「うつろ庵」の「蘇芳梅」が咲いた。
古木の曲がりくねった幹から、活きのいい枝が空に向けて精気を放っている。そのような活きのいい枝の、下側の蕾が綻んだ。やがて枝先まで咲き上ることになるが、それまでには目白が僅かばかりの花蜜を吸いに来て、早春の恵みを堪能する。目白が飛び去った後は蘇芳の花びらが撒き散らされるが、それもこの時節の自然の営みの一つとして、虚庵居士を愉しませてくれよう。
濃き色の蘇芳の梅は花びらを
寄せあい咲くかな寒を凌ぐや
陽を受けて蘇芳の梅は誇るらし
花びらの色輝くしべをも
見上げれば青空に浮く蘇芳梅の
八重の花びら透ける今朝かも
朝空の冷気にわが身をふるわせて
梅に聞くかな今朝のあいさつ