川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

ヴィンジの素敵な本。すごい顔ぶれだ……

2007-02-07 04:00:26 | ひとが書いたもの
True Names and the Opening of the Cyberspace Frontier: And the Opening of the Cyberspace FrontierTrue Names and the Opening of the Cyberspace Frontier: And the Opening of the Cyberspace Frontier
価格:¥ 1,904(税込)
発売日:2001-12
山根信二さんに教えていただいた本。
いわずとしれた"True Names"、「マイクロチップの魔術師」一編のみをおさめたアンソロジー。

一作だけでなぜアンソロジーなのかというと……この短編が、どのようにコンピュータサイエンティストをモチベートしたかということについて、いろいろな人が文章を寄せているから。タイトルにも「トゥルー・ネイムズとサイバースペースのフロンティアの幕開け」あるように。

一般的な文脈では「サイバースペース」というと、サイバーパンクってことになるのかもしれないけれど、実は初期の「ハッカー」たちに受け入れられたのは、むしろ、"True Names"だったということ。
さもありなん、とぼくは思う。

それにしても、執筆者の顔ぶれがすごい。

フリーソフトウエア運動やら、GNUやらで有名なStallmanやら、MIT人工知能研究所の設立者Minskyやら、サイファーパンクのTim May やら、VRMLをつくったPesceやら……。
めちゃくちゃ豪華な顔ぶれ。みんなよってたかって、 True Namesがあたえた洞察とインパクトについて語っている。
本当に、こういうのって、作家冥利につきますね。
良い本です。