子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

日本脳炎ワクチン

2007-08-30 00:23:10 | 雑記
新しい日本脳炎ワクチンの供給が2009年度以降になる見とうしといった記事を見ました。

現行のワクチンの接種自体は中止と言う訳ではありませんが、新たな製造はしておらず、いずれ供給出来なくなるのではないかと思われます。

現在、日本脳炎ワクチンの接種は保護者の希望など現場の判断に任せれていますが、ワクチンの供給が十分でない状況で、感染リスクの高いと考えられる接種対象者にワクチンの供給が出来なくならないように、また接種をせずに待っている対象者や基礎接種3回が途中になっている対象者に対しての今後の接種予定など、厚生労働省は日本脳炎ワクチン接種に対する現状における指針を提示するべきだと思います。

やっと

2007-08-23 00:47:32 | 雑記
今までみなさんはあまり気にしていなかったかもしれませんが、小児期の定期予防接種としての混合ワクチン「DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)、DT(ジフテリア・破傷風)、MR(麻しん・風しん)の3種類」は、ワクチンの対象となる感染症の中の一つでも罹っていたら該当するワクチンの接種は定期接種としては認められず、定期接種としてワクチン接種を受けることはできませんでした。

医学的にはワクチンの対象となる感染症に罹っていても更にワクチン接種をすることで問題が起こる事はなく、それよりもいっしょになっているその他のワクチンの接種機会が行政の決まりにより失われる事が問題とされてきました。

しかしやっと厚生労働省は、混合ワクチンの対象となる感染症の一部に罹っていてもそれ以外のワクチンの接種機会を設けるために、混合ワクチンの接種を認める方針を決めたようです。

今さらと言う気もしますが、最近の予防接種行政の中では珍しく前進した決定であり、今後の方針にも期待が持たれます。

人それぞれ

2007-08-22 22:32:34 | 雑記
人それぞれに色々な価値観を持って生きていると思います。

子どものころの価値観と大人になってからの価値観は違ってきて当然だと思います。
ただし子どもの頃の価値観と大人の価値観で優劣をつけることは出来ないと思います。
大人は子どもの頃の価値観に学ばなければならないことは多いのではないかとも思います。

子どもの頃の純粋な気持ちだけではやっていけないとは思いますが、基本的な心構えでは子どもの頃のいい意味での素直な気持ちを忘れずにいたいと思います。

ある程度の争いや競い合いがなければ、社会は停滞してしまうと思います。
ただし、人をだましたり陥れたりするような行為はしてはいけないと思います。
人の助け合う能力は他の生き物に比べ遥かに優れた点だと思いますが、その反面騙したり裏切ったりする能力も秀でていると思います。

子どもたちのどのような価値観や能力を伸ばしていくか、我々の大人の責任は重いと思います。

子どもの頃から気をつける

2007-08-18 15:41:45 | 雑記
運動・食事・睡眠などの生活習慣は、大人になってからも意識せずに子どもの頃に身に付いたことが基礎になっていることが多いのではないかと思います。

子どもの頃からのいろいろなことが、あとあと年齢を経て身体的な影響となって現れてくる可能性があります。

メタボリックシンドロームも小児期にも見られる場合がありますが、予備軍のような子どもは少なくないように思います。
高齢になってからの骨粗鬆症も小児期の運動やカルシウム摂取量による影響が示唆されています。
親の喫煙は子どもの受動喫煙から呼吸器疾患の増加要因となり、また子ども自身の喫煙に対する抵抗感がなくなり喫煙開始の機会が多くなれば、喫煙によるさまざまな健康被害を被ることになります。
まだまだ、いろいろなことが考えられると思います。

何気ない日常生活の繰り返しがいろいろな影響となって現れてくる可能性があります。
我が家では当たり前のことがそうでないこともあるので、今一度見直してみてはどうでしょう。

ただし、子どもの生活習慣を見直すということは、親や家族の生活を見直すことです。
子どもに注意だけするのだはなく、親が見本ととなる必要があることを忘れないで下さい。

ちょっと早いけど

2007-08-16 00:54:10 | 雑記
あと2ヶ月もすると今年もインフルエンザワクチンの接種が始まります。

通常のインフルエンザワクチンには、Aソ連型(N1H1)/A香港型(H3N2)/B型 の三種類に対する成分(抗原)が含まれています。インフルエンザウイルスは毎年同じ型の中でも少しずつ変化しており、ワクチンも毎年各型の変化や流行状況に応じ成分(抗原)も変えられています。

その年に使われるワクチンの成分(抗原)の選定は、前年の11月ごろから始められその年の5~6月には決定され、今年もすでに製造段階に入っています。

インフルエンザに関しては、インフルエンザ脳症といった重篤な合併症、インフルエンザ治療薬(タミフル)の副反応としての異常行動の可能性、などなど毎年いろいろな問題が話題になります。
インフルエンザに関連したこのような問題発生のリスクを減らすためには、予防しかありません。その予防策の主要な方法としてワクチン接種があります。
インフルエンザワクチンは、インフルエンザ発症阻止効果という点では良くて60%程度、低年齢層では20~30%程度なので接種していても罹ってしまったりということはあるかも知れませんが、確実にさまざまなインフルエンザに伴うリスクを軽減する効果が期待できます。

いざと言う時に慌てないよう、ちょっと早いけれど、心にとめておいてください。

早寝、早起き

2007-08-15 03:13:45 | 雑記
子どもの夏休みも後半に入りました。
ここのところ暑い日が続き、疲れも溜ってきてはいないでしょうか。

子どものころ夏休みの心掛けとして「早寝、早起き」とよく言われていたように思いますが、最近ではあまり聞かなくなったような気がします。
また、「外で遊ぶなら暑くなる前に遊びなさい」などと言われていたのは自分だけでしょうか?
まだ松戸あたりでも子どもの頃には、カブトムシを採るために朝食前に友達と約束して出かけたりすることもありました。
ただ、今は朝遊びにでかけるといってもやることがないのが現実なのかとも思います。

いろいろな生活環境の変化にともない最近は、子どもの生活も夜に偏る傾向があるように思います。
ある程度はしょうがないのかもしれませんが、健やかな心身の発育のためには日常的な夜更かしは良い事ではありません。

長い休みの間に、生活リズムが狂ってきてはいないでしょうか?

自立した規則正しい生活習慣を身につけるためには、長い休みこそ絶好の期間だと思いますので、親が面倒くさがらず子どもの「早寝、早起き」を心掛けてみてはどうでしょうか。


麻しん(はしか)

2007-08-12 19:14:46 | 雑記
麻しんの流行も終息し、そろそろ危機感も薄れてきてはいないでしょうか?

今回の流行を振り返ってみると、流行は10歳代以上、特に20~30歳代の流行が目立つ一方で、低年齢での流行は比較的少なかったのが特徴ではなかったかと思います。

このことは、1歳になったらすぐに麻しんワクチンを接種することが徹底してきた成果とワクチンの有効性を証明する結果となったのではないでしょうか。また、麻しんワクチン2回接種の必要性も明らかにした形となりました。

「今回の流行はおさまったからもう安心」などと言っている場合ではなく、今後同じ様な流行を繰り返さないよう準備しておかなくてはなりません。
子どもだけでなく大人も含めて、麻しんワクチンを受けていない場合はワクチン接種を受けましょう。

国際的に麻しんは排除の向けて努力が行われており、日本はその中で非常に遅れて、やっとスタートラインに立った様な状況です。国の対策もようやく動き出しましたが、それ以上にみなさんがしっかりと意識をしてワクチン接種をすることが大切です。

「うそ」、「ずる」

2007-08-08 02:34:06 | 雑記
人間が社会生活を送る上で、「うそ」や「ずる」は欠かせない要素だと思います。

ただ、どこまでが許せるものでどこまでが許せないのか、厳密に線を引く事は出来ないとは思いますが、「うそ」や「ずる」には「許せるも」のと「許せないもの」があると思います。

今の世の中、「法律や規則に触れなければ何をやっても大丈夫」的な風潮がないでしょうか?
法律や規則というものは、人の行いの善し悪しを全て規定するようなものではなく、人が決めた最低限の規則でしかなく、規則違反だから法に触れるからという以前に、「これはやってはいけないこと」だといった倫理的・道徳的な漠然とした感覚があるはずだと思います。

このような感覚は、知識として教えられるのではなく子どもの頃からの家族生活、子どもどうしの遊び、幼稚園や学校などを含めた社会生活の中で自然に養われていくものだと思います。

ただ、そのためには我々大人がしっかりしていなくてはどうしようもありません。

今があるということ

2007-08-05 19:54:33 | 雑記
皆さんもご存知のとおり明日8月6日は、広島に原爆が投下された日です。
その後8月9日に長崎に原爆が投下され、8月15日に終戦となりました。

私の親の世代は戦争を経験した世代なので直接に戦争に関わる話を聞く(聞かされる?)機会もありましたが、あくまで戦争に対する感覚は非現実的なものでしかありませんでした。
ただ、「どんな理由があっても戦争は良い事ではない」と教えられ、今もそう思っています。

今の日本は、戦争という点からみれば平和な国だと思います。ただし、過去の戦争でのいろいろな意味での犠牲があって今の日本があることを忘れてはいけないと思います。
世界のほとんどの人は、戦争のない世の中を望んでいると思います。
今の大人は同じ過ちを繰り返し、戦争という手段を放棄できず、平和的に問題を解決することが出来ませんでした。

これからの世代(子どもたち)に、同じ事を繰り返さないようこれからの世の中を託すしかありません。

そのためにも、過去の出来事を忘れないように子どもたちに正確に伝えていく責任が我々大人にはあるのではないでしょうか?

行楽や帰省で忙しいかもしれませんが、戦争について家族で話をするのはどうでしょうか。
帰省して、おじいさんやおばあさんの話を聞くのもよいのではないでしょうか。

食育

2007-08-02 00:45:58 | 雑記
最近、「食育」という言葉をよく耳にします。
国としても、平成17年に「食育基本法」を成立させ取り組んでいるようです。

食に関する状況は、私が子どもの頃とは大きく変わってしまいました。
食に関しては良い意味でも悪い意味でも選択肢が増え、便利になりましたが、一方で多くの何か良いものも失ってしまったように感じます。

各個人の食に対する姿勢は、赤ちゃんの頃の哺乳から始まり、離乳期を経て各家庭・各地域社会の食習慣により形成せれていくものだと思います。食材に対する興味、調理法、食べ物の好き嫌い、躾け、食事の時のコミュニケーション、健康(身体的および精神的)への影響、などなど生きていく上で大切な多くの要素を含んでいます。

食は単に栄養を取るだけの行いではなく、人と人(子どもと親や家族)の関係、人間形成の重要な過程でもあります。
赤ちゃんは母親のおっぱいを直接哺乳することで母子相互に影響し合いながら成長し、離乳後も家族と食事をとることで多くの事を学習して成長していきます。

食は日常的な当たり前のことなので、その重要性に気がつき難いかもしれませんが、お子さんと過ごす時間が多い夏休みの時期、少し食に関して見つめ直してみるのはどうでしょうか。