川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

絶版の連絡3点

2010-10-31 23:06:23 | 自分の書いたもの
ペンギン、日本人と出会うペンギン、日本人と出会う
価格:¥ 1,800(税込)
発売日:2001-03
桜川ピクニック桜川ピクニック
価格:¥ 1,300(税込)
発売日:2007-03
はじまりのうたをさがす旅  赤い風のソングラインはじまりのうたをさがす旅 赤い風のソングライン
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2004-09-11
文藝春秋から出した、この3点がほどなく絶版になると連絡を受けました。
残念!
ちなみに、「はじまりのうた」だけは、「はじまりの歌をさがす旅」と微妙にタイトルを変えて、角川文庫に入っているので、これからも読めます。
本屋にあるし、なくても注文できます。

はじまりの歌をさがす旅 (角川文庫)はじまりの歌をさがす旅 (角川文庫)
価格:¥ 820(税込)
発売日:2009-07-25


でも、ほかの2つは、目下、「就活」中。
「読める」状態にしておくために、一応、ほかの方面へ働きかけはしています。でも、いつになるか不明。

その点気長に待っていただければ、と。
とくに「ペンギン」など、文庫にするなら、注釈しなきゃならないこともあったりして……。

なお、文藝春秋は、デビュー作から小説3つ書き下ろし、その後2作、さらにはノンフィクション2冊を出してくれた恩のある出版社。
でも、文庫の基準が厳しくて、最近縁が薄くなっているです(Numberを除く)。
遊びに行くと、歴代担当編集者がたくさんいて(担当がころころ変わるので知り合いが増える仕組み)、とても楽しいです。今度、久々顔を見せに行こかな、と。

風の音を聴きながら、子どもたちは絵本を読み上げる(子どもと本のある風景~ニュージーランドでの暮らしか

2010-10-30 20:57:06 | 雑誌原稿などを公開
月刊「子どもの本」に6回にわたって連載した「子どもと本のある風景~ニュージーランドでの暮らしから」というエッセイを紹介します。時々、更新して、6回目まで公開する予定。


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1、風の音を聴きながら、子どもたちは絵本を読み上げる

 気まぐれを許される職業ゆえ、去年(2009年)の7月から今年(2010年)の1月まで、ニュージーランドのクライスチャーチ市で暮らした。フリーの物書きになって10年、ずいぶんかっちり仕事をしてきた。そろそろ大学研究者の「サバティカル休暇」のようなものを取りたい、と思ったのが単純な理由。それに付き合ってくれた9歳の娘と11歳の息子(当時)は、その間、現地の公立小学校に通って、英語に苦労しながらも、まずまず学校生活を楽しんでいた模様。

 今から考えると、日常生活の中で、絵本を読むことがとても多い日々だった。ぼくは日本でも、子どもの学校の読み聞かせ活動に参加しているのだけれど、彼の地にいる間、その倍も3倍も絵本漬け、だったかも。

 きっかけは、子どもたちが、英語を母語としない児童のための補習授業にも出席して、毎日のように簡単な絵本を家に持ち帰ってきたこと。「習うより慣れろ」方式? とにかく、どんどん読んで、状況に応じた語彙やフレーズを拾っていく。学習用に特化したものなので、ストリーといっても、単に家族で買い物に出かけたり、バーベキューパーティを開いたり、といった他愛のない内容。学習絵本というカテゴリーが確固として存在し、これでもかってくらい様々な種類があった。

 一応、ぼくは「休暇」なので、滞在中はそれほどたくさん仕事せず、放課後や休日は子どもたちと遊びたおした。だから、子どもたちの英語の勉強の時間を確保するのにも、工夫が必要だった。眠る前のひとときに必ず読むように習慣づけたり、近所の桟橋から釣りをしながらとか「待ち時間」がある遊びの中でもページを開くのがいつのまにか習慣になった。

 それにしても、子どもは吸収力は本当にすごい。会話文で頻出する"said" や"say"も「サイド」「サイ」と読んでいたのが、いつしか「セッド」「セイ」となると、ほかの似たような綴りにも自然と応用が利いていく。ただ……聞いたり、訂正したりしている側としては、やっぱり……退屈。だって、学習用絵本はやはり、学習用であって、読んだ後じっくり噛みしめたくなるような作品性が、絵にも文章にも薄いのだ。

 そこで、近所にある公立図書館の登場。窓の面積が大きな明るい建物で、十冊まで同時に借りられる。子どもが学校に行っている日中に訪れると、未就学児がお母さんの膝の上で読み聞かせる微笑ましいシーンがあちこちで見られた。何度も顔を見るうちに、お気に入りを教えてくれる人もいたっけ。

 本格的な(?)絵本は、やはり味わい深いものが多い。ばっちり「作品」であり、純粋に楽しい。その反面、文章が多少むずかしい。子どもが読むものなのに、ぼくたちが学校では習わない単語や言い回しが頻出する。俗語的な表現や、子どもの世界でだけよく使われる言葉だ。日本から持ってきた小さな辞書には出ていないし、ネット検索してやっと理解できることもあった。いちいち検索するのは面倒なので、分からないところはぼくも一緒になって想像した。その分、絵本の味わいをさらに深く感じるようになったかもしれない。

 中でも、お気に入りは、Melanie Wattの"Scaredy Squirrel"(思い切り臆病で用心深いリス君の小さな小さな冒険の話・邦訳あり)や、Rebecca S. Wheelerの"How Absurd"(女の子が想像の中で色々な動物をくっつけて新種を作っていく話)や、Kazuno Koharaの"The Haunted House"(まさにお化け屋敷!のお話・邦訳あり)など。最後のお化け屋敷本は、著者の名から日本語からの翻訳かと思いきや、もともと英語で書かれたもので、いわゆる逆輸入?

 帰国して「休暇」から復帰してしまった今、絵本とのかかわりは、また、学校での読み聞かせが中心だ。意識の前景からかなり遠のいて、あ、来週、自分の番だ、というときになってやっと何にしようかと物色し始める程度。絵本漬けだった「あの頃」が無性に懐かしい。ベッドの上で3人で同じページを目で追いあーだこーだと話し合ったり、釣り糸の先を気にしながら子どもたちがたどたどしく読み上げるのを風の音と一緒に聞いていたり。あー、平和だったなあ、しみじみシアワセだったなあ、と。

 日本にいて、わざわざ英語の絵本を読んだりはしない。今の暮らしの中で、その必然性がないし、息子も娘も、ぼくも、それぞれにこの社会の中で忙しい。やっぱり、子どもごと「休暇」を取って正解だった。そして、もうあんな時間はもう二度とないだろうなあと思うと、切なくも胸が苦しいのだった。

*********

 ここで紹介した絵本はリスもお化け屋敷も邦訳が出ています。
 でも、ここでは英語版をリンク。ペーパーバック版とはいえ、脅威の価格ですぜ。

Scaredy SquirrelScaredy Squirrel
価格:¥ 683(税込)
発売日:2008-04

How AbsurdHow Absurd
価格:¥ 1,652(税込)
発売日:2007-07-20
The Haunted HouseThe Haunted House
価格:¥ 825(税込)
発売日:2008-10-03


 ちなみに、Rebecca S. Wheelerは、絵本の他にもずいぶん仕事がある人なんだなあと発見。
 あるいはただの同姓同名?


地球の心臓

2010-10-21 23:52:38 | 自分の書いたもの
飛ぶ教室 13(2008春)―児童文学の冒険飛ぶ教室 13(2008春)―児童文学の冒険
価格:¥ 1,000(税込)
発売日:2008-04
これは、光村書店の「飛ぶ教室」の2008年春号。

ここに「雪の日、ロボッチマーチ」という短編を書きました。

で、今書店に並んでいる2010年秋号に、その前日譚「地球の心臓」を書いたのですが、Amazonではまだ在庫がないのですよね。
でも、書店にはあるはずなので、ご連絡まで。

これは今後ちょっとシリーズになっていきます。


逆境ナイン

2010-10-15 13:48:47 | 日々のわざ
逆境ナイン かけがえのない通常版 [DVD]逆境ナイン かけがえのない通常版 [DVD]
価格:¥ 5,040(税込)
発売日:2006-01-25
近所のビデオ屋さんが閉店につき、最後に借りた一枚となってしまった。
しかし、これ、原作の濃さに比べると、薄まった感じのある逆境ナインだった。
それでも、十分にお馬鹿で素敵なんだが。

娘がこの映画で覚えた日本語表現。
「逆境だ!」「自業自得」「それはそれは、これはこれ」「不屈」等々。

ちなみに、高校野球の地方大会って本当にコールドゲームがないんです??
透明ランナーはともかく。


沼津から90分、カツオを釣る

2010-10-13 19:47:28 | 川のこと、水のこと、生き物のこと
_1037441これはかれこれ1週間以上前なのだけれど、行ってきました。
午前3時半の出港。
ということは、こっちを出るのは2時前。
ということは……レンタカーを借りるのは1時半。
ということは……ほとんどちゃんと眠れず、なんだけど。

そして漁港からかれこれ90分くらいのところにある浮魚礁で釣る訳です。
_1037446この下、数百メートルの水深で、しっかり係留されているというのが不思議。
こませをさんざん撒いて、魚探もフル稼働で、なんとかカツオを息子と二人で5尾ゲット。
さばいてみたら、お腹の中オキアミだらけで、ここのやつらがコマセで成長していることがよく分かりました。

ふだんは、メジがよく釣れるのに、今年に限って、カツオ優勢だそうです。
一尾くらい、メジをゲットしたかったなあ。

ところで、魚の写真はどこだって? はい、すっかり撮りますれました。興奮の余り。


湯浅さんと後藤さんの写真@ケープポイントを宇都宮さんが撮っていてlovely

2010-10-13 18:54:57 | ひとが書いたもの
日本代表はなぜ世界で勝てたのか? (アスキー新書 161)日本代表はなぜ世界で勝てたのか? (アスキー新書 161)
価格:¥ 780(税込)
発売日:2010-08-07
これは、年内に読まずにいつ読むという本。
ワールドカップの充実感と、それに続く、「先は明るい感」を持てる今なら、非常に楽しく読めるし、あの南アの日々を、かなり純化した形で思い出せる。

内容は……書くまでもありませんね。

南アで、ミッドランドに滞在していた(これ、ぼくがいたところとかなり近いと。ぼくもミッドランド)後藤さんと湯浅さんが、オフの日にスカイプで東京の編集者とつなぎつつ対談したものと、帰国後に対談したものとをうまくつないで一冊にしてある。
個人的には、今回大会でスペインが優勝した「意義」にとてもagreeだ。
これは本当に、日本のサッカーにとっても、たぶん世界のサッカーにとってもよかった。

また、つい笑ってしまったのは、2人がまったく意見が合わない論争部分。
あまり多くないのだけれど、一番大きなところは、湯浅さんが、つい、サッカーのスタイルや「戦う姿勢」を、農耕文化だから、とか、「韓国は、地続きでいろんな国とやりあってきたけど、日本は島国で……」みたいなところを先に言ってしまうのに対し、後藤さんは、「それは、最後に言うこと」として、あくまでサッカーの育成のシステムやら、ワールドカップに出場することによる巨大な刺激(韓国は、我々の何倍、ワールドカップ体験を積み重ねてきているんだ?)についてまず語るべきだとする点。

これは、このブログでよく取り上げるPTA議論にもそういうところがあって、「日本的」だとか、「日本だから」という観点でPTAを語るのは簡単。
でも、そうじゃなくて、まずは人間が持っているある傾向を極端な形で表に引き出してしまう現在の仕組みをどう変えるかという点の議論が先だろうというのがぼくの立場なので、サッカーとPTAを並べるのもなんですが、大爆笑してしまった。

なお、最後に新ヨーロッパ組の今後の予想が記されていて、長友佑都の活躍は「約束されたもの」扱いなのに、香川はダメだろうみたいなニュアンス。
これについては、「間違ってました、ごめんなさい」とすでに著者がアナウンスしております(笑)。

著者紹介の写真で2人が並んで映っているのはケープポイント。喜望峰近く。
そして、写真を撮ったのは、宇都宮さん。
たぶん、これ、準決勝あたりだよね。宇都宮さんの記事で、同業者とのジョージからのロングドライブが語られていた。
なんだか、この写真がラブリーで好きだ。

紹介にもなってませんが、今、味わっておくべき多幸感を反芻できる本です。

無能の人

2010-10-11 13:34:48 | 日々のわざ
無能の人 [DVD]無能の人 [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2005-10-14
一番近所のレンタル屋さんが閉店なので、ばたばたと借りてきた。
また、例によって娘と見る。
娘にとって、竹中直人は、ツボ男だったり、ジャズ好きの先生だったり、卓球のコーチだったりするわけだが、今回はダメなオトナというやつで、「よく分かんないけど、ビンボーなのは分かった」だそうな。
多摩川の景色も、ぼくたちが馴染んできた中野島、登戸、狛江あたりの間で撮影されているようで、映画とは思えないリアリティを別のところで感じる。

最後になってテロップみて気づいたのが、友情出演のすごさ。
うわーっ、陽水どこに出てた?? みたいなところで、二度盛り上がる。


鬼頭さんらによる「環境倫理学」

2010-10-09 19:13:21 | ひとが書いたもの
環境倫理学環境倫理学
価格:¥ 3,150(税込)
発売日:2009-12-23
鬼頭秀一さんらが長年つづけている「環境倫理研究会」の成果とでもいうべき本。鬼頭さんは、ぼくが「クジラを捕って考えた」を書いた時、いちはやくおもしろがってくれた人のひとりで、今も、ありがたく思っている。

で、これは本当に欲張りな本だ。とかく「二項対立図式」に陥りがちな環境問題の定番的な状況から、理論的にも、現場での活動でも、政策提言的な部分でも、なんとかしようとしている様々な書き手の論考がまとめてある。

だいたい、理論編・実践編・政策編というかんじ。
それが、もうこれでもか、というふうに「二項対立」からの脱却をテーマにしている。

これは、たとえば、ぼくがこの前、立教大学で話してきた、「自然/人工」という対立軸って、どこかおかしくね? 我々は「自然」といコトバに振り回されてね? という話をあまりにすんなり包摂してくれるくらい、似た問題意識でもあって、考える人、実践する人は、自分があゆみを止めたところから、いろいろやっていたわけだなあ、と感心させられた。というか、ほっとした。

編者の鬼頭さんは、たとえば、生物多様性条約が結ばれた1992年当時、環境を語る倫理学的なコトバをきちんと持っていたのはアメリカ系の環境倫理学者だけで、それゆえ、彼らが持ち出した概念が、グローバルスタンダードになってしまったというようなニュアンスの認識を示す。これは、ぼくも本当にそう思う。

生命中心主義だとか、ディープエコロジーだとかが、かなーり色濃く注入された生物多様性の考え方では、「人間を守るか」/「自然を守るか」になってしまい、「どっちがだいじなのよ」という話になってしまうわけで、そのジレンマは根深い。

ちなみに、私見だが、生物多様性条約では、その点を、結局、「人間に役立つ薬剤が見つかる可能性もある」とか、利用可能性の問題に読み替えて、国際条約に馴染みやすいものにしたようだ。これは権利論→功利主義への読み替えなのですね、きっと。

けれど、本来的には、生物多様性を問題にしてきた人たちは、むしろ、権利論の方に近かったのだと思う。(言い出しっぺのウィルソンはちょっと違って最初から政治的・功利的だったように思うけれど、自然に内在的価値を認めるアメリカの一般的な環境活動の文脈では、すぐに「権利」にひきずられていったと思う)。

そのあたりから始まって、本書の中ではいろいろな方面に枝葉を伸ばしていくのたけれど、やはり面白いのは、第一部の途中から、多少、テーマが具体的になってきてから。

肉食の問題は、先日の伊勢田さんの本と通じるところが多いし、環境と公害についての論考は、ぼくが今、興味を持ち始めている水俣病の掘り起こしについて示唆がある。外来種在来種の問題は、ニュージーランドをフィールドにいろいろ考えたことに通じるし、まあ、あちこちにフックのあった良い本でした。

ちなみに、鬼頭さんに続く冒頭部分で、森岡さんが、「人間を守るか」/「自然を守るか」という対立として捉えるのではなく、「外なる自然」と「内なる自然」(人間も自然を内包しているのだという意味で)の共鳴を考えよとするのだけれど、それ自体すごく納得。

人工と非・人工をすっぱり切り分けるのでなく、人間=自然連続体として意識することは、人間と対立する自然の構図をデフォルトにするより、ずっと「見込みのある」立場だと思う。

ただ、ある森を住宅地にすることの是非をとうとき、「人間か自然か」の対立ではなく、「住宅地にした後で、エアコンのきいた部屋に住みつつも、時には外に出て街路樹などと共鳴すること」と、「宅地造成を阻止し、森の中に咲く小さな花を見付けたときに感じる共鳴」との間のどちらを選ぶかという対立だというのは(カワバタ意訳、微妙に違うと思う)、ちょっとリクツが勝ちすぎて、本当にそうかなあと首を捻った。

なお、あまりかぶらないとはいえ隣接テーマとして、伊勢田さんの本はやはりはずせないと思った。
動物からの倫理学入門動物からの倫理学入門
価格:¥ 2,940(税込)
発売日:2008-10-30


生命力とヴィーナスとジーザス

2010-10-09 18:35:43 | ソングライン、ぼくらの音楽のこと
生命力生命力
価格:¥ 3,059(税込)
発売日:2007-10-24
ヴィーナスとジーザスヴィーナスとジーザス
価格:¥ 1,200(税込)
発売日:2010-05-26
なにを今更なチャットモンチーのアルバムが安く売っていたので買ってくる。
むかし一度聞いて感心したのを覚えていて。
本当にイキがいい。おまけに、歌詞も書けてる。クリシェをつないで、歌にしちゃうことはできるけど、きちんと自分の言葉を持ってる若い奴ってのは、いいな。
娘にドラムをさせたくなった(スウィング・ガールズをみて、一番、やりたかったのは、ドラムらしいのだ)。

やくしまるえつこは、相対性風味の残るミニアルバム。同時に、ジェニーはご機嫌斜めも聞いたのだけれど、そっちは彼女が歌う必然性があまり感じられなかった。

やっぱり、相対性風味なところに彼女の持ち味があるのだろうなあ。
繰り返し、擬音、脚韻などなどで、整えられた独特のリズムというか。ぼくはこの人、さりげなく、リズム感、タイム感覚が絶妙だと思う。


日本でネイチャーライティングとして読み直せそうな作家って?

2010-10-02 20:13:28 | 自分の書いたもの
Img_1581これは、先週のネイチャーライティング講演の時に、聞かれたこと。
アメリカのネイチャーライティングがそうだったように、文学史というもの、後から作られる部分がある。
自然文学・環境文学の系譜を日本で作ろうとした場合、どうなるのか。
石牟礼道子さんの「苦界浄土」などを挙げるのがまず、最初の段階で、掘り下げていくとどんな人がいるだろうか。
そういう話題をひとくさりした。

ぼくとしては、岡本かの子を挙げたい。彼女の作品には常に「川」が流れていて、川をよすがに世界とつながる認識がはっきりとしているのがすごい。

現代作家では、谷村志穂さんが、かなりワイルドだ。
作品で、そっち系のものがあるか分からないけれど、たとえば、「山と渓谷」の特集などで、隣になったりする。

また、熊谷達也さんも。ほとんどの作品で、自然なるものとの切り結びが主題化されている。

あと……誰だろう。
モビィ・ドール (集英社文庫)モビィ・ドール (集英社文庫)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2008-06-26


あ、いいこと思いついた。
こういう、エッセイ集がある。
言葉ふる森言葉ふる森
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2010-01-25

谷村さんも、熊谷さんも、ぼくも寄稿している森や山に関するエッセイ集。
ここには、ネイチャーライティング度が高い物書きがそろってます。

それで、すぐに川上建一さんなんかも思い出す。
雨鱒の川 (集英社文庫)雨鱒の川 (集英社文庫)
価格:¥ 720(税込)
発売日:1994-09-20


意外と男性、いるじゃない(当日、日本では女性の方が、書き手が多いと、主催者が述べていた)。

運動会無事に終わる

2010-10-02 19:52:01 | 日々のわざ
Img_1513運動会が無事に終わり、ほっと一息。
とはいえ、なにより、ほっとしているのは先生たちだろうな。
諸事情で中学校の校庭を借りなければならず、充分な事前準備もできず、さぞかし不安だったでしょう。
時間の関係なのか、演目もシンプルになっていて、これくらいがちょうどいいなと思いましたとさ。
ひとつひとつ行事をこなす秋なり。