毎年の初夏から初秋にかけて、ここには「春車菊」が咲き乱れ、散歩の途上で目を愉しませて貰う虚庵夫妻だ。
最初は何方かが種を蒔いたのかも知れないが、この花は野生化して種を蒔き散らし、逞しく毎年花をつけるので、ご近所の皆さんもそのまま放置しているのだろう。
別名、「孔雀草」或いは「蛇の目草」ともいう。「はるしゃ菊」は「ペルシャ菊」が訛ったとの説もあるようだが、ペルシャ(イラン)には産せず、北アメリカ南部が原産だという。
逞しい繁殖力があることから、農業環境技術研究所では要注意外来植物の一つとして指定しているが、目の敵にするべき草花なのだろうか?
住宅街に住む人間にとっては、草花を愉しむだけだから気軽だが、農耕地に蔓延したら被害の程は計り知れまい。対策は、真面目に研究を重ねる専門家に委ね、その外野の邪魔をしない範囲で、「はるしゃ菊」を愉しませて貰うこととしたい。
蝉しぐれ夕暮れ近くの散歩道に
花咲き乱れる「はるしゃ菊」かな
幽かなる風を涼しと感じれば
揺れて応える「はるしゃ菊」はも
そよと吹く風を身に受け嫋やかに
涼とる夏のはるしゃ菊かな
陽の落ちて暮れなずむころ花ゆれて
はるしゃの群花 夕べを涼むや