子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

自分で考えること

2019-02-11 12:50:26 | 雑記
インフルエンザの流行もとりあえずはピークを過ぎた印象です。

毎年インフルエンザの流行期になると、インフルエンザに関する多くの情報が飛び交います。

最近毎シーズン
「熱の高くないインフルエンザが流行っている」
と言うことをよく耳にします。

果たして本当なのでしょうか?

感染症(一部例外あり)には、不顕性感染といって病原体に感染しても症状を発症しない場合があります。
感染症の症状は、この不顕性感染(症状がない)の人から典型的な症状の人まで症状に幅があります。

外来でインフルエンザの検査が出来るようになる前(ほぼ20年以前)は、
インフルエンザでも典型的な症状の人はインフルエンザかもと予測はできる程度(確定はできない)で、
軽い症状の人は風邪と扱われていたと思われます。

以前から「熱の高くないインフルエンザ」は相当数存在しており、
最近は、検査でこの症状の軽いインフルエンザの診断が可能になっただけと考えられ、
「熱の高くないインフルエンザ」の人も多くいると言うことはできますが、
インフルエンザの特徴として「熱の高くないインフルエンザ」が流行っている訳ではなく、
インフルエンザの特徴が今までと変わったわけではありません。

ネットを介して、有用な情報にアクセスすることは容易のなったと思いますが、
それ以上に根拠のないのない情報がが氾濫しているのも事実です。

多くの情報の中で、個々の情報をすぐに鵜呑みにするのではなく少しでも自分で考えてみることが大切だと思います。

知らない間に、考えることをせずに情報に管理されてしまう社会になってはいないでしょうか。