川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

タミフルの副作用を解明しつつ、インフルエンザワクチンの有効性も調べてほしいぞ(追記あり)

2006-10-31 06:04:46 | 喫煙問題、疫学など……ざっくり医療分野
まずは朝日新聞のタミフル報道。以前、話題になった「タミフルを飲むと意識障害、幻覚などが出て、自殺(?)に至るケースもある」といったことが、それほど心配しなくても良いんじゃないか、というはなし。
 
以下引用。

 調査は昨年度、全国12都県の小児科医を通して行い、2846件(99.5%が0歳から15歳まで)の回答を得た。発熱後7日間の服薬状況や肺炎や中耳炎の併発、けいれんや意識障害、幻覚やうわごとなどの異常言動があったか答えてもらった。
 調査対象の患者の9割がタミフルを服用していた。服用した患者の異常言動発生率は11.9%。一方、服用しなかった患者の異常言動の発生率は10.6%だった。統計学的に意味がある差ではなかったという。
 

 まず気になるのは、これ、疫学研究なのだろうか。
 数字の出し方が、疫学的ではないけれど、それは記者が分かりやすさを優先してこうなったのかも。たぶん、「タミフル曝露群」と「タミフル非曝露群」で分けて、オッズ比を出すような症例対照研究したのだと想像する(詳しい報告書どこかにアップされてませんか?)
 
 で、もしそうなら、この結論は、納得できる範囲内。どのみちインフルエンザで熱が出ている人が、痙攣したり、幻覚やうわごとを言うのは、よくある話。それをタミフルのせいとするかどうかは、結局、こういう研究で比較するしかないわけだ。
 
 でも、さらに一点、気になってならないこと。
 
 子どもを持つ身として、インフルエンザの予防接種は効くのかどうかということについてのエビデンスがほしい。
 予防接種しても、インフルエンザにかかること自体への抑止効果がそれほどないのは多くの人が知るところ。「発熱を指標とした場合1歳以上で6歳未満の幼児では約20~30%の発病を阻止する効果」というのが厚生労働省の研究だが、発熱したかしないかだけで切り分けているので、なんだかすっきりしない(インフルエンザ以外の発熱も含まれている)。
 では、なぜそれでも推奨されるかというと、重症化が期待できるから、というのが標準的な説明だ。これは期待であってエビデンスではない。
 発症が少なくなるなら、やはり重症も少なくなるだろうなどという説明を受けたこともあったっけ。でも、これもエビデンスではない。
 
 特に気になっているのは、重症化の最たるものであるインフルエンザ脳症。
 レアなケースだからこそ、症例対照研究が威力を発揮する。なのに、無理にコホートでやろうとして「サンプルが少ないからはっきりしたことが言えない」などとのたまう専門家がいる。脳症になる子どもは年間数百人。その中で亡くなるのは、百人未満。たとえば、ひとつの県の子どもをコホート研究で追跡しても一年に数人しか症例がいないことになる。
 だから、実質上、症例対照研究しかないのだ。
 
 で、今回のタミフル調査。
 前述の通り、たぶん症例対照研究だ(コホート内症例対照研究っぽい雰囲気もあるが)。
 これくらいの人数だと脳症というところまではいった人は少なかっただろうから、脳症のエビデンスはこの研究からは出てこない。でも、重症と軽症をどこかで切り分けることはできる。たとえば、痙攣だとかうわごとだとか、脳症の前駆症状とされるものはどうか。インフルエンザ予防接種を受けると、痙攣したりうわごとをいったりする子が減るのかどうか。
 各症例がインフルエンザの予防接種を受けていたかどうか、ということを聞き取ってくれれば(たぶん聞き取っているのではないか)、インフルエンザワクチンに曝露・非曝露に対して、それぞれどれだげ重症化したり、しなかったり、ということを比較して結論を得ることが出来る。
 
 ワクチン効くのですか? 発症した後で、重症化をふせいでくれるのですか?
 
 タミフルでできて、ワクチンでできない、なんてことはないはずなのに、なぜ、やってくれないのだろう。

追記
このタミフルの研究、かなり問題がありそうだと分かってきました。
タミフルと異常言動との関係を少なく見積もるための努力があらゆるところで払われている、ような気配。
そのうち別エントリを書きます。

自分の著作リストをアマゾンで出すと、Web2.0についていろいろ思う

2006-10-30 16:48:11 | 自分の書いたもの
リストの途中に、広告が三つほど挿入される。
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以上。
不審だ。
timebooktownは分かる。ここで購入という人もいるはずだ。
でも、川端裕人検索で、冷泉閣ホテル 川端の予約に至ったり、川端のグルメ情報に飛びついたりする人っているのだろうか。

まだまだだな、Web2.0。

それだけですが。

EF 28-300mmL、ただし中古

2006-10-29 20:51:31 | きうらきら光ったりするもの
R0012757EF 28-300mmLを中古で購入。定価だと32万円というクレイジーな価格だけれど、今は使っていない光学機材をいくつか売り払ったら差額3万円くらいで中古が買えることが分かったので、かなーり迷った末に購入。NZ亜南極の旅は、子どもと一緒だし、基本的にEOS5Dオンリーで撮るし、高倍率ズームは必須と思えたので。

Img_8887予想していた通り、広角域の樽型歪曲はかなり。気になる局面はあるだろう。それ以上に、「寄れない」のがつらいレンズだ。最短は70センチなのだけれど、これは標準ズームだと40とか50センチくらいなわけで、広角でこれだけの差があるとまったく違ってくる。その一方で、テレ側でも70センチまで寄れるのは優秀。これは使えそう。とはいえ、テレ側で寄るよりも、広角側でぐっと迫れる方が楽しいよな。すべては「一本で済ます」ためのトレードオフ。

Img_8926ただ、めちゃくちゃ「使える」部分を発見。これ、300ミリにして、シャッター速度4分の1秒で切ったもの。当たり前だけれど、ブレブレだ。
ところがイメージスタビライザーをオンにすると??、
Img_8924これくらいにはなる。レンズが重いってこともあるのだろうけれど、ジャイロの効果がとてもよく実感できる。


土曜日のこと(エンリッチメント大賞の審査など)

2006-10-29 10:56:29 | 川のこと、水のこと、生き物のこと
エンリッチメント大賞の審査のために大手町へ。

正田先生もお元気。松沢さん、ロニ・アレキサンダーさんとも一年ぶりの再会。なんだか正田先生だけ、「先生」なのはなぜなのか。みんな大学の先生なのだけれど、自分が学生時代に本を読んでいたり、なんらかの薫陶をうけていたか、という部分で心理的に決まってしまうみたい。

市民ZOOネットワークの事務局の人たちのプレゼン。募集されてきたものの中から、事務局、各審査委員が、それぞれ気になるもの五つを挙げて、最大25になる候補を事前にリストアップしたのは二ヵ月くらい前だっけ。それらを事務局がインタビューしたりして詳細な内容を調べてきてれる。ずいぶんな手間で、ご苦労様です。

で、今年はわりとエンリッチメントらしいものが選ばれたのではないかな、と思います。ロニさんが指摘されたように、「融合」「コラボレーション」とでも言えるような応募が多かったのが特徴。
本当にただ、一人がぽこっとこういうことをしました、とか、大きなハコものを作りました、とかそういうのではなくて、複数の人や、複数の視点や、複数の施設がからんだ応募。標準的なエンリッチメントが受け入れられて、それをどう工夫していくかという段階に入っているのだ、といえなくもない。

おかあさんになったアイ―チンパンジーの親子と文化おかあさんになったアイ―チンパンジーの親子と文化
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発売日:2006-10-11
松沢先生からは、アイとアユムの本をいただいた(あ、ここだけ先生だ)。こいつは読んだらレビューします。


急いで帰って、何年ぶりかで会う、妹と甥っ子たちの訪問を受ける。
賑やか。
四人のいとこたちは、みんなすんなりと遊び始める。まあ、子どもってこういうものだよなあ。





ZOO KEEPERを読む。

2006-10-27 19:40:04 | インポート
ZOOKEEPER 1 (1)ZOOKEEPER 1 (1)
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発売日:2006-09-22
多摩動物園をあきらかにモデルにしたと思われる「コマ動物園」を舞台にした、飼育係のお仕事もの。なかなかよく描けていて、動物園が目下、リアルなジレンマとして抱え込んでいる問題を扱っている。
最初のチンパンジーの話は、亜種間雑種。コアラの話は、品種改良。そして、イリエワニの話は飼いきれないエキゾチックアニマルのペットのこと。きっとそのうち「エンリッチメントは誰のため」とか「エンリッチメントなのかエンタテインメントなのか」なんてことも扱われるのでしょう。

ちなみに、癖の強い「クマ園長」なる人物が登場するのだけれど、動物園の存在意義について、

動物は、それ自体が棲息地の記憶装置。
生態に刻まれた土地と生命の歴史。
動物を「見る」欲望が知りたい欲望のあらわれならば
動物園は世界中の「未知」の記録庫。
命以上に惹きつけられる未知などない。

などと言う。
それはそれで、ひとつの回答なのだろう。

ぼくが「動物園にできること」に書いたくらいのことは、ちゃんと咀嚼して、物語の中でごくあたりまえの前提条件として扱われている。それがなかなかうれしい。

本物のリアル・ズーキーパーさんはどう読んでいるのかな。

「星と半月の海」の概要

2006-10-27 07:24:21 | 自分の書いたもの
今からだいたい一ヵ月後に書店に並ぶ動物小説集のこと。
タイトルは「星と半月の海」。

収録作品は、
みっともないけれど本物のペンギン
星と半月の海
ティラノサウルスの名前
世界樹の上から
パンダが街にやってくる
墓の中を生きている

この6編。
「世界樹の上から」だけは書き下ろしで、ほかは「小説現代」に掲載されたもの。
生き物テーマ(生き物にかかわる人たちテーマ)の小説は長年書きたかったので、感慨深いものがあります。

今、帯の言葉だとか、装丁だとかをああだこうだとやっているところで、これはある意味とても楽しい作業です(作業に余裕があるなら)。でも、三校を見なきゃならないのだな。もうじき。

そして、懸案はoutbreak小説ですな。
この一ヵ月、時々、エッセイなど書きながら、基本的に書いております。
先が見えたような見えないような……。
冬のうちに出すのは、微妙だなあ。


風通しのよいPTAのためのチェックリスト

2006-10-25 20:37:27 | 保育園、小学校、育児やら教育やら
115_105_150 このブログのコメント欄でFJNさんが紹介してくださったネタ。ジャパンマシニスト社という不思議な名前の出版社があって、「おそい・はやい・ひくい・たかい」というこれまた不思議な名前の雑誌を出している。不思議だけど、良い名前だ。
ちょっと古いけれど、この雑誌の2001年2月号がPTA特集。その35ページに掲載されているチェックリスト。

(1)新年度や入学時や転校時に会則・規約を見せ、加入意思の有無を確かめる。
(2)希望すれば会計簿を閲覧できる。
(3)歴代会長に男性もいれば女性もいる。役員の選出法が公正といえる。
(4)PTAの会計から、学校行事などに「金一封」が出されない。また、異動・退職する教職員会員に「記念品料」などが出されない。
(5)PTA広報紙に「学校への苦情・注文」「保護者への苦情・注文」など、会員の自由な声が掲載されている。
(6)会員からの相談や意見があれば、保護者会員と学校側会員とが、対等に論議している。
(7)PTA行事や会議に、一般の教職員会員が参加する。
(8)PTAの会議記録や議事録が保存され、誰でも閲覧できる。
(9)一部の人(たとえば地域の顔役や校長)がPTAを牛耳っていない。
(10)PTA総会が、質問や意見がたくさん出て活発である。

あなたのPTAはどんなかんじですか。
うちのところは、全部満たしているわけじゃないけれど、それほど悪いわけでもない。
なかなかいいんじゃんと思いつつ、(1)はなんとか実現したいなあと思うのでした。

あと、まだこの号、残部があるみたいなので、希望者は上記のサイトから購入できます。
勝手に宣伝。

受動喫煙被害で調停が成立

2006-10-25 15:16:45 | 喫煙問題、疫学など……ざっくり医療分野
読売新聞のこういうニュース。

「受動喫煙で被害」初の調停成立、示談金は80万円.

これはわりとめでたいことなのではないか。
五年前だったら、ありえなかった。

以下引用。

健康増進法で定められた分煙措置を雇用主が怠ったため、受動喫煙で化学物質過敏症を患ったとして、北海道当別町の会社員、岡本めぐみさん(35)が札幌市東区の会社に慰謝料100万円の支払いを求めた調停が札幌簡裁であり、同社が岡本さんに示談金80万円を払うことで調停が成立したことが25日、明らかになった。


受動喫煙は、ぼくもいやだけれど、煙に身をさらさないですむ環境で暮らしている。だから、あまり切実ではない。
でも、世の中には、本当にたばこの煙でつらい人がたくさんいて、そういう人たちがごく当たり前の配慮(つまり吸わなくて済むこと)をしてもらえる社会を切に望みます。

いや、示談金をもらっても、職場がきちんと分煙にならなかったりしたら、やっぱり嫌だなあ。
きっと、それはすでに解決済みと信じるのみ。

うちの歴史

2006-10-25 08:56:56 | 日々のわざ
娘が保育園で、「うち」という一人称を使っているのを耳にする。
とうとう来たか。

世では、これが気にくわないという親が結構いるのだけれど、ぼくはそれほど気にならない。
言葉なんて変わるものだし、そのことに貴賤はない。違和感はあるにしても、今のところ「子どもの言葉」であって、例えば二十歳をすぎてまだ「うち」といっている女性はまずいないだろう。つまり、「バイト語」みたいな直接的な「利害」がぼくにはないのだ。

だから、むしろ、娘が幼児から、ぼくが自ら体験したことのない「少女期」の入口に立ったのだなあと、ドキドキする。

とはいえ、自分が子どもの頃は、身の回りでは言われていなかった一人称だから、起源が気になる。やっぱり、関西なんだろうか。

調べてみた。

リンク: 教えて!goo 「うち」という一人称について.
リンク: 自分のこと「うち」…関東でなぜ? : ミックスニュース : 大手小町 : YOMIURI ON-LINE(読売新聞).

ふむふむ、関東地方で女の子が「うち」を一人称に用い始めたのは、つい最近らしい。
ぼくが「川の名前」を書いた2004年には一般的だったけれど、その十年前にはまだそれほど使われていなかった。

で、説として面白かったのは、千葉県の東総地域で、女性が自分のことを「うち」ということがあって、これが関東地方全域に広がったのではないか、というもの。東総の女性たちは、古くからの紀州とのつながりから、「うち」という一人称を使う。つまり、関西起源の「うち」であるのだけれど、それが「歴史的ルート」で関東に広がったというもの。
この説が本当だとしたら、すごく面白い。特に、今ぼくは房総半島にすごく興味があって(まあ育った場所ですし)、東総地域といえば、椿海の干拓など、江戸時代におそろしく大がかりなことをやったにもかかわらず、全国的にはそんなに有名じゃないところでもある。小説ネタになるよなあ、と思っているところ。
とはいえ、今の時代、たとえば東京から銚子や佐原に行くのって、新幹線で関西にいくのと大して変わらない。地理的に近いからという理由だけでは、東総起源というのは根拠が薄いだろう。

まあ、おジャ魔女ドレミ、なんじゃないでしょうか。
一番インパクとが強かった起源としては。(たいてい起源というのは一つだけではないので)。

あと、上に紹介したリンク先で、「うち、という表現は、ウチとソトを明確にわける日本的なものを連想して嫌だ」という発言があって、これもおもしろかった。
別にぼくは日本人がとりたてて、ウチとソトをわける文化ってわけでもないと感じているのだが、それでも、「うちら」と女の子たちが言った時に含意される、仲間意識は、「あたしたち」というよりもずっと強い(本人たちがどういうつもりであれ、そう響く)と感じていたので。

カレンダーコンテストの審査員をして楽しかったことその2

2006-10-23 18:29:28 | 日々のわざ
R0012729GR digitalのカレンダーコンテスト審査員の話の続き。写真は、一周年記念で、リコーが作ったGRドラヤキ(?)。

で、前回の続き。

表紙もいれて13の写真で、審査する側はいろいろストーリーを考えているのだけれど、それを受賞者に聞いてみると、見事に裏切られたり、キモチイイ認識の転換があって、おもしろかったわけです。

たとえば、「棟梁」と題された作品は、建築中のまだ柱を組んでいる途中の屋根の上で棟梁が逆光の中たたずんている絵なのだけれど、実は撮影者は建築家で自分が設計した物件の現場写真として撮ったものだったり。おまけに「棟梁がうっかり柱を3センチ短く切ってしまい、悩んでいるところ」だと知った時には大爆笑。

2月に選ばれた2匹のわんちゃんの写真は、背景がどことなく無国籍な不思議な雰囲気で、実は米軍基地の中だったのだと教えてもらって、納得だったり。

12の写真にリアルな状況と、妄想めいた想像をまぜこぜして、ひとつひとつ短編が書けそうな気がする、そんなかんじでした。

こういうのは本当に楽しいです。

あと、この授賞式では、一周年記念モデルの発表会を兼ねていたので、その宣伝をしておくと、こういうものが来月お店で売られるようです。
リンク: GR DIGITAL 一周年記念モデル | Ricoh Japan.

全国PTA研究会の相談ページ

2006-10-23 06:54:14 | 保育園、小学校、育児やら教育やら
全国PTA問題研究会というところがあって、PTA関係の相談事を受け付けている。で、その トップページにある「PTA相談から」と書かれたリンクをクリックすると、代表的な相談事項をまとめたページが読める。

任意加入の問題、学校との関係、会長の役割、というのが受ける相談の三大テーマだそうだ。
任意加入については、
自動加入とか強制加入と思い込んでいる人が、とにかく多いです。
会則には、PTA会員になれるための条件が書かれているのです。
入退会の自由があります。

とのこと。
意を得たり。とはいえ、うちの規約はそのあたりぼかしてあって、保護者は全員会員になるというふうに読めてしまう。
なやましいところ。

学校との関係というのは、つまり、「付属機関」になってしまっているPTAが多いってことなだろうなあ。
独立した社会教育関係団体としての自覚と誇りを持たないと、やらされている感がつのって辛い。

そして、会長の役割。
なるほど。
最近、会長ってなんだろう、と思うことがよくあって、考えるところ、あり。
会長がすごく多忙だったりすると、校長と話ができなくて、ある委員会が抱えている案件が進まなくなる、というような場合があるのだけれど、そうすると、会長というポストは単に事務手続き上クリアするポイントになってしまって、実質的には作業の効率を遅らせることになってしまうんじゃないか、と。じゃあ、会長なしのPTAって、面白いかも、なんて思考実験していた矢先なので。数人の世話人(副会長相当)が、いろいろ差配して、対外的にはだれかをチーフに立てつつも、「長」はいない、みたいなやり方。きっとどこかやっているところはあると思うので、メリットデメリット取材してみたいなあ、なんて。
あ、一応、注釈しておくと、ぼくはそういうふうにしたいという訳ではないのだ。ただ、自分たちが属する組織のやり方が唯一無二の方法ではないと知っておくことは、やはり、組織の運営に柔軟性と余裕をもたらすとおもうので。「こうじゃなきゃ」って思っているとしんどいでしょう?
いずれにしても、会長の役割を常に明確に意識するのは大事なことなのだあな、と実感した次第。

ちなみに、この研究会は世田谷に事務所があるので、そのうち訪ねてみるかもしれません。

カレンダーコンテストの審査員をして楽しかったこと

2006-10-22 13:03:02 | 日々のわざ
R0012689GR Digitalのカレンダーコンテストの授賞式、および一周年記念モデル発表会に行ってきた。昨日のこと。ちなみに、写真は「八月」に採用された写真。なんか、抜けた感じで、12枚のうちの1枚として、すごく機能するのではないか、というような議論でピックアップされたのだと記憶している。

で、ほかの審査員がやたら気にしていたのは、これはこの「おみ足」の女性本人が撮影したのが、それとも、「ヤロー」が撮影したのか、という点。
もちろん、それ以外の「女性の友人」が撮った可能性だってあるのだが、審査員の興味の焦点としては、「本人かヤローか」に絞られた。

審査員のうちの一人、横木さんが、写真をじーっとみて、「やや右上から撮っているので、自分撮りは難しい」と判断を下しつつも、とはいえデジカメだから、やや斜め下から液晶画面をみつつ、ということも可能なわけで、やはり作品だけでは、区別がつかない。
まあ、当たり前だ。

で、授賞式において結論。
ヤローでした。
R0012690このようなナイスカップル。もちろん、女性はこの「おみ足」の持ち主です。なにしろ来年結婚することに決まっているということで、めでたしめでたし。作品だけからは、分からないようなストーリーが、やはり背後にあって、それを勝手に我々は想像しているわけだけれど、実際に撮影者やモデルの声を聴くと、しゅーっとイメージが収斂していく。
もちろん、自分たちの想像と違う場合が多いのだけれと、その裏切られ方も楽しい。

と書いていたら、出かける時間だ。
あとで書き足します。


「ワイネフのタバコメ」の紹介。小谷野氏には対話に応じてほしいと切に願う

2006-10-20 17:10:25 | 喫煙問題、疫学など……ざっくり医療分野
このブログにも時々コメントをくださっていたワイネフさんが、ワイネフのタバコメというウェブページを立ち上げた。
これからコンテンツは増えるのかもしれないけれど、とりあえずは、「本気で逃げるから追わないで、小谷野敦逃亡記」という一連のリソースが読める。
mixiで公開討論を小谷野氏に呼びかけ、振られてしまったという内容。

ぼくはミクシィの会員じゃないので、中の議論は直接は見ていないのだけれど、同じコミュニティにいた人は、このリソースの内容をリアルタイムで目撃している。その意味で、書かれている内容の信憑性も高い。あと小谷野氏に、事実関係レベルでどのような異議があるかだけれど……。

いずれにせよ、ぼくも以前、小谷野氏に疫学についての認識を改めてもらいたいと思い、うまくいかなかった苦い記憶があるので、この呼びかけが失敗に終わったのはつくづく残念。

ぼくの考えでは、小谷野氏は、受動喫煙の害について理解したとしても、まだまだ言うべきことがある。むしろ、疫学議論を誤解しているがゆえに、ほかの話もまったく説得力を失っていると感じている。

そのいっぽうで、最近、気になっているのは、「禁煙ファシズム」本を出した後で、いろいろな賛否両論を噛み砕いた上で、今、共著者の斎藤貴男氏がどのような見解を持っているかということ。

小谷野氏が疫学証拠をみとめてもまだ言うことがある人だとしたら、斎藤氏は主張が180度変わるべき人だ(本人もそのような内容を「禁煙ファシズム本」の中に書いている)。機会があれは、彼の疫学理解について聞いてみたいと思っているのだけれど、チャンスはなし。