「夏菫・なつすみれ」が、道端に咲いていた。
近くの住民が、空き地に種を蒔いたのだろうか、この季節になると律儀にも、毎年同じ場所に花を咲かせて愉しませてくれる。腰を落してカメラを向ければ、幼児が
口を一杯に明けて、お歌をうたっているかのようだった。
大きく開いたお口の奥には、「のどちんこ」がチラッと覗けてユーモラスだ。
ふと2・3メートル先に目をやったら、紺色の夏菫が咲いていた。
どのお花も、揃ってお口を大きく開けて、一斉にお歌をうたっているかの様だった。
暫らくカメラを構えていたら、大きな「くまん蜂」が飛んで来て、つぎつぎに夏菫の花の中に身を乗り入れ、熱心に花蜜を吸っていた。
「くまん蜂」が飛んで来るまでは、幼児たちは口を揃えてお歌をうたっている様に思われたが、「くまん蜂」が飛んで来てからは、「わたしの花蜜も吸って! 吸って!」 と
せがんでいる様にも見えるから、不思議だ。
花屋さんでは、別名「トレニア」或いは「花瓜草」の名前でも売っていて、人気のある
お花の様だ。
道端の足元に咲く夏すみれ
お口を大きく開けて歌うや
口一杯 開けて元気な歌声の
聞こえる心地す 夏菫観れば
ふと見れば熊蜂呑み込む夏すみれ
お口の奥にて花蜜吸うらむ
隣りには花蜜吸ってとお口開けて
熊蜂待つらし 吸って! 吸って! と