子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

「親学」って?

2007-05-06 18:56:06 | 雑記
内閣に設置された教育再生会議が、親に向けた子育て指針である「親学(おやがく)」に関する緊急提言の概要をまとめたとの報道を目にしました。

「親学」提言のポイントは以下の11項目からなっているようです。
(1)子守歌を聞かせ、母乳で育児
(2)授乳中はテレビをつけない。5歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない
(3)早寝早起き朝ごはんの励行
(4)PTAに父親も参加。子どもと対話し教科書にも目を通す
(5)インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の実施
(6)企業は授乳休憩で母親を守る
(7)親子でテレビではなく演劇などの芸術を鑑賞
(8)乳幼児健診などに合わせて自治体が「親学」講座を実施
(9)遊び場確保に道路を一時開放
(10)幼児段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目を習得させる
(11)思春期からは自尊心が低下しないよう努める

これを見て皆さんはどう感じたでしょうか?

私は、何とも言えない違和感を感じました。
個々の内容に関してもいろいろと問題があると思いますが、それ以前にこのようなことを有識者と言われるような方たちが議論して決めたことに違和感を感じてしまいます。

本当にここまで面倒をみないといけないぐらい今の社会は子育ての能力が低下してしまったのでしょうか?

子育てというものは、このような箇条書きのマニュアルのようなもので規定されるべきものではないように思います。ただし、我々子どもを育てていく親や社会がしっかりしていかなければ、このようなマニュアル的な提言を押し付けられてしまうことになりかねないと思います。

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