「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「小菊の秋 その10」

2014-12-05 12:25:54 | 和歌

 
 様々な小菊との語らいを重ねて、「小菊の季節 その10」を迎えた。白小菊にカメラを向けていたら、蜜蜂が飛んで来て悠然とレンズの前に陣取り、ポーズをとった。 



 蜜蜂が小菊の花蜜を求めて飛んで来ることは稀だが、それ以上に師走の寒空に飛ぶ蜜蜂も、ごく稀ではなかろうか? 虚庵居士は養蜂業には全くの無知だが、常識的に考えれば、晩秋以降は花蜜の季節はとうに過ぎているので、養蜂家は糖を与えて蜜蜂の温存を図る時節だ。従って、稀にしか見つからない花蜜を求めて、蜜蜂は寒空に飛び立とうとはしない筈だ。巣に籠もり、養蜂家が与える糖をたらふく頂戴して、じっと体力の温存を図る筈だと思われるのだが・・・。

 にも拘らず、この様に蜜蜂が熱心に、小菊の僅かな花蜜を吸い続けるのは、何故だろう? 自然の中で逞しく生き抜いている、自生の蜜蜂かしら?  或は、養蜂家が与える糖ではお気に召さず、「天然の花蜜が吸いたい」と巣箱から飛び出して来たのだろうか?

 カメラのレンズを通して、蜜蜂君と向き合ったのはほんの僅かな時間であったが、頭の中であれこれと思いを廻らす虚庵居士であった。花蜜を吸い続ける蜜蜂の熱心さに、そしてそれを支える白小菊の双方に、拍手をおくりたい思いであった。


           白妙の小菊に近づき構えれば

           レンズを通して 蜜蜂「コンチハ!」


           悠然とカメラに向かいポーズとる

           蜜蜂君はタレント気分か?


           寒空を飛び来て小菊の花蜜を

           僅かといえども貪る君かな 


           蜜蜂に花芯をゆだね為すがまま

           お好きにどうぞと白小菊かな


           あい共に心を許す二人かな

           ま近に眺めるじじも仲間ぞ