子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

食物アレルギー?

2017-05-31 21:31:38 | 雑記
僕自身が医師として約30年、
食物アレルギーのお子さんおの診療はとても増えたと思います。

実際に食物アレルギーのお子さんは増えているのですが、
メディアなどを通じて食事アレルギーの情報が多く発信されるようになり、
必要以上に食物アレルギーに過敏になてっているようにも感じます。

乳児健診の際に、アレルギーを怖がって離乳食の開始が遅れていたり、鶏卵などタンパク質をなかなか開始していない方にも度々遭遇します。

アレルギーかどうか分からないような症状(食べた後にちょっと口の周りが赤くなった、など)で、
直前に食べた物のアレルギーだと思いその後その食べ物を食べさせていない、、、

直接その食べ物と因果関係がはっきりしている症状ではないが、
皮膚の症状などでアレルギー検査をしたら陽性だったのでその後その食材を食べるのを止めた(食べないように指示された)、、

食物アレルギーの診療は、アレルギーが疑われる食物を単に制限することではありません。

1、本当に食べれない物(強い症状がでる)は確実に判定して制限除去が必要です。
  同時に誤食時の対応を考えなくてはなりません。

2、食物アレルギーであっても、食べられるようになる可能性があれば、最終的に食べられるように手助けをする。
  (残念ながら、皆が食べられるようになる訳ではありません)

3、単に検査で陽性だからと必ず食物制限が必要な訳ではないので、
  本当に制限が必要か判断をする。
  検査をする以前に本当に検査が必要か判断し、むやみに検査はしない。

4、食物アレルギーの予防に努める
  アトピー性皮膚炎など皮膚の状態が悪いことが食物アレルギーの発症リスクにななるので、皮膚のケアを徹底する。
  早期から食物を適切に開始することで食物アレルギー発症が抑えられる報告があり、少なくとも心配だけで色々な食材の開始を遅れせないよう、適切な時期に色々な食材を開始するよう指導する。

などなど、

食物アレルギーの適切な判断と対応をするのは当たり前のことですが、
検査をして陽性なので食べるのは止めましょうと言った単純なものではないことを覚えておいて下さい。

熱中症?

2017-05-24 18:45:21 | 雑記
暑い日が増えてきて、これからしばらくは熱中症に注意が必要な時期になりました。

子どもの発熱で来院されて、熱中症ではと心配される方も毎シーズンいらっしゃいます。

熱中症で体温が上がることはありますが、
熱中症であれば体温上昇以前に熱中症を疑う症状が必ずあるはずです。
元気だったのに気が付いたら熱が高かったというのは熱中症らしくはありません。

熱中症で高熱が認められるような状態は、熱中症の状態としては中等症〜重症になるので熱以外の症状に注意して下さい。

熱中症を起こしそうな状況で
「立ちくらみ」「筋肉がつる(こむら返り)」「手足のしびれ」
「頭痛」「吐き気・嘔吐」「体に力が入らない」「だるい」「いつもと様子が違う」
などの症状がある時には熱中症が疑われ適切な対応が必要となります。
この時期でも通常体温上昇は軽度のことが多いと思います。

更に症状が悪化すると、「けいれん」「意識障害」「高熱」といった症状になり早急に適切な対応を取らないと命に関わる事となります。

熱中症に関して詳しくは、「環境省の熱中症予防情報サイト」など参考にしてみて下さい。

症状を自分で訴えることが出来ない乳幼児は、保護者の方や周りの方が気をつけてあげる必要があります。
以前にも当ブログで書いていますが(「着せ過ぎ」「薄着の勧め(特に乳児の服装について)」)、服装や水分補給など注意してあげて下さい。

風邪など感染症で発熱している時も、部屋が暑かったり・着せすぎなどなどで熱中症になってしまうことがあるので注意して下さい。