子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

ワクチンの同時接種

2010-02-25 00:54:44 | 雑記
任意の接種しなりますが、一昨年にHibワクチン・今度は肺炎球菌ワクチンが登場し、乳児期に接種するワクチンの種類が増えました。

ひとつひとつのワクチンを別の日に行うと、一定の期間をあけて何回も病院に行くことになります。

種類の異なる複数のワクチンを同時に接種することで接種の為に病院に行く回数を減らすことが出来ます。

2種類以上の異なる種類のワクチンを同時に接種することは可能で、既にDPT(ジフテリア百日咳破傷風)やMR(麻しん風しん)ワクチンなどは、複数のワクチンが混合されたワクチンでもあります。
製品として混合されていない別のワクチンを同時に接種する場合には、異なる部位に接種することとなります(2種類なら左腕と右腕2箇所)。

DPT・Hibワクチン・肺炎球菌ワクチンは、今後3種類同時に接種することが標準になっていくのではないかと思います。

また、当クリニックでは水痘・おたふくかぜワクチンの同時接種なども以前より行っています。

これからは、適切な時期に複数のワクチンを忘れずに行う為にワクチンの同時接種は有効な手段と思いますので、皆さんもワクチン接種スケジュールを立てる時には考えてみて下さい。

肺炎球菌ワクチン

2010-02-17 18:36:13 | 雑記
来週中に、乳幼児を対象とした肺炎球菌ワクチン(プレベナー)が発売開始されます。

肺炎球菌ワクチンと言うと、高齢者や基礎疾患のある方の肺炎予防を目的としたワクチン(ニューモバッックス)がありました。

今回のワクチンは、健康な乳幼児を対象としたワクチンで、世界的には既に40の国や地域で定期接種となっており、米国では2000年から定期接種を開始し肺炎球菌による髄膜炎や菌血症といった重篤な感染症の発生が5歳未満で98%減少したと報告されています。

肺炎球菌には90以上の種類(血清型)が存在し、今回のワクチンはその内の7種類に対する効果がありますが、この7種類で肺炎球菌による髄膜炎や菌血症といった重症感染症の70~80%をカバーしいます。

また、肺炎球菌は比較的身近な中耳炎といった感染症の主要な原因菌でもあり、このワクチンで肺炎球菌による中耳炎の約60%をカバーすることが出来ます。

最近では、肺炎球菌の抗生剤に対する耐性化が問題となっており、ワクチンによる予防が重要な対策として期待されています。

接種回数は年齢で変わってきますが、乳児期(7ヶ月未満)では3回の初回接種と1回の追加接種で計4回の接種となります。
今の所は任意の接種となり、費用は1回1万円前後になる見通しです。

乳児期から保育園などの集団生活を考えている場合には、費用の事を考えても十分メリットが得られるワクチンだと思います。

詳しくはメーカーのワクチンに関するサイトを参照してみてください。

当クリニックでも、受付を来週以降開始したいと考えていますが、費用等含め詳細はまだ決まっておりませんので、また決まり次第ホームページを含めお知らせをします。

日本脳炎ワクチン

2010-02-12 01:25:09 | 雑記
2005年に接種の積極的勧奨が見合わされていた日本脳炎ワクチンですが、
先月第1期接種の4月からの積極的勧奨の再開が報道されました。

しかし、今度はワクチンの供給が十分にできないのと理由で、接種の積極的勧奨は3歳児に限られ、4~12歳での積極的勧奨接種は見送られることに決定したようです。

積極的勧奨接種の見合わせに関係なく、接種対象年齢(事実上2期の接種は対象外)であれば定期接種としての接種を受けることは可能です。
自分のクリニックでは、保護者の方の同意の上で出来るだけ対象年齢のお子さんに接種をする方針で、日本脳炎ワクチン接種を行ってきましたし、今度も接種していく予定ですが、4月以降ワクチンの確保が困難になるのではないか心配です、、、

インフルエンザ

2010-02-11 20:53:09 | 雑記
今のところ全国的にインフルエンザの発生報告は減少傾向にあります。

当クリニックでも、今週に入りインフルエンザ迅速検査で診断確定した患者さんがいなくなってきました。
このまま今シーズンの流行が終息するのか?
今シーズンに関しては、始めてのことばかりで予想が出来ません、、、

新型インフルエンザの流行がもう一山やってくる?
沖縄(もう減少傾向にありますが)での流行状況をみているとありそうな気もします、、、。

従来の季節性インフルエンザの流行が始まる?
今の所、B型の発生が若干出始めているようですが全体の1~2%程度で、流行という程ではありません。
Aソ連型・A香港型に関しては発生の報告はありません。
過去の新型発生時に、従来の型のインフルエンザが姿を消してしまうという現象が今回も起こるのか?

いずれにしろ油断はせずに、動向を見守る必要はありそうです。