子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

風邪はひくもの

2008-03-12 17:16:32 | 雑記
「子どもに風邪をひかさないように」と言われることがあるかもしれんが、人間が集団で生活している以上は、
いわゆる風邪を含め、いろいろな感染症に子どもの頃に罹ってしまうのは当たり前のことです。

人を含め生き物がいる以上、目には見えない細菌やウイルスは必ず存在しています。
子どもの頃に、いろいろな感染を経験し、それに伴い免疫もそれぞれの感染症に対して免疫がついてきます。

「風邪をひいたことがない」ことを自慢している方もいますが、そのような人にも必ず細菌やウイルスが感染した事はあるはずで、ただその人の免疫機能が優れているためなどの理由で、病気が発症しなかったということだと考えられます。

適度な運動、バランスの良い食事、規則正しい生活など日常的な心掛けで免疫状態を良い状態保つ事である程度は感染症に対する抵抗力をつけることは出来るとは思いますので、日常的な心掛けは大切だと思います。
ただし、各個人の生まれ持った素因などもあり、感染症を発症しやすい子とそうでない子がいるのも事実です。

「寒い所にいたら風邪をひいてしまった」と言う事も良く聞きますが、寒さが原因で風邪をひくわけではなく、すでにウイルスなどが存在(感染)していた上で、寒い所にいたことで体調を崩し免疫力が低下して感染症が発症してしまったと考えられます。

つまり、それぞれの感染症に対して十分な免疫力があれば、病原体に感染しても発症しません。また、ウイルスなどの病原体が存在しなければ風邪などの感染症にはなりません。

過去には、感染症は多くの人に採って命に関わる重大な問題でしたが、抗生剤や予防接種をいった医療の進歩で感染症による生命的な危険度を大きく低下しました。
感染症の脅威が低下した現代の日本におて、世の中は無菌状態のように勘違いしてはいないでしょうか。

子どもの頃に風邪をひくのは当たり前のことだし、そのようにして免疫力もついていくものです。
また、予防接種で予防出来る病気に関しては積極的に予防接種で免疫をつけることで、その対象となる感染症のリスクを確実に減らす事ができることも忘れないで下さい。

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