「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「佐渡・金北山の高山植物 その2」

2008-05-24 22:46:05 | 和歌

 K氏がお送り下さった、佐渡・金北山の高山植物の続きをご紹介する。

 金北山は1172mの標高ゆえ、高山植物とはいえ花もお馴染みの、親しみのもてるものが 多いようだ。山男の友人と花との出会いを頭に描きつつ観賞すれば、口数は少ないが、それぞれに話を聴かせてくれるかのようだ。

 だいぶ昔のこと、「菊咲一華」にごく似た東一華(あずまいちげ)に出会ったことがことがある。この写真に、懐かしさがこみ上げて来た。花の名前が異なるのは、何処かに違いがあるのであろう。虚庵居士は専ら観て楽しむばかりだが、「一華」とは名付けの妙と云えようか。 
林の中に咲く「ひとはな」に、「華」を見出す先人の感性には感服、脱帽である。





            菊咲一華(きくざきいちげ)

            山の辺を歩み来たれば木漏れ日の

            スポットライトに一華は浮出ず







            紫・菊咲一華(むらさき・きくざきいちげ)

            重ね敷くは落葉のしとねか菊咲の

            薄色一華はあわれなるかも


            もも伝ふ佐渡の山辺の樹のもとに

            たれ見送るや泪の一華は







            片栗(かたくり)

            いや高き梢を透かす陽を受けて

            片栗咲くかな佐渡の山辺に







            座禅草(ざぜんそう)

            山あいの異形の姿に座禅する

            僧の修行を重ねて観るとは


            山襞の谷は涸れるもひたぶるに

            座禅に水待つ修行の日々かな