子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

スキンケアのすすめ

2012-07-16 22:12:39 | 雑記
7月15日(日)に日本小児皮膚科学会というものが前橋であったので行って来ました。

いくつか収穫があったのですが、
その一つは、スキンケアの重要性について再認識してきました。

アトピー性皮膚炎・乳児の皮膚トラブル・これから暑い時期に多い汗疹(あせも)など、症状がでている時にはステロイド外用などの薬による介入(治療)が必要になるのは当然ですが、普段からできるだけ症状を悪化させない(良い状態を維持する)ためには、日常的なスキンケアが不可欠です。

肌が色々な理由で荒れていたり、乳幼児期には元々まだ皮膚が未熟だったりすると、外からの色々な刺激に対して反応し易くなり、皮膚のトラブルにつながっていきます。また、皮膚に付着しものに対して、荒れた皮膚では触れたことでアレルギーを獲得するリスクが高くなってしまいます。

アトピー性皮膚炎で皮膚が荒れ易い場合、皮膚がまだ未熟な乳幼児期など、スキンケアを心がけるようにして下さい。

「スキンケア=保湿」といったイメージがあり、夏には必要ないと思っている方が多いようですが、乾燥がない分、夏では皮膚の本当の状態が分かりにくくなってしまいますが、皮膚自体の荒れは変わりありません。

お母さんたちは、洗顔後には必ず肌の手入れをしているのではないかと思いますが、肌の弱いアトピー性皮膚炎であったり、乳幼児では、全身のスキンケアが必要です。

入浴後は必ず1日1回、皮膚の状態により朝もう一度、汗や汚れで日中シャワーなどをしたらその後にも、乳幼児などは食後口の周りを拭いたらその後にも、1日何回でも必要に応じ行なってあげて下さい。また、1回1回十分に塗ってあげて下さい(テッシュペーパーがついて落ちない程度)。

何でスキンケアしてあげればよいのか?
合うものがあれば、市販のローションなどで問題ありませんが、合わない場合にはいくつか試してみる必要があります。
商売と思われるのも嫌なのですが、クリニックで紹介しているものもあります。

病院でよく処方されるもので、ヒルドイドやワセリンなどがありますが、
前者は保湿剤として使用されますが、もともとは血行を促進する作用のある薬で、皮膚の成分などを考えて作られたものではなく、ワセリンも石油から精製された油です。
市販のスキンケア製品は肌の成分などを考えて作られているものも多く、スキンケアとして考えた場合には、ヒルドイドやワセリンがベストな選択ではないようにも思っています。

ただ、ヒルドイドやワセリンを完全に否定するつもりはなく、個々の状況に合っているものを使用すればよいと思いますし、当クリニックでも状況に応じ処方もしています。

これから、紫外線や汗、室内では冷房での乾燥、などなど皮膚への負担が大きい時期ですので、スキンケアを心がけて下さい。



ポリオワクチン:生ワクチンから不活化ワクチンへ

2012-07-11 15:09:57 | 雑記
前にも触れましたが、
今年9月1日から定期接種として不活化ポリオワクチンの接種が開始されます。

同時に、定期接種としてのポリオ生ワクチンの接種は終了となります。

松戸市では、5~6月の集団接種が定期接種として生ワクチンを接種する最後の機会でした。

不活化ワクチン接種の詳細については、厚生労働省のホームページを参照して下さい。

ここに来て気になるのは、不活化ワクチンの開始を多くの保護者の方が待っていた割に、不活化ワクチンいついての情報があまり浸透していないということです。

接種方法が注射になり、接種回数が合計4回必要など基本的なことを知らない方も多く、接種回数をお話すると、その回数にびっくりする方もいます。

接種回数は、DPTと一緒で3~8週間間隔で3回接種し、3回目から1年後を目処に追加接種で合計4回の接種となります。
生ワクチンを1回接種している場合は、最初の2回+追加接種の計3回の接種をすることになります。生ワクチン2回接種が済んでいる方は接種の必要はありません。

最近の予防接種事業の急激な変化に伴い、既に予防接種業務が飽和状態になりつつある中での不活化ワクチン開始で、時期的にもインフルエンザ接種などとも重なり、混乱が予想さます。
可能な限り対応していく予定ですが、すぐにご希望の添えない場合もでてくると思いますのでご了承下さい。