子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

インフルエンザに関する勘違い?

2009-01-25 22:05:24 | 雑記
インフルエンザの流行時期になると、インフルエンザを心配して発熱したり具合が悪いとすぐに病院を受診する患者さんが増えてきます。

特に夜間の小児急病センターなどに出動した時に診察とその傾向を強く感じます。

新型インフルエンザなどの話題と通常のインフルエンザのことが混同されていたり、いろいろな情報がでまわり混乱しているようにも思います。

よくあるインフルエンザに関する誤解を少し整理してみました。


1、「検査をすれば100%診断できる」
検査で100%診断することはできません。
適切な時期に適切な方法で検査を行っても、2~3%の偽陰性(インフルエンザであっても検査が陰性)は避けられません。
また、発熱して時間があまりたっていない場合には、この偽陰性の頻度は高くなるため、発熱して1回目の検査が陰性でも、時間をおいて再検査すると陽性となるようことはよくあります。

2、「48時間以内に薬を飲まなければ治らない、または、脳症等重大な問題が発生してしまう」
通常のインフルエンザは、多くの健康な方であれば、薬を使わずともゆっくり休養することで自然に治癒する感染症です。
薬を使用するにしても、熱がでてから一晩や一日経過をみてからでも、遅いということはありません。
また、48時間経過したら薬が効かなくなるという訳ではなく、48時間経過してから薬を飲んでも、飲まないで自然に熱が下がるのを待つのと熱の下がる時期に大した違いがないということで、薬を使う時期の目安として48時間という決まりができています。
また、脳症といった合併症は、残念ながら薬を使用しても発生を阻止する事はできません。

3、「解熱剤は使えない」
脳症発症との関連性から、使用出来ない解熱剤がありますが、全て使用出来ない出来ない訳ではありません。
通常子どもに使用するアセトアミノフェンは、問題なく使用できます。
その他にイブプロフェンの使用も可能です。
ちなみに小児科医であれば、もともと上記以外の成分の解熱鎮痛剤を解熱目的で使用することはありません。

4、「予防接種をしていたらインフルエンザには罹らない」
そのシーズンのワクチンのタイプと流行しているウイルスのタイプが合っていても、健康な成人でも発症を阻止する効果は60~70%といったところです。
高齢者や低年齢者では、この比率は多少低くなります。
当然、タイプが大きく異なる場合には効果は期待できなくなってきます。
大きな流行になればなる程、接種していてもインフルエンザになってしまう方の数自体は増えるので、一見ワクチンが効いていないように思われてしまいますが、それ以上に罹らないで済んでいるいる人たちがいることを覚えておいて下さい。

まだまだ、いろいろなことがあると思いますが、今回はこのぐらいにしておきます。


インフルエンザ

2009-01-18 21:38:27 | 雑記
インフルエンザの発生数が先週末から急に増えてきました。

A型インフルエンザ多く、B型が少数見受けられます。

インフルエンザが心配で、発熱してすぐ受診する方が多くいらしゃいます。
症状がですぐだと検査をしてもインフルエンザかどうか判定できないことが多いので、熱は当然辛いとは思いますが、他に緊急性のあるような症状がなければ少し様子を見てから受診されることをお勧めします。

最低でも熱に気付いてから6時間程度経過してから検査をお薦めします。
朝からの発熱なら夕方、夕からの発熱なら翌日といったぐらいを目安にして下さい。

インフルエンザ自体は、多くの健康なお子さんや成人の方であれば、薬を使わなくても自然に治癒する感染症ですので、過度の心配はいりません。

インフルエンザに限ったことではありませんが、熱以外に、けいれん・意識がはっきりしない・嘔吐を繰り返すなどの熱以外の症状によってはすぐに病院を受診する必要があります。
また、高齢者の方や心臓や呼吸器の慢性疾患のある方など、インフルエンザにかかると合併症などのリスクの高い方は特に注意が必要です。

最近の報道で、インフルエンザ治療薬(タミフル)に対する耐性化が言われていますが、今の所クリニックの診療圏内で発生しているインフルエンザに関しては、治療の経過をみていて薬に効きが悪いような印象はありません。

ただ、治りかけに咳が増える傾向が見受けられますが、熱がなければ多少の咳はどうしてもでるものなので経過をみる必要があります。
インフルエンザに感染すると、気管支は感染によるダメージ受けるので、それを修復するため痰をだしたりする必要があり咳がでます。

予防が第一ですが、かかってしまったら無理をせずゆっくり休む必要があります。
また、熱が下がっても人に感染させる可能性がある時期は休む必要があります。
また、周りで流行している時には、軽い症状(高い熱が続くような症状がなくても)でもインフルエンザの可能性はあるので病院を受診して検査を受けることをお勧めします。

インフルエンザ

2009-01-10 00:40:43 | 雑記
インフルエンザの患者さんが少し増えてきました。
ただ、まだ集団発生等大きな流行といった状況はなく、年明けからの外来は落ち着いています。

インフルエンザの発生状況としてはいまのところ昨シーズンと同じ様な経過で、昨シーズンは毎日の発生数はそれほど多くなかったのですが、期間が長くだらだらと4月ごろまで(最後の患者さんは5月)続きました。

今シーズンはこれからどうなるのか、これからの動向に注意が必要です。

診療開始

2009-01-05 20:38:59 | 雑記
新年の診療スタートしました。

今のところインフルエンザの大きな流行もなく、比較的落ち着いたスタートとなりました。

インフルエンザの本番はこれからだと思いますので、注意して下さい。

あけましておめでとうございます

2009-01-01 00:32:07 | 雑記
クリニックを利用している皆さん、スタッフ、その他多くの関係する方々の協力のもと、なんとか昨年12月開業することができました。

それまでは開業を目標に日々を送っていましたが、これからはクリニックを利用してくださる皆さんや協力して頂いた多くの方々の期待を裏切らないよう、新たなスタートラインに立ってよりよい診療ができるよう努めていきます。

宜しくお願いいたします。