大阪ダブル選で完敗した自民党に対し、公明党が不信感を強めている。
公明党は自主投票とはいえ、支持層の約7割が自民党推薦候補に投票したにもかかわらず、肝心の自民党は支持層を固めきれなかった上、表立った支援に動かなかった公明党を批判しているからだ。
2017年4月の消費税率10%引き上げに伴い導入する軽減税率の議論や、参院選での選挙協力でもしこりを残しそうだ。
産経新聞の出口調査によると、市長選で公明党支持層の72.4%は自民党推薦候補に投票したが、自民党では64.8%にとどまった。
知事選では、自民党推薦候補は公明党支持層の70.1%から支持を得たが、自民党では50.9%しか固め切れなかった。
この結果を予兆するやり取りが、告示前の11月2日に公明党が自主投票を決めた後、自公幹部の間であった。
「あれだけ支援をお願いしたのに、なぜだ!」
自民党の茂木選対委員長が猛然と抗議すると、公明党選対幹部は「自民党支持層より、うちの支持層のほうが自民党推薦候補で固まる」と言い返した。
実際、選挙戦では公明党市議団を中心に、支持母体の創価学会に棄権回避を訴えた。
中堅市議は「自民党推薦候補への投票を呼びかけなくても、『棄権するな』といえば自然と票が入る。 以心伝心や」と解説する。
一方で、公明票の一部が大阪維新の会公認候補に流れたとして自民党の二階総務会長が不快感を示したことに対し、公明党側の怒りは収まらない。
関西選出の議員は「自民党がうちを批判するのは筋違いだ。 (支持層の)4割が維新候補に投票している自民党こそ政党の体をなしていない」と批判した。
自民党は、公明党がダブル選で旗幟鮮明にせず、協力しなかったことを理由に、軽減税率の協議でも幅広い対象品目を求める公明党に譲歩しない姿勢を強めているが、お門違いとばかりに創価学会関係者は語気を強めた。
「そんなことになれば、参院選での選挙協力にもかかわる…」
大阪の自民党があまりにも酷過ぎたということで、自民党本部の言い分は筋違いだ。