子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

2006年度第2期MRワクチン接種率

2008-03-31 01:30:17 | 雑記
麻しん風しん混合(MR)ワクチン第2期(小学校就学前1年間)の接種率の全国平均は約8割で、松戸市の接種率は76.5%との集計が報告されていました。

これを見てみなさんはどの様な印象を持たれたでしょうか?

小児科医としては、なぜこんなに接種率が低いのか考えさせられてしまいます。
より多くの子どもが接種を受けそびれずにするにはどうすればよいのか?

小児科医としては、出来るだけ多くのお子さんが接種できる機会を提供する努力をしていかなければならないと思いますが、おとうさん・おかあさん達も積極的に接種するよう意識してもらうなど、お互いの協力が不可欠だと思います。

麻しん・風しん混合ワクチン

2008-03-29 03:03:04 | 雑記
2月以降、浦安市内の学校で麻しんの発生が続いているようですが、今の所は松戸市内で麻しんの流行はみられていません。

ただし、麻しんの流行のピークは通常4~6月にかけてのことが多いのでこれからの動向に注意が必要です。

新年度より5年間、中学1年生と高校3年生の年齢を対象に「麻しん・風しん混合ワクチン」の接種が定期接種として新たに行われることになっています。
各市町村から新年度になってから対象者に通知されると思いますが、通知がきたら出来るだけ早いうちに接種を済ませる様にしましょう。

その他、1歳になってからまだ接種を済ませていないお子さんも出来るだけ早いうちに接種しましょう。また、定期接種の対象外の方でも、接種歴のない方や接種1回でその後概ね6年以上経過している方(今度小学3年生以上のお子さんや中学2年生以上のお子さん、成人の方など)も任意の接種で費用がかかりますが接種を推奨します。
今度小学6年生や高校2年生の方も、出来るなら(近隣地域で麻しんの発生がある様なら特に)翌年の定期接種を待たずに接種を考慮してみて下さい。

メタボリックシンドローム

2008-03-20 19:16:54 | 雑記
4月より生活習慣病にターゲットを絞った特定健康診査(俗に言うメタボ健診)が開始されます。

対象者は40~74歳の被保険者・被扶養者となっており、子どもには関係ないまだ自分には関係ないことの様に思うかもしれません。
しかし、メタボリックシンドロームによる動脈硬化性病変などは、その発症こそ成人になってからのことが大部分ですが、血管の変化は小児期から始まっていると考えられています。
また、メタボリックシンドロームは食事や運動などの習慣と密接に関連した生活習慣病としてとらえられており、この生活習慣は小児期から形成されていくものであり、小児期からの対応が重要と考えられています。

食事の嗜好や間食の習慣などや運動の習慣など一生の習慣形成のスタートとして、子どものころの環境が非常に重要だと思います。

食事も好きな物を食べてお腹がいっぱいになれば良いのではなく、当たり前にバランスの取れた食事を出来るような習慣を身につけられるような食生活が出来ているでしょうか?

子どものころは「早寝早起き」と良く言われましたが、早起きして朝ご飯をしっかり食べて、夜更かしして夕食後間食してしまうようなことのないよう早寝するといったように、食習慣の面からも重要なことだと思います。

子どもの生活習慣を見直すということは、親自身や家族全体の生活習慣を見直すということなので、親自身の健康管理にも良い事だと思います。

小児期(6~15歳)のメタボリックシンドロームの診断基準も提唱されていますので参考にしてみて下さい。

必須項目:腹囲80cm以上 (身長/腹囲が0.5以上や小学生で腹囲75cm以上であれば基準を満たすものとする)

必須項目に加え以下の2項目以上を満たす場合にメタボリックシンドロームとする
1、中性脂肪(TG)120mg以上 かつ/または HDLコレステロール40mg以下
2、収縮期血圧125mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧75mmHg以上
3、空腹時血糖100mg/dl以上

2008-03-17 09:01:06 | 雑記
やっと春らしい気候になってきました。

インフルエンザも一時的に少し増えましたが、その後落ち着いてきています。

ただ今年は、スギ花粉症の症状が強く出ている子ども達が多い印象です。

年度代わりで、生活のリズムも変わる時期です、卒園卒業後や春休みの間にリズムを崩さないよう体調管理に気をつけて下さい。

風邪はひくもの

2008-03-12 17:16:32 | 雑記
「子どもに風邪をひかさないように」と言われることがあるかもしれんが、人間が集団で生活している以上は、
いわゆる風邪を含め、いろいろな感染症に子どもの頃に罹ってしまうのは当たり前のことです。

人を含め生き物がいる以上、目には見えない細菌やウイルスは必ず存在しています。
子どもの頃に、いろいろな感染を経験し、それに伴い免疫もそれぞれの感染症に対して免疫がついてきます。

「風邪をひいたことがない」ことを自慢している方もいますが、そのような人にも必ず細菌やウイルスが感染した事はあるはずで、ただその人の免疫機能が優れているためなどの理由で、病気が発症しなかったということだと考えられます。

適度な運動、バランスの良い食事、規則正しい生活など日常的な心掛けで免疫状態を良い状態保つ事である程度は感染症に対する抵抗力をつけることは出来るとは思いますので、日常的な心掛けは大切だと思います。
ただし、各個人の生まれ持った素因などもあり、感染症を発症しやすい子とそうでない子がいるのも事実です。

「寒い所にいたら風邪をひいてしまった」と言う事も良く聞きますが、寒さが原因で風邪をひくわけではなく、すでにウイルスなどが存在(感染)していた上で、寒い所にいたことで体調を崩し免疫力が低下して感染症が発症してしまったと考えられます。

つまり、それぞれの感染症に対して十分な免疫力があれば、病原体に感染しても発症しません。また、ウイルスなどの病原体が存在しなければ風邪などの感染症にはなりません。

過去には、感染症は多くの人に採って命に関わる重大な問題でしたが、抗生剤や予防接種をいった医療の進歩で感染症による生命的な危険度を大きく低下しました。
感染症の脅威が低下した現代の日本におて、世の中は無菌状態のように勘違いしてはいないでしょうか。

子どもの頃に風邪をひくのは当たり前のことだし、そのようにして免疫力もついていくものです。
また、予防接種で予防出来る病気に関しては積極的に予防接種で免疫をつけることで、その対象となる感染症のリスクを確実に減らす事ができることも忘れないで下さい。

適当なさじ加減

2008-03-10 02:26:17 | 雑記
料理の塩加減、お茶葉の加減、草花の水やり加減、などなど日常的に身について意識せずに適当に行われていたことも、社会が変化し世の中が便利になるにつれて、自ら行い経験する機会が少なくなり、適当に出来なくなっていることが多くなってきている様に思います。

小さい子どもと接する機会が少なくなり、実際に親になり子どもを育てるにも、子ども食事や睡眠の加減、子どもの体調の加減などなど、親がどの程度が適切な加減なのか分らないのではと思われることがあります。
子どもも、子どもの時期にいろいろな経験をして、いろいろなさじ加減を学ぶのだと思いますが、今の社会ではそれが十分に出来ていない様にも感じます。

マニュアルや規則と言うものは、適当なさじ加減の出来ない初心者のためのものである事がほとんどのように思いますが、今の世の中はマニュアルや規則ばかりになってきてしまったように感じます。

いい意味での適当なさじ加減が出来るよう、子どもたちがいろいろな経験が出来ると良いと思います。

インフルエンザの動向

2008-03-05 03:56:23 | 雑記
今シーズンの山を越えたと思われていたインフルエンザですが、先週末から当院診療圏内での発生が少し多くなっています。

一部に限定したものなのか、広がってくるのか、今後の動向に注意が必要です。

卒園卒業など年度末の行事も多い時期なので、みなさんも予防に心掛けましょう。

花粉症

2008-03-03 03:24:59 | 雑記
今年は花粉の飛散開始が例年より遅かったようですが、さすがにここ1週間程ではっきりと飛散しているのが感じられるようになってきました。

私も30歳後半に発症してしまい、毎年薬を飲んでいます。

この時期になると、咳・鼻水といった症状の患者さんが増えるのですが、はっきりと熱があったりすれば風邪と分りますが、熱もなくまだ症状が出始めだと風邪なのか花粉症なのか判断に迷うことも少なくありません。
通常の風邪が1~2週間以上も長引くことは少ないので、この時期に鼻水や咳が続きなかなか風邪が治らないと思っているような方の中には花粉症の方も多いのではないかと推測されます。
また、小さい子どもには花粉症はないと思っている方もいるようですが、花粉症も低年齢化しており注意が必要です。

花粉症というと、耳鼻科や眼科にかかる方も多いと思いますが、少なくともお子さんの場合は子どもに対する薬の使い方などに慣れた小児科に相談してみて下さい。