「うつろ庵」の道路沿いに、「るり二文字」が咲いている。
「るり二文字」の花は、初夏のころから咲き初めては散り、また新たな花芽を伸ばして次々と花房を付け、初秋のころまで咲き続けて愉しませてくれる、優れものだ。
道路沿のごく狭い花壇の片隅に移植した当初は、球根の数もごく僅かであったが、年毎に球根数も増えて、最近では花房の数も四つ五つが同時に咲くほどになった。
たまたまご近所の「ゴミ当番」で、「るり二文字」の前が「ゴミ籠」の置き場になって、ご近所の皆さんは毎朝「るり二文字」と目を合わせるが、花の名前をご存知の方は少ない様だ。花の名前を尋ねられればお応えするが、何故に「二文字」が付いているのかなど、女房言葉にまで敷衍すると話しが長くなるので、省かせてもらっている。
その辺りについては、かつて「るりふたもじ・瑠璃二文字」にて詳しくご紹介したので、興味のある方はご確認下さい。 (↑ クリックすればリンク先が開きます)
「ゴミ籠」と、風に揺れる可憐な「るり二文字」は、将に双方対極の存在だ。日常生活のほんの一時であれ、「るり二文字」と心を交わす「ゆとり」をもって欲しいものだ。
そんな方が、一人でも多かれと念ずる虚庵居士だ。
夙に咲く「るり二文字」とは朝な夕な
目配せ交わせば揺れて応えぬ
炎暑にも花芽を伸ばす「そ文字」かな
淡き瑠璃色 見惚れる花房
たまたまに「るり二文字」の咲く季節
ゴミ籠前に置くぞかなしも
ご近所のゴミ当番の暫らくは
耐えて欲しけれ二文字の君よ
朝毎に「そ文字」と出会うご近所の
皆さま見惚れぬ 誇る思いぞ
一日のほんのひと時 目を合わせ
「るり二文字」と こころ交わしぬ