大葉紅槲(オオハベニガシワ) が、鮮やかに芽吹いた。
遠くから見やれば、花かと見まごう大葉紅槲であるが、神様は、この木の逞しい生命力に相応しい装いをお与えになった。毎年のことながら、秋には全ての葉を落とし、人間は大胆にも丸坊主切り詰めるが、次の年には旺盛な「いのちの饗宴」を見せて呉れる。人との係わりが、どこか潔い武士の生き様を思わせ、なお且つ迸るものに感動させられる。
大岩の根方に見ゆるは花ならめ
萌えいずる芽のはしきなるかも
紅槲の切り株に萌ゆる息吹かな
雄々しき命の迸り見ゆ
名にし負ふ緋縅鎧の若武者か
熱き想いの紅槲かな