熊五郎と12名の仲間達
九月からは数学を除いて過去問集を使った本格的な受験指導が始まる。この頃になると常に六~八名は中学一・二年生の授業に参加する中学三年生の姿が見られるようになってきた。多い時には十人ほどが聴講している。一般の学習塾でも受験対策問題の量が多くなる。いわゆる詰め込み主義の指導法である。結果が総ての進学塾などは特にその傾向が強い。だが、学習室ではそんな気配はない。指導時間内の学習課目も学習時間も自分で決める。指導者から一切学習課目の指定はしない。生徒が自分で考えることに主眼を置いて指導に当たっている。十月にはいると二回目の英検受験が控えていた。前回、準二級を取得した五名は二級に挑戦する事になった。残りの七名は準二級に挑戦である。しかも、関、越智の二名は二級にも挑戦するダブル受験を申し出た。もちろん、娘も熊五郎の指導方針に従って特別な授業はしない。こんな時、合宿講習の成果が現れる。彼等は自習室にある過去問集とリスニングCDを利用して受験勉強に取り組んでいる。決して弱音を吐こうとはしない。更に、スコットの英会話授業で面接などの練習をする。ネイティブイングリッシュの講師がいれは鬼に金棒である。結果は黒山、猪野沢が二級に合格した。しかも、ダブル受験をした越智が、準二級、二級をダブル合格をした。更に残りの六名も準二級に合格した。結果的には十二名全員が準二級を取得、三名が二級を取得する事が出来たのである。娘は鼻高々である。
「どう、お父さん。すごいでしょう。」
「準二級って言えば高校二年生相当だろ。どうやって合格できたのかな。」
娘は秘策を教えてくれた。
「文法や単語力ではとても駄目。リスニングと面接にかけたのよ。あの子達、スコットの英会話で耳が慣れてるの。」
そう言われて結果の配点表を除いてみると娘の言う通りである。リスニングの得点が突出して高いのである。娘の作戦は成功したのである。170
九月からは数学を除いて過去問集を使った本格的な受験指導が始まる。この頃になると常に六~八名は中学一・二年生の授業に参加する中学三年生の姿が見られるようになってきた。多い時には十人ほどが聴講している。一般の学習塾でも受験対策問題の量が多くなる。いわゆる詰め込み主義の指導法である。結果が総ての進学塾などは特にその傾向が強い。だが、学習室ではそんな気配はない。指導時間内の学習課目も学習時間も自分で決める。指導者から一切学習課目の指定はしない。生徒が自分で考えることに主眼を置いて指導に当たっている。十月にはいると二回目の英検受験が控えていた。前回、準二級を取得した五名は二級に挑戦する事になった。残りの七名は準二級に挑戦である。しかも、関、越智の二名は二級にも挑戦するダブル受験を申し出た。もちろん、娘も熊五郎の指導方針に従って特別な授業はしない。こんな時、合宿講習の成果が現れる。彼等は自習室にある過去問集とリスニングCDを利用して受験勉強に取り組んでいる。決して弱音を吐こうとはしない。更に、スコットの英会話授業で面接などの練習をする。ネイティブイングリッシュの講師がいれは鬼に金棒である。結果は黒山、猪野沢が二級に合格した。しかも、ダブル受験をした越智が、準二級、二級をダブル合格をした。更に残りの六名も準二級に合格した。結果的には十二名全員が準二級を取得、三名が二級を取得する事が出来たのである。娘は鼻高々である。
「どう、お父さん。すごいでしょう。」
「準二級って言えば高校二年生相当だろ。どうやって合格できたのかな。」
娘は秘策を教えてくれた。
「文法や単語力ではとても駄目。リスニングと面接にかけたのよ。あの子達、スコットの英会話で耳が慣れてるの。」
そう言われて結果の配点表を除いてみると娘の言う通りである。リスニングの得点が突出して高いのである。娘の作戦は成功したのである。170