うどん 熊五郎のブログ

日替わりメニューの紹介や店での出来事など徒然なるままにつづりたいと思います。

連載81

2012年12月18日 | 学習室
熊五郎と12名の仲間達

 英会話導入後、娘の提案で二年前に英検の準会場として登録した。彼等は既に五年目を迎え、英会話の実力もかなりついていた。二年生で既に全員が三級を取得した。そして、六月に行われた受験で彼等は素晴らしい成績を残した。準二級に挑戦した黒山、志多、田島。猪野沢、森下の五名が全員合格する快挙を成し遂げたのである。それに触発されたのか負けん気の強い関が
「先生、私、次の受験で挑戦する。」
すると越智も
「俺もする。」
と言い出したのである。結局全員が準二級に挑戦する事になった。
「解ったわ。でも受験勉強と重なるけど頑張るのよ。」
娘はニコニコ顔で彼等の申し出を受け入れた。
 夏休みには中学三年生の夏期合宿講習が越後湯沢で控えている。毎年、一ヶ月程前に孫達と一緒に家族旅行を兼ねホテルの社長と合宿の打ち合わせに行くことが恒例になっていた。タイヤ事故以来、運転は娘夫婦の役目である。初日は孫達との楽しい一時を過ごした。二日目の朝、社長と部屋割り、献立などの打ち合わせを終え娘と共に妻が待っている九階の部屋に戻った。すると間もなく『ゴゴー』と言う地鳴りのような音が聞こえた。ホテルの前を流れる川の音だと気にもとめずにいるとグラッと部屋が揺れた。地震は高層階程揺れが激しい。窓際にいた熊五郎は壁に手をついたまま娘は和室の柱につかまったまま、互いに見つめ合うだけで一歩も動けない。座り込んでいた妻は四つんばいになりながら頭だけをテーブルの下に潜り込ませている。二~三十秒続いただろうか、揺れが治まると『エレベータは危険です。落ち着いて非常階段から非難して下さい。』という館内放送が流れた。
「とりあえず貴重品だけを持て!」
熊五郎の声が響いた。財布などの貴重品が入っているだろうと思われるバックを持ち上げながら
「社長から頂いた酒は置いてけ。後で取りに来ればいい。とりあえずロビーに向かうぞ。」
そう言って両手にバックを提げて非常階段を降り始めた。しかし、妻がついてこない。152
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