熊五郎と12名の仲間達
一月も中旬を過ぎると、熊五郎は自分の体験談を交えながら入試に向けての心構えを語ることが多くなっていった。それぞれの学力が解っているからこそ、一人一人の目標点を定め、落としてもいい問題、落としてはいけない問題等を事細かく指導していった。だが、ここで問題が起こった。横井である。彼はどうしても進学したい高校があった。熊五郎の判断では当落線上にある。一ランク下げても進学校と言われる高校に行けるのだが、本人の意志は固かった。
「横井君。どうしてもこの高校に行きたいの?」
「はい。目標でしたから他の高校は考えていません。」
「そうか、だけど今の学力ではかなり厳しいぞ。」
「はい。」
本人の決意は固い。熊五郎は決断した。
「解った。それじゃ、俺の家で特別授業だ。いいな。」
翌日から前期試験へ向けて横井の特訓が始められた。目標を持った時の生徒は頑張ることが出来る。熊五郎もふんどしの紐を締め直した。184
一月も中旬を過ぎると、熊五郎は自分の体験談を交えながら入試に向けての心構えを語ることが多くなっていった。それぞれの学力が解っているからこそ、一人一人の目標点を定め、落としてもいい問題、落としてはいけない問題等を事細かく指導していった。だが、ここで問題が起こった。横井である。彼はどうしても進学したい高校があった。熊五郎の判断では当落線上にある。一ランク下げても進学校と言われる高校に行けるのだが、本人の意志は固かった。
「横井君。どうしてもこの高校に行きたいの?」
「はい。目標でしたから他の高校は考えていません。」
「そうか、だけど今の学力ではかなり厳しいぞ。」
「はい。」
本人の決意は固い。熊五郎は決断した。
「解った。それじゃ、俺の家で特別授業だ。いいな。」
翌日から前期試験へ向けて横井の特訓が始められた。目標を持った時の生徒は頑張ることが出来る。熊五郎もふんどしの紐を締め直した。184