80年代SF傑作選〈上〉 価格:¥ 987(税込) 発売日:1992-10 |
80年代SF傑作選〈下〉 価格:¥ 987(税込) 発売日:1992-10 |
『星と半月の海』で一番最初に収録した作品、「みっともないけど本物のペンギン」には、オマージュであるとか、リスペクトと言うにはあまりに直接的な元ネタがあります。きょう、本棚を整理していて、ひさしぶりにその短編を読み、やっぱすげえっと思ったので、自己申告。
それは、ハワード・ウォルドロップの「みっともないニワトリ」。
ぼくは高校生の頃に、SFマガジンに掲載された翻訳で読んだのですよ。
それで、もうめちゃくちゃツボに入って……。
ずっと、ああいうのを書きたいと思っていたわけです。
そのわりには、タイトルも著者も忘れてしまい、一時、lostの状態だったのです。
それを、堺三保さんにはじめて会った時に、「ああなってこうなってこうなる話」と言ったら、脳内検索0.5秒で、この選集(上)に収められているハワード・ウォルドロップの「みっともないニワトリ」だと教えてもらった次第。
「ペンギン」を気に入った方、ぜひ読んでみてくださいませ。
あからさまに、コピってます。
けれど、これに関してはこれでいいのです。
だって、「ペンギン」を読んでしまったから、「ニワトリ」つまらないなんてことは絶対ないのですよ。
ステラーカイギュウやら、リョコウバトやら、カロライナインコやらについても、それぞれ別の話が、別の誰かによって書かれてもいいくらい。
そんなふうに思って、「ペンギン」を書いたのでした。