国立・広島商船高等専門学校の要請で、大崎上島の同校を訪ねた。
同校は、既に2007年から学生とシニアの対話会を5年連続で開催して来たが、福島事故の後も、市民を交え学生とシニアの意見交換を重ねて来た。
政府は原子力ゼロを標榜するが、「2030年代原子力発電廃絶が可能か?」をメインテーマ据えた原子力討論会が開催され、虚庵居士も遠路馳せ参じた。
土曜日の休日であったが、低学年生も含めて多くの学生が参加し、市民も交えて率直な意見が交わされた。対話会は学生・市民・シニアが入り混じり、3グループに分かれて膝を交えて進められた。討論は、「2030年代末までの原発廃止は可能か」、「放射線の人体への影響」および「事故後の福島の状況」の3テーマが準備され、それぞれ希望のグループに参加した。
同校には原子力に関連する教科は無く、また市民の皆さんもメディア情報が頼りで、それぞれ予備知識は必ずしも十分でなかったが、1時間の基調講演と約2時間の対話の中の解説など、理解力の高いのに驚いた。
厳しい指摘やユニークな発想による問題提起などもあって、予定の時間はアッという間に経過した。
昼食は弁当を食べながら和気藹々の雰囲気であったが、何時しか対話のテーマを超えて熱心な意見交換が続いた。昼食後にそれぞれのグループでの意見交換の内容を、学生代表が手際よく発表した。校長先生から「地域の皆さんのご参加を頂き、大変有意義な会であった」とのご講評を頂いた。 虚庵居士は学生諸君に励ましの言葉を贈って、閉会した。
フェリーから見た情景は、我が国の現状を示すかのように極めて暗示的であった。立ち込めた暗雲の雲間から後光が射して、太陽が耀くのも間もないことであろう。
教育の環境作りに気を配る
先生方のご尽力かな
呼び掛けに地域の市民も参加して
議論を重ねつ老若男女は
予備知識の少なき懸念を吹き飛ばし
あっぱれなるかな理解の高きは
学生は対話のまとめ発表に
自分の意見を添えるはお見事
次世代を担う意気もて我が国と
世界に尽くせ主役は君らだ