子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

インフルエンザ

2009-10-21 17:16:05 | 雑記
10月の連休前後よりインフルエンザの患者さんが1段階増えた感じです。
1日5~10人程度インフルエンザの患者さんが外来受診しています。

例年に比べ比較的症状の軽いお子さんも多いのですが、おそらく普段なら自宅で様子をみていたような軽い症状でもインフルエンザが心配で受診する場合が増えたからではないかと思っています。

裏を返せば、今までも病院に受診しないような軽い症状でもインフルエンザであった方も大勢いたと思われます。

ただ、マスコミなどで死亡例が逐一報告されるので、罹ってしまったらどうなってしまうのか不安になっている方も多いのではないかと思いますが、ほとんどの場合(たとえ基礎疾患があっても)は、症状は辛いかもしれませんが、重大な問題に至らずに回復するので、過度の心配は必要ありません。

もし罹ってしまたら、重症化の徴候に注意をして、何か徴候があればすぐに医療機関を受診する心構えをして、ゆっくり療養するようにして下さい。

インフルエンザのような感染症は、発生してしまったら集団の中である程度の人数の人が免疫を獲得しないと流行は終息しません。
今回の新型インフルエンザの場合、免疫を持っている人がほとんどいないので、多くの人が罹るのは避けられないことだと思います。
ワクチンに関しても、今回の新型インフルエンザワクチンの効果は、発症や流行を抑える効果は低く、罹ってからの重症化のリスクを軽減することが目的のワクチンです。
現在のインフルエンンザ対策も、罹らないためのものではなく、インフルエンザの発生が一時期に集中しないようにすることと、重症化のリスクを軽減するとともに重症化した場合にスムーズに適切な医療機関で適切な治療を行えるようにするためのものです。

いろいろな情報が錯綜していますが、個々が正しい情報に基づいて冷静な行動をとる必要があると思います。

最近の外来の状況

2009-10-01 00:30:13 | 雑記
連休後の外来は比較的落ち着いており、インフルエンザの患者さんも1日に1~4人程度で推移しています。

例年のインフルエンザ流行のピーク時には、10~20人/日程度になるので、まだこれからといったところでしょうか?
千葉県内の発生報告数は確実に増加しており、これから数週間で最盛期になるのではと思われます。

どちらかというと、今は咳を主症状とする患者さんが多く、季節的に喘息に代表される体質的な要因による気道症状(咳・鼻水など)や少し前に記載したRSウイルス感染症などが多くなっている印象をもっています。

これからインフルエンザは増えてくると思いますが、報道の仕方のためか「新型インフルエンザ=重症化」といったイメージを持っている方が多いようですが、現状で大半の方は重症化することなく回復するので、過度な心配だけで行動しないようにして下さい。