川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

バッタ博士は本懐を遂げつつあるのではないか?(緑色の服を着てたらよかったのにね)

2014-01-26 22:32:56 | 自分の書いたもの
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ナショジオウェブで、モーリタニアのバッタ博士、前野ウルド浩太郎さんの研究室(=サハラ砂漠)訪問企画を連載中ですが……↓
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20140114/379960/
正直、写真、使い切れていないです。
これ、博士が、全身バッタにやられてるところを、ティジャニが激写中!

博士! これで半分くらい夢がかなったのではないっすか? 緑色の服着ていればよかったね! 残念!

と思いつつ、よくみたらさ、博士のカメラこっち向いていない?

つまり、ティジャニに撮られている博士に撮られている、わたくし、みたいなシーンでもあるかもしませぬな。

なお、連載第5回で、博士はこのように述べています。

「こういうジャンプ、はじめて見るッス。敵が近づいてきた時の反応というか、いったいこれが何なのか。こういうふうな群れの行動、もう3年、4年待ってください。そうしたら、学術的に説明します!」

実は、この前後、凄まじい写真が撮れてます。
でも、今回の連載では紹介していません。そのうちに、博士が論文書いてくれるとベストで、学会発表など、オフィシャルな場でオモテに出たら、きっとこちらもオモテに出しましょう!

たのみまっせ、博士!

そのかわりに、今は、タイヤにまとわりつくバッタ。
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モーリタニアでラクダの煮込みを食べる(バッタ博士と一緒)

2014-01-23 16:49:39 | 自分の書いたもの
今この瞬間、ナショナルジオグラフィック日本語版のウェブサイトで、前野ウルド浩太郎さん、のフィールド訪問記を連載中。

やたら写真を撮りましたが、全部使えるわけでもないので、こっちでも紹介を。
まず、キャンプはこんなかんじね。
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フィールドでの最初の夜、知る人ぞ知るバッタ博士の相棒、ティジャニが用意してくれたのはラクダ肉でした。
このあたりでは、特別食的なあつかいのようで、わざわざ「客だ、ラクダ肉だ」と買いに行ってくれたとか。
それを、玉葱なんがいっしょに煮こんで、ご飯にぶっかけて食べる、と。
ティジャニ調理中。
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ぼくとバッタ博士は、お皿に盛りつけて、ふつうにフォークやスプーンで。
味は……すごく脂が乗っていて、超コッテリというかんじですね。
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しかし、モーリタニア流はアツアツのご飯を手で握って、そのまんま食べるんですね。ワイルドだぜ!
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そして、ティジャニが大好きな、ラクダのミルクも。駱駝乳。
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ナショジオウェブでの連載はこちらであります!
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20140114/379960/
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モーリタニアにバッタ博士を訪ねる(個人的な興味が一巡して、さらに世界は回り出す、の話)

2014-01-21 18:15:36 | 自分の書いたもの
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今この瞬間、ナショナルジオグラフィック日本語版のウェブサイトで、前野ウルド浩太郎さん、のフィールド訪問記を連載中。
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20140114/379960/

生き物系の「研究室訪問」は、そのまま「フィールド訪問」になることもあって、自分としては、一番楽しくやりがいがあるものなのですよ。

そして、今回、バッタ博士前野さんのフィールドをリポートすることで、この連載枠が始まった時に、個人的に構想していたことが一巡した、とても、記念すべき回なのですよ。

ナショジオの研究室訪問は、2011年6月にスタートしていて、その中でできるだけ生き物ネタ(フィールド含む)を入れたいなあという野望が個人的にはありました。

それで、まずモデルとして、オオサンショウウオのフィールドのリポートを書いてみた後で、本格的な着手となったのが、実は2011年12月の堀川さんの回。
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http://nationalgeographic.jp/nng/article/20111214/293677/

なにしろ、クマムシは自分にとってキャッチーで、かつて観察のために実体双眼顕微鏡を買ってしまったという過去があるほど(カートン光学の機種で、今も現役)。そこで系統を樹立してしまった堀川さんはSugueee!とうならされる若手研究者だったわけです。

で、なぜか、堀川さんを中心に、とても魅力的な若手研究者が何人も見えてきた、と。

まず、堀川さんと、京大の松田一希さんが、北大時代の同級生だったのに驚き(テングザルの松田さんには、もうその時点で会ったことがありました)、松田さんの京大つながりで(かつ、東海大学出版会のフィールドの生物学つながりで)、その頃、ライデンの博物館にいた細将貴さんの「左巻きのカタツムリと右利きのヘビ」の話が目に入ってきたり。

松田さんは、すでにフィールドを訪問済み。
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http://nationalgeographic.jp/nng/article/20131203/375801/

細さんは、タイミングがうまくあわずに、ライデンには行き損ねたものの、この本の書評を朝日新聞でさせていただいたりしましたね。(現在、細さんは京大の白眉なので、今春から前野さんの「センパイ」です)
右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 (フィールドの生物学)右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 (フィールドの生物学)
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そして、そんな中、堀川さんと愛のあるDISり合戦をしていた、前野さんのことも同時に知ることになったわけです。堀川さんの博士論文時代の「吐血事件」の目撃者は前野さんだし、前野さんのバッタ愛を初期の時点からつぶさに見ていた「深夜の研究室のオトモダチ」は堀川さんだったりするわけで……。

で、何が言いたかったかというと、2011年の時点で、ぼくにたまたま見えていた、堀川大樹を中心にする若き生き物研究者のゆるーいつながりの取材が一巡したということなんですね。

これは、本当にうれしいことで、書とめておきたったッスそ(「ッス」のカタカナ表記はバッタ博士のコダワリね)

なお、2011年時点で取材したいと考えていたことは、一段落すれど、そのあとの展開もやっぱり頭の中にありますんで、それはおいおい。

それよりも、モーリタニア裏話も、できれば、しましょう。

あまり長くなるのも、アレなので、きょうはこの程度で!



睡眠についての本が出ました。

2014-01-18 18:58:23 | 自分の書いたもの
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さてさて、このような本が出ました。

国立・精神医療研究センターの三島和夫さんとの共著です。
90年代から画期的な進歩を遂げている睡眠の科学について、ぼくが話を伺う形でまとめてあります。

もとはと言えば、ナショナルジオグラフィック日本語版のWEBサイトで毎月連載している研究室訪問(http://nationalgeographic.jp/nng/web/laboratory.shtml)で、三島さんに話を伺ったのがきっかけ。
それが面白い、面白い! 
睡眠については不思議がたくさんあって興味津々な人も多いのだけれど、驚かされたのは、今、分かっていること(睡眠の科学としてコンセンサスを得られていること)でも、あまり一般には届いていないということ。
ということで、追加でまたお話を伺ったりするうちに、本になることなったとさ、です。
8時間睡眠のウソ。 ――日本人の眠り、8つの新常識8時間睡眠のウソ。 ――日本人の眠り、8つの新常識
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2014-01-18


例えば、どんなことが「届いていない」かというと……
人間に必要な睡眠は8時間という俗説が、間違いであるどころか、かなり有害だということ。
ぼくが三島さんとはじめて話した時点では、あちこちの医療系解説サイトで、そう書かれていたし、今もまだ結構あるみたい。
三島さんが憤っていたのは、実は、眠る時間は年齢差、さらに個人差があり、8時間きっちり眠れるのはせいぜい十代前半までということがとっくに分かっているのに、「8時間眠れない」ことを気に病んで、逆に不眠になってしまう人(特に高齢者)が続出するなど、悪影響があるのですね。

人間の体内時計の周期が25時間だという説も、否定されて10年以上たつ古い説なのに、もうそこかしこに溢れていて、生物学系の国立研究所のサイトで、バリバリの研究者が「なぜ25時間なのか」と古い説に基づく解説記事を書いていたり、なにか睡眠学の外側に「伝わっていない感」がありありなのでした。(その後、まもなく、研究者による「25時間解説記事」は消えた)。

というわけで、この本の中の「新常識」は、例えば、たったひとつの研究で示唆された「その可能性があるね」というレベルの議論ではなくて、研究が積み重なり、コンセンサスが得られているものです。
それでも、一般には余り知られていなくて、どうかそれを知って欲しい。というのが、ひとつのポイント。

それによって、自分自身の睡眠の改善にも役立つし(個人的にはすごく役だったし、編集者もすごく役だった。これは、N=2ですww)、社会問題としての睡眠問題というものにも気づくことができるし、ということは公衆衛生問題、労働問題(シフトワークなど)にも繋がっていくわけです。

睡眠にまつわる類書は、いろいろあるものの、たぶんこの本の特徴は下記のようなかんじ。

・知識として、センスオブワンダーを感じられる、というか、著者(川端)がセンスオブワンダーを感じたことを強調して書いている。

・睡眠の科学が最近明らかにしたことで、ベーシックなことを紹介している。コンセンサスが得られていて、著者の立場に引き寄せた解釈はあまりない(あっても、分かるように書かれている)。

・個人の睡眠を改善するための背景知識が得られる。直接的な「ライフハック」指向の書籍とは違い、むしろ「万人に通じる正解なし」の立場だから、自分で工夫する背景知識重視。

・医療が必要なケースとして、認知行動療法についての紹介を分厚くしている。

・社会の中での睡眠問題という視点がある。

・子育ての中での睡眠問題という視点がある。

・ビズネスパーソン、「仕事を持つ女性」、学生、高齢者にとっての睡眠という視点がある。

・経営者、読んでおいたほうがいいぞ!



羅列するとキリないですが、そんな特徴を持つ本です。
ざっと、見た限り、類書に見えるものの中に類書なし、という感覚は抱いています。

是非是非、お手にとってご覧下さいませ。

なお、表紙の帯を脱がせると……こんなものが出てきます。
これを、「雲から飛びおりようとするペンギン」と見る人がすでに発生しており、ぼくも編集者も「公認」の立場です(笑)。
言われてみると、そう見えてならない……。
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プケコとオランウータンの本が隣にならぶ異常事態発生!

2014-01-08 20:10:41 | ひとが書いたもの
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ニュージーランドの「飛べる」鳥、プケコと、我らが親類の類人猿オランウータンの本が、隣に並ぶことなんて滅多にないんじゃないだろうか。
特に、日本語で書かれたものとしては、ひょっとして、これが初めての画期的な出来事かもしれない。
その画期性にどれだけの意味があるとはわからないけれど(笑)。

「プケコの日記」は、ニュージーランドの本を翻訳している大作道子さんの新しい訳書。
プケコ君の成長譚です。
プケコがトライアスロンしたりします。ニュージーランドのほかの鳥たちも出てきます。ウェカとか、タカヘとか。
小学生・中級よりの推奨ですね。
プケコの日記 (文研ブックランド)プケコの日記 (文研ブックランド)
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発売日:2013-11


「オランウータンってどんなヒト?」は、ぼくにとって、オランウータンをめぐるGuruである久世濃子さんが、小学生むけにオランウータンってどうよ的に解説したフィールド本。

おもしろいのは、オランウータンの母子を観察する久世さん自身が、お母さんになり、小さなお子さんをつれてボルネオのフィールドに連れて行ったりするところ。
すごいなあ。
これも小学校・中級より。
オランウータンってどんな『ヒト』? (あさがく選書5)オランウータンってどんな『ヒト』? (あさがく選書5)
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たまたまうちのテーブルで隣に並んだプケコとオランウータンたちが、平和な日々を送れますように。


一人でライトノベル、一人で朗読会とか……田澤利依子スペクトラム

2014-01-07 22:42:14 | ひとが書いたもの
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銀河へキックオフで、西園寺玲華ちゃん役を演じた、田澤利依子さんによる小説。
たざわりいこ名義。

注目してください、文・絵たざわりいこ、ですよ。
イラストついたメッセージとか頂いたことあったし、前著でもやっていることだし、ことさら驚くってのも変ですが、これ、両方やる人って珍しいなあ、と。

絵を描いて、文をつける人はわりといる。絵本なんかもそう。
文で世界を構築し、挿絵を自分でって、わりとなくないですか?
つまり、一人ライトノベル的な。

内容は、小学生中級から。
日常から始まるファンタジー系ですね。

ぼくは、これを利依子さんが、一人朗読とかするのを想像しちゃいますよ。
ぜひやってほしい。

ほんと「芸」ってのは、身につけとくもんだなあ、と。

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2014!

2014-01-07 13:54:27 | 日々のわざ
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さて2014年が始まっています。
ほとんどの人が、きょうくらいまでに仕事始めではないでしょうか。
ぼくは元旦から、旅行しつつ、やってましたが(笑)。なんかお正月疲れた……orz

というわけで(?)2014年です。
2013年は自分としてはとっても地味な一年になりました。

2014年も地味……かな。
仕込みはいろいろしつつ、発表機会を増やしていく算段はあれこれつけていく所存。

とりあえず、1月には、三島和夫先生との共著「8時間睡眠のウソ」が出ます。
これは、睡眠の科学について三島先生に聞きまくっているインタビュー本。20世紀末からずいぶん動いている睡眠の科学の新常識(先端的な説というより、すでにコンセンサスになっているもの)を語ってます。それですら、世間の「常識」からしてみると、驚くべき内容です。これまでで一番「実用度」が高い本かも知れませんね。
8時間睡眠のウソ。 ――日本人の眠り、8つの新常識8時間睡眠のウソ。 ――日本人の眠り、8つの新常識
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2014-01-18


そのあと、3月には「ギャングエイジ」の文庫本、そして、そのあとは、「雲の王」のスピンオフ作品が出るかも知れないし遅くなるかもしれないし。

そうだ、忘れてはいけない「12月の夏休み」の続編。書きました。
ここ注目です。過去形です。2013年内に、初稿を書き上げました。
なので、本になる日は近いと信じます。

雑誌連載、連作レベルでは、「夏のロケット2014」みたいな作品をやっと始められそう。「声のお仕事」のシリーズは、まだ続きます。年内完結するかなあ、というところ。
できれば、銀河のワールドカップ・サイドBも着手したいところ。

そんなこんなのざっくり予定ですが、やっぱり、どっちかというと、仕込みの年ね。
がんばっていきましょー!