川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

あらためて、「青い海の宇宙港・秋冬篇」を紹介します。

2016-08-25 22:28:46 | 日記

(写真は、主人公の駆くんが一年間過ごすことになる家から見えたであろう光景)

8月5日に書店に並んだものの、その後すぐにお盆に入ってしまったので、今頃になって、紹介記事をアップすることになってしまいました。

さてさて、

「青い海の宇宙港・秋冬篇」は、「春夏篇」とあわせて、宇宙遊学生の1年を描いていた、ひとつながりの作品です。

「春夏篇」では、小学生たちはハイブリッドロケットをあげました。せいぜい数百メートルくらいの高さまでしか上がらないものですが、それでも、ロケット推進の原理を理解し、視線を上に向かせるには充分。

と同時にその燃料って、実は結構バイオなものでした。視線を足元に向けさせる効果も充分。

で、「秋冬篇」では、宇宙に行きます。それもバイオで(笑)。
宇宙ロケットって、灯油で飛ぶにせよ、アルコールで飛ぶにせよ、結構、生物学的な「地球力」を駆使してますよね。地球が長いことかけて培ってきたもので、宇宙に行く。そんなイメージ。

で、ロケットは輸送手段です。
なにを宇宙にもっていくのかが問題で、それが「秋冬篇」のキモです。
90年代の作品「夏のロケット」は、ロケットを民間で打ち上げること自体がトピックだったわけですが、今や民間宇宙開発というのは当たり前なのて、その半歩先、一歩先にあるのは、というと宇宙機開発だと思ったわけです。とても素直な解釈ではないかと、われながら思います。

宇宙機エンジニアで、驚異のアイデアパーソン、野田篤司さんの協力を得て、ちょっとものすごい宇宙機を準備してありますので、お楽しみに!

これ、いずれ、野田さんとしかるべき場所を設けて、解説していただけたらとか本気で思っているので、その時が来たら、いったいどんなことが起きたのか(起きたことになっているのか)、こってりと語りたいものです。

終章のサブタイトルは「永遠のタイムカプセル」。
これは、宇宙遊学生が一年かけて、この一年が結晶したタイムカプセル、であると同時に、人類にとってのタイムカプセルという意味も込めました!

話は壮大に広がるけれど、常に「足元」からつながるものとして、宇宙の果てまで見渡せたような気持ちになれたら、ぼくの意図の通りです。

秋冬篇は、後半だけに、あまり詳しく書くと「作者によるネタバレ」になってしまうので、この程度で。

あ、そうだ。
すでに読んでくださった方の中に、宇宙ロケットを飛ばすこと自体について「荒唐無稽」という感想を持つ方がいるみたいで、これは、ぼくがうまく表現できていないのだろうという反省と同時に、今の民間宇宙開発の勢いを意識していない人なら、そう感じても仕方ないところもあって、なかなか難しいと思いました。

ぼくが言えるのは、「これが荒唐無稽なら、現実はもっと荒唐無稽だ」ことなんですよね。
ことロケット部分については。

そして、本当のワンダーは……(禁則事項、ということで)。