川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

エースがすごいことになっちゃったし、ワンピース関連のエッセイを紹介

2010-02-14 22:49:04 | 雑誌原稿などを公開
ONE PIECE 巻56 (ジャンプコミックス)ONE PIECE 巻56 (ジャンプコミックス)
価格:¥ 420(税込)
発売日:2009-12-04
なんだかショックがさめやらない今日この頃。
1年くらい前に読売新聞社に依頼され、「思い出のコミック」のお題とややズレつつも、書いた原稿をアップします。


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 支配するな、されるな!

 子ども時代に夢中になったコミックならいくらだってあるが、一番熱いのは「今」だ。息子や娘と一緒に読む「ワンピース」。

 舞台は「大海賊時代」の海洋世界。「海賊王になる!」と冒険の旅に出た我らがヒーロー、モンキー・D・ルフィは、「悪魔の実」を食べたゴム人間だ。なんとも力の抜けた設定。仲間を集め海賊団を旗揚げしても略奪行為には興味がない。本当に海賊?と突っ込みたくなるほど。

 事件に巻き込まれたり首を突っ込んだりする中、結果的に弱きを助く。「絶対の正義」とされる政府や海軍の非道を暴くこともしばしば。不当に連れ去られた仲間を取り戻すために難攻不落の裁判所に乗り込んだり、海賊の先輩である兄が囚われた大監獄に潜入して救出しようとしたり……いかなる権威が立ちはだかろうと信じるもののために突き進んでいく姿に胸がすく。

 かつて頂点を極めた元海賊団幹部から「この海が支配できるか」と問われた際の回答が最高。「支配なんかしねェよ。この海で一番自由な奴が海賊王だ!」

 このあたり息子と娘にしっかり伝えたい。支配するな、そして、支配されるな。きみたちは自由だ、と。

 もっとも、今のところ子どもたちの好きなシーンは「新しい技が出たとき」とか「○○が仲間になったとき」といったもの。親子の視線はずれている。それはそれでよし。自由奔放なルフィの物語は、彼らの胸の奥にしみこんで、長じた後じんわり語りかけてくれるはず。「支配するな、されるな。きみは自由だ」と。 

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