既に半月ほど日にちを経たが、虚庵夫人と散歩していて、見事に咲き誇った「三葉つつじ」に出会った。
三葉つつじは一般のつつじが咲く前に、しかも一枚の葉も付けずに艶やかな花を咲かせるので、溺愛する数寄者も多いようだ。木の丈もかなりの大きさに育つので、咲き誇った姿は誠に見事なものだ。 花びらは下二枚が独特な形で、山折れになって己を主張しているかのようだ。
小枝に溢れて咲く様は、燃える想いを全身で訴えているように見える。
手をとりてたまぼこの道妹と来れば
花燃ゆるかも 三葉つつじは
若くして斯く花燃ゆるを相見なば
こころの炎をいかが消しけむ