行ってきました。第一回目。
父、子供二人、あわせて、三人で7800円也。
受けに行く前に、いろいろ調べたので、報告。経時的にかきますね。
まずは背景情報。
幼児に対する接種の効果って、なかなかよく分からないのです。
これがリスク群である高齢者なら、はっきりしていて、「打て」です。
65歳以上の健常な高齢者については約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったという、研究結果があったり(国立療養所三重病院での研究)、専門家の間でも異論は少ないんですね。
でも、幼児に対しては、よくわからない。
今年から、小児科学会が接種をプッシュすることになって、医師会が接種を推奨するパンフなども作っているのだけれど、いったいその根拠はどうなのか、ぐくってみてもイマイチはっきりしない。
そこで、子供に接種する前に知りたかったことというのは、二点。
まず、幼児に接種することで、どれだけかからなくなるか。つまり、普通の意味でのワクチンの効果ね。
もうひとつは、もしも、発症してしまった場合にも重症化しないという説があるけれど、あれはどうなのか、ということ。
ネットで検索しても、イマイチ、よくわからないのです。
特に問題なのは、エビデンス(証拠、根拠)です。
まず、最初に世田谷医師会に電話。
これは、子供の接種をすすめるちらしがたまたま目の前にあったから。
でも、ここにいるのはドクターじゃなくて、事務員さんなので、要領を得ず。
「かかりにくくなるし、かかったとしても重症化しにくくなるから」という以上のことは分からず、ぼくが求めているその根拠、エビデンス(疫学的な証拠)などはまったくわからない、とのこと。
そこで、紹介されたのが、世田谷の保健所。
ここで、保健師さんとはなしをしたのだけれど、ここでも、「かかりにくくなるし、かかったとしても重症化しにくくなるから」という以上のことは分からず。
エビデンスがほしいと、というと、さらに「上」の相談窓口を紹介されました。
バイオメディカルサイエンス研究会(バムサ)のインフルエンザ相談窓口。ここがどいういうところなのか知らないけれど、とにかく、ここならわかるだろう、と。
で、窓口のおじさんがいきなり、
「幼児には、あまりききません」と言うものだから、ひっくりかえまりした。
「保健所では効く、という見解でしたが……」と言うと、「それは、そういうふうにとることも可能な範囲です」だって。
なんなんだ。
じゃあ、効くのか効かないのか、よくわからないのが正しいのだとしても、エビデンスはどうか、というとこれまたよく分からない。
そして、最終的にトップまで登ってきてしまったよ。国立感染症研究所の感染症情報センターを紹介していただきました。
さすがにここでは、電話に出た人が、エビデンスを把握しています。
まだ、論文にはなっていないものの、幼児の場合、インフルエンザワクチンの有効性は2割から3割程度だそうです。
接種したグループと、接種しなかったグループの、インフルエンザ感染のリスク比が、その程度、接種しない人たちの方が高い、ということ。
これを多いと見るか、少ないと見るか、だね。たしかに、バムサの相談窓口が「あまり効きません」というのも分かるような……。
さらに、重症化のことで、質問すると、こっちも、重症化が防げるかどうかは、結論は出ず、ということらしい。
よく引用される数字で、「98/1999シーズンにインフルエンザ脳症を発症した217名中179名(82%)が0~5歳の小児であり、58名(27%)が死亡。この217名の中には、インフルエンザワクチンを接種していた人いなかった」というのが、あって、この数字だけをみると圧倒的に「効く」ものに思えるんですね。
でも、1999/2000シーズンに発生したインフルエンザ脳症の症例109名中3名(3%)がワクチンを接種した人だったり(この数字自体は、ネットでも検索できます@厚労省のサイト)、分からなくなってきているということ。
もっとも、109名中3人というのも、すごく少ない数字だし、症例対照研究すればかなり圧倒的なオッズ比が出て、有効性を確認できるのではないかと思うのだけれど、これについては、表に出ていない研究結果がそれ以降にあって、結果、はっきりしたオッズ比にならないようなものらしいです。
つまり、「わかんない」と。
つまり、今のベスト・エビデンス(もっともこのエビデンスは未公開らしいから、エビデンスとはいえないか)が示唆するのは、2割から3割程度、インフルエンザの感染を防ぐことができるということだけで、重症化について不明、ということなのね。
なんか、最初の話と違ってきたぞ。
でも、打ってきた。
2、3割って、こと重症化する病気については、決して、馬鹿にならないと思うし、いざ、流行した時なんか、毎年、打っておきゃよかったと思うし(これは、ぼくの性格か)、副反応とのトレードオフで考えて、打つべしの方に傾きました。
それにしても、問題なのは、医師会レベルや、保健所レベルで、今も「かかりにくくなり、なおかつ、重症化もふせぐことがてきる」と言っていることだなあ。これについてはまた聞いてみるかもしれない。
やはり、希望としては、
今分かっているベストエビデンスは、保健所レベル以上では、常に把握しておいてほしいものだ。
ぼくはたまたま、調べて納得して打ってきたけど、今「脳症なんかになりにくくなるから」と言って接種する親がいたら、単にだまされてることになっちゃうじゃない。
それって、そんなに無理なことなのかいな。
父、子供二人、あわせて、三人で7800円也。
受けに行く前に、いろいろ調べたので、報告。経時的にかきますね。
まずは背景情報。
幼児に対する接種の効果って、なかなかよく分からないのです。
これがリスク群である高齢者なら、はっきりしていて、「打て」です。
65歳以上の健常な高齢者については約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったという、研究結果があったり(国立療養所三重病院での研究)、専門家の間でも異論は少ないんですね。
でも、幼児に対しては、よくわからない。
今年から、小児科学会が接種をプッシュすることになって、医師会が接種を推奨するパンフなども作っているのだけれど、いったいその根拠はどうなのか、ぐくってみてもイマイチはっきりしない。
そこで、子供に接種する前に知りたかったことというのは、二点。
まず、幼児に接種することで、どれだけかからなくなるか。つまり、普通の意味でのワクチンの効果ね。
もうひとつは、もしも、発症してしまった場合にも重症化しないという説があるけれど、あれはどうなのか、ということ。
ネットで検索しても、イマイチ、よくわからないのです。
特に問題なのは、エビデンス(証拠、根拠)です。
まず、最初に世田谷医師会に電話。
これは、子供の接種をすすめるちらしがたまたま目の前にあったから。
でも、ここにいるのはドクターじゃなくて、事務員さんなので、要領を得ず。
「かかりにくくなるし、かかったとしても重症化しにくくなるから」という以上のことは分からず、ぼくが求めているその根拠、エビデンス(疫学的な証拠)などはまったくわからない、とのこと。
そこで、紹介されたのが、世田谷の保健所。
ここで、保健師さんとはなしをしたのだけれど、ここでも、「かかりにくくなるし、かかったとしても重症化しにくくなるから」という以上のことは分からず。
エビデンスがほしいと、というと、さらに「上」の相談窓口を紹介されました。
バイオメディカルサイエンス研究会(バムサ)のインフルエンザ相談窓口。ここがどいういうところなのか知らないけれど、とにかく、ここならわかるだろう、と。
で、窓口のおじさんがいきなり、
「幼児には、あまりききません」と言うものだから、ひっくりかえまりした。
「保健所では効く、という見解でしたが……」と言うと、「それは、そういうふうにとることも可能な範囲です」だって。
なんなんだ。
じゃあ、効くのか効かないのか、よくわからないのが正しいのだとしても、エビデンスはどうか、というとこれまたよく分からない。
そして、最終的にトップまで登ってきてしまったよ。国立感染症研究所の感染症情報センターを紹介していただきました。
さすがにここでは、電話に出た人が、エビデンスを把握しています。
まだ、論文にはなっていないものの、幼児の場合、インフルエンザワクチンの有効性は2割から3割程度だそうです。
接種したグループと、接種しなかったグループの、インフルエンザ感染のリスク比が、その程度、接種しない人たちの方が高い、ということ。
これを多いと見るか、少ないと見るか、だね。たしかに、バムサの相談窓口が「あまり効きません」というのも分かるような……。
さらに、重症化のことで、質問すると、こっちも、重症化が防げるかどうかは、結論は出ず、ということらしい。
よく引用される数字で、「98/1999シーズンにインフルエンザ脳症を発症した217名中179名(82%)が0~5歳の小児であり、58名(27%)が死亡。この217名の中には、インフルエンザワクチンを接種していた人いなかった」というのが、あって、この数字だけをみると圧倒的に「効く」ものに思えるんですね。
でも、1999/2000シーズンに発生したインフルエンザ脳症の症例109名中3名(3%)がワクチンを接種した人だったり(この数字自体は、ネットでも検索できます@厚労省のサイト)、分からなくなってきているということ。
もっとも、109名中3人というのも、すごく少ない数字だし、症例対照研究すればかなり圧倒的なオッズ比が出て、有効性を確認できるのではないかと思うのだけれど、これについては、表に出ていない研究結果がそれ以降にあって、結果、はっきりしたオッズ比にならないようなものらしいです。
つまり、「わかんない」と。
つまり、今のベスト・エビデンス(もっともこのエビデンスは未公開らしいから、エビデンスとはいえないか)が示唆するのは、2割から3割程度、インフルエンザの感染を防ぐことができるということだけで、重症化について不明、ということなのね。
なんか、最初の話と違ってきたぞ。
でも、打ってきた。
2、3割って、こと重症化する病気については、決して、馬鹿にならないと思うし、いざ、流行した時なんか、毎年、打っておきゃよかったと思うし(これは、ぼくの性格か)、副反応とのトレードオフで考えて、打つべしの方に傾きました。
それにしても、問題なのは、医師会レベルや、保健所レベルで、今も「かかりにくくなり、なおかつ、重症化もふせぐことがてきる」と言っていることだなあ。これについてはまた聞いてみるかもしれない。
やはり、希望としては、
今分かっているベストエビデンスは、保健所レベル以上では、常に把握しておいてほしいものだ。
ぼくはたまたま、調べて納得して打ってきたけど、今「脳症なんかになりにくくなるから」と言って接種する親がいたら、単にだまされてることになっちゃうじゃない。
それって、そんなに無理なことなのかいな。