師走にも拘わらず咲いていた。



 三浦半島・横須賀の風が遮られている陽だまりに、金魚草がふくよかに咲いていて、目を瞠った。晩秋から初冬にかけては、場所によっては春の気候に似かよった
気象条件になるので、春花の狂い咲きがあっても不思議ではないのだが・・・。
一方、北海道・東北、或いは日本海側ではすでに豪雪被害が報じられているこの頃であれば、今ごろ春の花を愉しめるのは、雪国の皆さんには申し訳ない思いが募るのだが、そんな思いを抱くのは不遜なのかもしれないと、改めて反省させられた。

 偶々NHKのアーカイブスで、世界の異境の生活ぶりを垣間見た。
灼熱地帯の生活・極寒の世界・高度4000メートルの社会など、極限の世界だ。
我々の常識的な感性からすれば、極めて「耐え難い生活環境」であるのだが、彼等にとってはごく当たり前の、何ら苦にすべき生活環境ではなく、自然な環境でごく幸に暮しているのだ。自然環境と人間の共存、人種・社会・政治・宗教・教育・食糧事情等々、様々な環境条件が入り混じったなかで、それぞれの文化を築き、彼等に合った生活スタイルを確立しているのだ。

 そんな環境を享け入れ、それに合った生活が出来るのが、幸せというものの様だ。
情報化社会の近代生活などと嘯きつつ、一方ではごく些細なことに不満を抱き、反発を重ねる我々の日常生活の中で、「金魚草の狂い咲」の花をキッカケに、「世界の異境の生活」を垣間見て、人生の在り方、人生の愉しみ方を改めて考えさせられた。




           狂い咲くふくよかな花 金魚草と

           あれこれ想いを重ねて語りぬ


           春の花? 初冬と雖もこの陽気は

           私の好みよだから咲くのよ


           雪国は既に豪雪 降り積もる

           あまたの雪に埋もれて居るに


           厳寒の凍土に生きるも 灼熱の

           大地に暮らすも 地上の生き物・・・


           それぞれの自然の中で 環境で

           堪え抜くことが 生きるということ??