子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

ゴールデンウィーク

2008-04-28 01:57:25 | 雑記
今年もゴールデンウィークに突入しました。

幼稚園や学校など4月から新入園・新入学で新しい生活が始まりやっと生活のリズムが出来てきたところではないでしょうか。

この連休でそのリズムを壊さないようにしてあげて下さい。
新しい環境で、身体的にも精神的にも疲れが出てくる時期ですので、リラックスして休養するもの良いことだと思いますが、逆に連休明けに休み疲れがでないように注意してあげて下さい。

授乳中の薬

2008-04-20 22:58:21 | 雑記
授乳中のお母さんが風邪などで病院を受診した時、「授乳中は薬は飲めません」と言われたり「薬を処方しますのでその間は授乳を止めてください」などと言われることが多いのではないかと思います。
お母さん達も授乳中は薬は飲めないと思い込んでいて、具合が悪くても病院に行かず我慢していることもあるのではないかと思います。

日本の薬の添付文書(薬の説明書)を見ても、多くの場合「薬剤が母乳中に移行するので投与を中止または避けること」といった記載がされています。

一方、米国小児科学会の勧告では、抗がん剤や免疫抑制剤などの一部の薬剤を除けばほとんどの薬剤は授乳が可能としています。

「薬剤が母乳に移行する」ことと「母乳に移行した薬剤が子どもに悪影響を及ぼす」ことは別々に考える必要があります。

薬は母乳に移行しますが、移行量は多くの場合ごくわずかで、子どもに影響を及ぼすことはほとんどないと考えられています。
元々子どもにも使用する様な薬剤であればなおさら問題はないと考えられるし、風邪など短期の使用であれば特に配慮の必要もないと考えらます。

日本の薬の添付文書の記載にしろ医師の指示にしろ「母乳を続けることの大切さ」を考えれば出来るだけ授乳を中断することがないようにする配慮が欠けているように思います。

共同作業

2008-04-16 01:57:02 | 雑記
病院の機能というものは、医者だけで成り立つものではなく、医師以外の様々な職種の職員や病院外の関係する業者さんなどさまざまな人の共同作業の上で成り立っています。

また、診療行為も病院と患者さんの共同作業で成り立っています。

病気の治療や経過観察といったことは、医療者と患者さん相互の信頼があって始めて成り立ちます。

患者さんは医師を信頼できなければ安心して診察も受けれないと思いますが、医師も患者さんを信頼できなければ的確な診療が行えません。
診療というものは、病院にかかれば何でも原因が分って薬など治療を受ければ問題が解決するといった単純なものではなく、経過を見なければ原因が分らないものも少なくないし、病気が治るまで日時のかかるものあるし、必ずしも治療法があるとも限りません。
病気を治療すると言っても子どもの場合介護して多くの時間経過を見ているのは親など家族の役割で、医療が関わるのは病気の治療の一部分でしかありません。

何を言いたいのか分らなくなってきてしまいましたが、多くの人が安心して受診できるような小児科であるよう努めていきたいと思っています。


胃腸炎

2008-04-11 06:01:50 | 雑記
嘔吐や下痢の症状で受診する子が比較的コンスタントにいます。

病院にかかると、各病院や医師ごとに「急性胃腸炎」「ウイルス性胃腸炎」「感染性胃腸炎」「おなかの風邪」「嘔吐下痢症」など、いろいろな診断名を告げられるかもしれません。

基本的に全て、ノロウイルスやロタウイルスが代表的ですが、その他色々なウイルスが感染して発症する胃腸炎に対する診断名で、同じことをいっているのですが、患者さん側にしてみると違った印象をうけるようで、「おなかの風邪」というと軽い印象で、「ウイルス性胃腸炎」「感染性胃腸炎」「嘔吐下痢症」と言われると何か大変な病気といった印象も持たれる方もいるようです。

原因となるウイルスの種類や本人の体調などで、症状の重い軽いは個人個人で異なりますが、基本的な対処治療法は変わりません。対処法は、2007年12月の記事「ウイルス性胃腸炎」を参照してください。