川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

音のサッカーのこと(究極のイメージシンクロ)

2005-07-24 00:30:13 | サッカーとか、スポーツ一般
IMG_3841視覚障害者サッカー(blind soccer)というのが、2000年くらいから日本でも行われるようになっていて、それが今では関東一円のリーグ戦が行われるまでになっている。
つい先日八王子の盲学校のグラウンドで行われた試合を見にいった。これがすごかった。
予備知識は結構あったけど、やはり、「百聞は一見」にしかずの部分と、「目を閉じれば、百見より深し」な部分があって、とにかく発見することしきり。
簡単にルール説明。
人数は5対5で、コートの広さはフットサルと同じ。両サイドには高さ1メートルちょいのフェンスが設置され、サイドへのボールのアウトを防ぐ。

選手は目と頭部の保護のためにアイパッチと、ヘッドギアを装着。キーパーのみ、弱視者か晴眼者。

使うボールは中に鈴が入っていて、転がると音が出る。

敵陣のゴールの後には「コーラー」と呼ばれる役割のスタッフがおり、味方にここがゴールだと声をだして教える。時には選手の現在地を声で説明して助ける(上の写真のゴール裏の女性)。
監督はハーフラインのところから声で指示を出してよい。

ディフェンスの選手はボールホルダーに奪取のために近づくさい、決められたかけ声をかける。関西のチームでは、「マイド!」とかやっているところがあるらしい。ちなみに、標準的には「ボイ」(スペイン語で、いくぞ、みたいな意味)。

あとは、普通にサッカー。

で、ぼくが見た試合は、なにかの事情でサイドフェンスが持ち込めず、サイドラインを割ると支援スタッフが、「壁です」と言って中に戻すようなことをやっていた。

試合は、攻守の切り替えが早くてすごく楽しかった。ボールの持ち方やドリブルの仕方にも、やはり体から出来るだけ離さないための独特のスキルがある。そのわりには、フットサル的な足裏キープと足裏ドリブルみたいなのはあまり使われていない。

アラブ系アフリカ人の選手がすごく切れがあり、日本代表にも入っているファンタジスタとともに魅了してくれるったらなかった。特有のフェイントとして、ボールを動かさないやつが有効みたい。動かさなければ、音が出ず、一瞬「消える」ことができる。なるほど。

ゴールが決まる時は、本当に美しい。ボール回しからマークをずらしたり、ピンポイントのスルーパスを通して、ファインゴール!というようなことが普通にある。
目が見えるサッカー以上のイメージシンクロ現象が起こっているわけで、ぞくっとする。

ぼくもハーフタイムに目を閉じてドリブルしたり、蹴ったりしてみた。これがまたおもしろい。もちろん、なにがなんだかわからないのだが、それ以上に、見えないものをイメージする意識になるから、違う世界が開ける(ような気がした)。

たぶん、ブラインドサッカーのキモは、イメージ能力だ。
個人としてのイメージ形成力。そして、チームとしてのイメージシンクロ力。

リーグ戦が終わった後で、支援スタッフとの親善試合があって、そこまで残れればぼくもアイパッチをして参加できたはずなのだけど、残念。すごく残念。やりてー、と思って帰ってきた。

今度ベトナムでアジアカップがある。それにむけて日本代表の強化練習が、片道三十分で行ける駅の近くで行われるので、是非見にいってみようと思ってる。
サッカーの本質なるものがあるとして、そのいったんを見せてくれる競技だと強く感じているがゆえ。