K氏がお送り下さった、佐渡・金北山の高山植物の続きをご紹介する。
金北山は1172mの標高ゆえ、高山植物とはいえ花もお馴染みの、親しみのもてるものが 多いようだ。山男の友人と花との出会いを頭に描きつつ観賞すれば、口数は少ないが、それぞれに話を聴かせてくれるかのようだ。
だいぶ昔のこと、「菊咲一華」にごく似た東一華(あずまいちげ)に出会ったことがことがある。この写真に、懐かしさがこみ上げて来た。花の名前が異なるのは、何処かに違いがあるのであろう。虚庵居士は専ら観て楽しむばかりだが、「一華」とは名付けの妙と云えようか。
林の中に咲く「ひとはな」に、「華」を見出す先人の感性には感服、脱帽である。
菊咲一華(きくざきいちげ)
山の辺を歩み来たれば木漏れ日の
スポットライトに一華は浮出ず
紫・菊咲一華(むらさき・きくざきいちげ)
重ね敷くは落葉のしとねか菊咲の
薄色一華はあわれなるかも
もも伝ふ佐渡の山辺の樹のもとに
たれ見送るや泪の一華は
片栗(かたくり)
いや高き梢を透かす陽を受けて
片栗咲くかな佐渡の山辺に
座禅草(ざぜんそう)
山あいの異形の姿に座禅する
僧の修行を重ねて観るとは
山襞の谷は涸れるもひたぶるに
座禅に水待つ修行の日々かな
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