くらしデザインスタジオ@楽(^^)

住まいや街など、様々な暮らしの提案やサポートをする中で、なんとなく気になったこと…!?イロイロです。

TOTOの白い曲面

2020-03-10 | 街のモノ

さらに小倉 では、"TOTOミュージアム" にも寄ってました。上は、ミュージアムではなくTOTO本社の建物です。ミュージアムとは見事に対照的で、スクエアな濃いカラーの建物なのが面白いです。


北九州モノレールの駅から歩いていくと、こんな感じに現れてきました。小雨だったので、陰影やコントラストは控えめに見えていたと思うのですが、それでも存在感があります。曲面は柔らかそうに感じるので?、威圧感みたいなのがほとんど無いのが不思議です。


エントランスへのアプローチではこんな感じに見えて、とてもイイです。何か、キャラクターの世界へ入っていくような感じです。衛生器具も、ある意味キャラクターのようなモノではありますよね。


エントランスを入ると、2層を覆う大きな曲面の、真っ白な天井が圧倒的です。四角いエレベーターシャフトも、天井とは縁が切れています。その上空の隙間の狭さから、天井のリアリティが見えてきたりです。しかし、この真っ白で均質で、違和感の無い自然な曲面の硬い天井を、設計・施工しているのはなかなかスゴいと思ったりでした。この1階の奥には普通にショールームがあって、普通に商談などしているのもまた、不思議な感じです。


2階の展示フロア側からエントランス方向を見ても、この精度で、光の反射の印象に違和感がないです。フロアからの間接照明が中心なので、白い天井はとても広く感じます。数少ないスポットライトと、ポツポツと点在する黒い換気口?から、天井の距離感を少し感じるくらいです。


メインの展示室も、角の無い白い壁から構成され、それを黒っぽい床と天井が引き立てていて、イイ感じです。


2棟の間をつなぐ空間の屋上には、このような人工的なデザインの見るための庭があります。その向こうに、白い曲面屋根の長いチューブが伸びていて、なんとも不思議な景色です。


屋上などは、かなり積極的に緑化されている建物のようで、ミュージアムの裏側に見える低層部の屋上も、緑に覆われています。その真ん中に、白い浴槽のようなデザインの階段室がイイ感じです。先に屋外へ出てから階段を上るという、凸ではなく、逆の凹んだ階段アプローチが面白そうです。


あちこちの窓に、このような水滴をイメージした?、注意喚起を兼ねた装飾が付いています。樹脂製のものを貼り付けている?のだと思うのですが、単調でなくそれぞれにパターンが違い、でもそれっぽく違和感もなく楽しいです。どういう職人さんが施工したのかな…と思ったりでした。


展示で一番印象的だったのは、100前に作っていた、これらの洋食器でした。デザインが、とても華やかでモダンできれいで、今でも十二分に魅力的で素晴らしいです。これだけの食器を作っていたとは知らなかったので、驚きだったこともあります。


こちらは、箱根の "富士屋ホテル 花御殿" に採用された、藤色の衛生陶器だそうです。今、展示場で見るととても派手に感じますが、ホテルの華やかなインテリアの中では、これぐらいが必要なんでしょうね。"花御殿" は1936年竣工とのことで、海外の方向けに、この時代から国内で洋式便器が製造されていたのですね。


こちらは、一般家庭に水洗トイレを普及させるための、1/10?スケールの模型とパンフレットです。模型がとてもよくできていて、写真で見ると本物のようです。まだ「TOTO」ロゴが使われる前なので、1960年代ではと思います。その頃でも、水洗トイレの選択肢に「洋式」はあったのですね。

この洋式便器の品番には「C14」とあります。今でも、古い洋式トイレで、便器が小さいな…と思うとこの「C14」に出会いますよね。調べると、1956年に発売になり、改良されながら1987年まで販売された、定番便器のようですね。


1930-1940年頃の洗面器です。この頃のものには、痰吐き器という専用の小さな穴があったようです。よく分からないのですが、この時代は、手や顔を洗う水の排水先と、痰を流す?部分を分ける必要があったのですかね。


"力士用" 腰掛便座というのがあるのを初めて知りました。一般的な便器の大形よりも、だいぶ大きいです。両国国技館の建設時に開発された、とのことなので、今の相撲部屋のトイレは、このサイズが使われているのでしょう。


こちらは、海外向けの便座一体型のトイレだそうです。ヨーロッパや中東向けの高級機種?のようですが、サイズはかなり大きくスクエアな形状です。床には置かれず、壁に固定されています。壁に付いているシンプルなシルバーのモノが、大と小のフラッシュのスイッチのようです。


こちらは、ミュージアムのトイレで実際に使われている、個パーティション付き小便器です。とてもスペース効率が悪いので、他ではお目にかかれなさそうですが、不思議な雰囲気です。実際には、目線の高さくらいまで、パーティションの高さがあった方が、落ち着きます…。


こちらも、ミュージアムのトイレで実際に使用されている、TOTOの悩める?リモコンです。これは、"ネオレスト" にオプション設定される「スティックリモコン」で、初見では、なかなか分かりません…。16コ?ものボタン操作が並んでいますが、スタイル重視ですべて同列なので、家庭向きという印象です。この他に、さらに多い設定用の操作部が、どこかに隠れているのですよね…。

ちなみに、「標準リモコン」はこれとは別の、パネル型のリモコンですが、こちらもシンプルなデザインにしたい?TOTOさんの、悩める感じが伝わってきます。長年、リモコンの操作やデザインにチャレンジしていきているTOTOさんならでは、なのかもなのですが…。

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