「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ぐみ」の小花

2006-04-19 00:36:07 | 和歌

 「うつろ庵」の「ぐみ」が、ひっそりと咲いた。






 目立たない花ゆえに、道行く人は殆ど気にも掛けないが、近寄って見れば、小さいながらも己の花に誇りを持って、気品を保って咲いているのに心うたれる。虚庵居士は、華やかな花も好きだが、「これ見よがし」なのはどうも魅力を感じない。どちらかと言えば、控えめに咲く花に、心惹かれるものがある。

 「ぐみ」の花には華がないが、それなりに気品を湛えて咲く姿、自然の偉大さに訓えられる。








             行く人も気づかぬ「ぐみ」の小花かな

             ただひたすらに咲くぞいとしき



             白妙の「ぐみ」の小花ぞ ちはやぶる

             神も見てしか気品を備えて



             梅雨時の赤き「ぐみ」の実わすれめや

             口に含めば甘くも渋きを