「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「るり二文字」

2014-08-26 00:05:55 | 和歌

 「うつろ庵」の道路沿いに、「るり二文字」が咲いている。

 「るり二文字」の花は、初夏のころから咲き初めては散り、また新たな花芽を伸ばして次々と花房を付け、初秋のころまで咲き続けて愉しませてくれる、優れものだ。

 道路沿のごく狭い花壇の片隅に移植した当初は、球根の数もごく僅かであったが、年毎に球根数も増えて、最近では花房の数も四つ五つが同時に咲くほどになった。

 たまたまご近所の「ゴミ当番」で、「るり二文字」の前が「ゴミ籠」の置き場になって、ご近所の皆さんは毎朝「るり二文字」と目を合わせるが、花の名前をご存知の方は少ない様だ。花の名前を尋ねられればお応えするが、何故に「二文字」が付いているのかなど、女房言葉にまで敷衍すると話しが長くなるので、省かせてもらっている。

 その辺りについては、かつて「るりふたもじ・瑠璃二文字」にて詳しくご紹介したので、興味のある方はご確認下さい。   (↑ クリックすればリンク先が開きます)

 「ゴミ籠」と、風に揺れる可憐な「るり二文字」は、将に双方対極の存在だ。日常生活のほんの一時であれ、「るり二文字」と心を交わす「ゆとり」をもって欲しいものだ。
そんな方が、一人でも多かれと念ずる虚庵居士だ。




           夙に咲く「るり二文字」とは朝な夕な

           目配せ交わせば揺れて応えぬ


           炎暑にも花芽を伸ばす「そ文字」かな

           淡き瑠璃色 見惚れる花房


           たまたまに「るり二文字」の咲く季節

           ゴミ籠前に置くぞかなしも


           ご近所のゴミ当番の暫らくは

           耐えて欲しけれ二文字の君よ


           朝毎に「そ文字」と出会うご近所の

           皆さま見惚れぬ 誇る思いぞ


           一日のほんのひと時 目を合わせ

           「るり二文字」と こころ交わしぬ